第100話 夢


休日。昼手前にに起きて朝兼お昼ごはんを食べる。


ピンポーン


玄関のチャイムが鳴った。

なんだろ。特に何も頼んでなかったはずなんだけど。


「にゃぁ」


猫かな?


いや、猫はチャイム押さないか。


玄関を開けると、さやが立っていた。


なんで猫耳?あと尻尾も生えてる。


「にゃあ」


「どした?」


「ニャンニャン」


いや、どーしたし。まじで、説明を求む。

すごく純粋な目でニャンニャン言ってるよこの子。


「えぇ。とりあえず上がる?」


「にゃん」


うなずくんだ。


いつものようにうちに上がってソファに座る。


「それで?今日は猫なの?」


「にゃん?」


日本語でお願いしたいなあ。


「ニャンニャン」


その気はないらしい。


今日は猫でいたいのか。俺の膝の上で甘えてくる。


「なんなんだろ」


まあ、可愛いから良いんだけど。


ちょっと気になってた頭に生えてる猫耳を触る。


「あったかい…あれ?これちゃんと生えてるの?」


「にゃふん」


もふもふしてて触り心地いいなぁ。


「にゃおん。ううん」


ずっと触ってるとさやに止められた。


「ごめんごめん」


さやの顔はちょっと赤くなっていた。


「にゃー」


だからなんだよ。

猫語はわからん。


「にゃんにゃん」


首に抱きついてくると顔を擦り付けてくる。


「今日は甘えたい日ですか?」


「にゃん」


そうっぽいな。


「付き合うぜ?」


俺も甘やかすのは好きだから。


そういえば、尻尾も生えてるんだよなぁ。

スカートの仕方からひょろっと髪と同じ色の尻尾が出ていて左右に揺れている。


「ほれ」


尻尾をギュッと握ってみる。


「にゃひぃ!」


うわっと!


どうやら感覚は通っているらしい。


「ごめんごめん。そんなに睨まないで」


俺からちょっと離れた位置に座るさやにそっと手を伸ばすと自分から手に体を絡ませてくる。


「いーこいーこ」


さやの頭を撫でてあげると嬉しそうに喉をゴロゴロ鳴らした。

そこも猫なのか。


窓から降り注いでくる日光に当てられてなんだか眠たくなってきた。


「にゃぅ」


「さやも眠いか」


ちょっと昼寝しよーか。

流石にソファは寝るには狭いし枕が欲しい。


ベットに移動するとさやの目の色が変わった。


「さや?」


「にゃんにゃん」


ベットに座っていると首筋を舐めてきた。


「えっと…?」


「にゃんにゃん」


さやは首元から少し離れてそのまま下に降りていく。

あの、さやさん。そっちはまずいですよ?


さやは、ズボンに手をかけて下ろしていく。


「ちょ、ちょっとまじで」


いやいやいや。もうすでに息子起きてるから。ね?まずいよ?


あ…


「ニャウ」


チュっ


あああああああああああ


理性が完全に崩れ切った。






こうして俺は童貞を…ッハ!?


…夢かよ!!!

もう少しだけあと少しだけ楽しませてくれても良くない!?


隣で寝ているさやを起こさないように心の中で叫ぶ。


それにしても…エロかったなぁ…さや。

動きと顔。…うんやばかった。


ついつい隣で寝ているさやを見てると襲いたくなってくる。

最近慣れてきてこういう感情殺してたんだけどなぁ。


息子さんは言わずもがなですね。早く寝なさい!


「さや?襲っても良い?」


さやに覆いかぶさるようにさやの肩の横に手をついて耳元でささやく。


寝ているせいかシルクのパジャマが少しはだけておへそが出てる。暑かったのかボタンも数個外してるせいで胸元も見えて刺激が強い。


襲っちゃえよ。


俺の中の悪魔がそう囁いてくる。


あぁ…うるさい。


そんな簡単に理性は崩れない。何せ今まで数々の修羅場を超えてきたのだから。


「っても起きてるわけないだよなー。今3時だし…はぁ。我ながら何をやってるんだか…」


さやの首元を舐める。


さっきのお返しと。ビクッとさやの体がはねた。


「さや?」


やっば。起きた?もしかして起きた?


…大丈夫っぽい?


「はートイレ行って寝よ」



ーsideさやー


な、な、、な…なななななななななに…?


ちょっと目がうっすら覚めると周が私の上にまたがって耳元でこうささやいてきた。


「さや?襲っても良い?」


心臓の音がどんどん速くなっていく。

やばい。


電気も何もついてない真っ暗な状態だからいくら顔が赤くなろうとバレないのが唯一の救い。


襲われる?でもまだ心の準備が…

でも周なら…


しばらく何もせずに周はまたがったままでいた。


な、何?今なんの時間?

心の準備はできた。いつでも大丈夫。多分。


スゥーっとお腹を触れる。


っん。くすぐったい…


そのまま周の指は上がってくる。

上がってきた指は胸まで登ってきてついにおっぱいの先端をかすめた。


んん〜


必死に声を抑える。


周の座り方えっちぃ。


「っても起きてるわけないだよなー。今3時だし…はぁ。我ながら何をやってるんだか…」


あれ。触ってる自覚ないの…?


少し油断すると周が鎖骨の上らへんから首をぺろっと舐めた。


ッツンン!さっきので敏感になっていたせいか体が跳ねる。


バレないように必死に体を押さえ込む。


「さや?」


起きたのばれちゃったかな…


「はートイレ行って寝よ」


どうやらバレてないっぽい。


ベットから周が出たのを確認すると、身をよじらせる。


「んふふふふ」


我ながら気持ち悪い笑い方だと思う。

だけどそれ以上に嬉しかった。


「周すきぃ」


つい声が漏れる。


溢れ出しそうな欲求を抑えて布団に潜る。

やっと落ちつてきた頃に周も戻ってきた。


周の方に背を向けて寝てる振りを続ける。


ゴソゴソと布団に入ると突然後ろから抱きついてきた。


「ッツ」


ほんの少し声が漏れてしまった。


「俺も大好きだよ」


…え?もしかしてさっきの聞いてたの?


でも。いや。


顔が熱い。


寝る…






(あとがき)


ついに本編100話です。

今まで付き合ってくださりありがとうございます。

お話はまだまだ続きます。


本来はバレンタインのお話を書くはずだったのですが、せっかくの100話イチャイチャしたいじゃないですか。

つまりはそういうことです。


次回はバレンタイン回です。今後もよろしくお願いします。


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