第94話 マンネリ化

今日は久しぶりにめっちゃ久しぶりに優の家でゲームしてる。

今日はさやも花音もいない。


「2人きりって久しぶりだな」


「私たちの関係まだばれてない?」


ウェー


「やめろ。まじで気持ち悪くなる」


さてと、ゲームしよう。


優と共にやるのは最近人気が減ってるバトルロワイヤルゲーム。前までは、スタートポチッと押せばすぐ始まったんだけどな。


「過疎ってんなー」


「時代に置いてかれてるな」


そうは、いいつつもしばらく待てばしっかりと始まる。

時代は、SFバトロワらしい。


俺はリアル系がいい。

銃かっこいいし、すぐ死ぬからクソエイムでも立ち回りでカバーできるのだ。


待機画面でしばらく待つ。


「んで、悩み事とは?」


今日優の家に来たのは、ちょっとした悩み事があったから。相談ついでにゲームをしてるのが現状だ。


「いや、最近さやとのことでマンネリ化しててどーしたもんかと、降りるぞー」


飛行機から飛び降りる。


「え、ちょっと待って?もう降りんのかよ。街ねーぞ」


「ここ。家四つあるじゃん」


マップにピンをさす。


「ど田舎じゃねーか」


「初心者激戦区にでも落とす気だったんかい」


俺にはこのくらいが似合ってる。


ちなみに、優は結構というかだいぶうまい。


「んで、マンネリ化だっけ?」


「そーそ、あ、SMGの拡マガあったらくれ」


画面を見たまま受け答えをする。


「へいよ。マンネリ化かー。俺はあれだな、いろんなプレイを『ズダダダダダダダ』


銃を乱射する。


「どした!?敵か?」


「試し打ちしてた」


「びびるからやめろ」


この銃声気に入ったからこの武器使お。


「他なんかねーのマンネリ対策」


さっきのは参考にならん。


「んーまずあれだな。マンネリ化しない」


「…というと?あと回復くれ」


「落としとく、まずお前らほどいちゃつかないだからマンネリを感じない、というか慣れたのか?」


自覚なしかよ。


「はよ車のれ」


「ヘイヘイ」


車に乗って安地へと。


「マンネリ化の何が心配なんだよ」


「当たり前になるのが怖い、前やらかしてるから。あ、やべ」


ゴン


「お前運転下手かよ。それは信頼だろ。俺だって、前は結構そういうの気にしてたけど最近は他の女子をじっくりみれる」


ここだけ聞くと変態。


「それで、結局花音に怒られるまでが約束だろ?ここで漁ろ」


「いいんだよ。それで。それに考えてみろよ。女子だってあれジャニーズだ俳優だ。俺らだって他の女子のこと可愛いって思ってもいいと思うんだが」


なんか語ってんなぁ。


「8スコあったよ、どーなんだろな。浮気に近い何かだとおもおうけどそれ」


「8スコ助かる、惚れた女と可愛い女ってのは別なんだよ」


なんか名言もどき言ってんな。

浮気の言い訳にしか聞こえないんだが…


「あと、信頼だな。俺は花音のこと信じてるし花音も俺のことを信じてる…はず」


「…そこは言い切ってくれよ」


「ウルセ。はよ車乗れー」


「荷物整理中。信頼はあるはずなんだけどなぁーなんだかなー」


拾いすぎた手榴弾を捨てるため、優ののるオープンカーに放り込む。


「あーーーーーー」


手榴弾の音を声でかき消す。


「いや、どした」


「そろそろ」


「は?『ドゴーーーン』


車と共に優も吹っ飛んだ。


「プププ」


「まじ殺す。ゼッテー殺す」


「仕方ねぇ。起こしてやるか」


死んだ優を起こして走って移動を始める。


「んで、なんだ?彼女のことが大切なのはわかるけど自分のことも大切にしろよ?」


「どゆことだよ。あー敵」


「倒した」


えぇ…はや


「彼女に縛られすぎんなよってこと」


「別に縛られてねーよ」


さやはそこらへん緩いし。


「んーなんていうのかな。もっと自由にってことだ」


「いや、わかんねぇ」


『ズダダダ』


「は?」


平原のど真ん中、唐突に後ろから撃たれた。


「ア、ワリーマチガエテウッチャッター」


こいつっ


起こすためスモークをまく。


「スモークもったいな」


「大丈夫。このためにいっぱい持ってたから」


計画的じゃねーか。


スモークにつられてやってきた、敵を優がSRで一掃してなんとか安置に入る。


あれ、俺まだ0キル。


「んでよ、別に成瀬ならそーゆーの気にしないんじゃねーの?」


「わかんない。でも俺が気にしてる」


「敵さんやってんな。漁夫ろっか」


「だな」


敵が膠着状態になっていたので、漁夫って行くことに。

有利位置に移動してから…『ズダダダダダダダ』


「OK」


物資を物色してからまた移動。


「まあ、たまには他の子と遊んでみるのも手だぜ?」


「遊ぶ相手いないし、なんでそーなんだよ。イッタ打たれた」


「おー隠れろ隠れろ。いたいた」


その後も敵を片付けながら後1人。


「相手さんは1人みたいだな」


「左右からつめる?」


「だな」


相手が回復している間に俺が左、優は右からつめていく。


「じゃあ、3カウントで打つぞ?」


優が俺に指示を出す。


「りょーかい」


「3、2『ズダダダダ』っておい」


「勝てたから良いでしょ?」


「まあ、勝てたけどさぁ」


まじ、つぎやる時は絶対こいつにSRは持たせない。

俺がキルできない。


今度は優のSRを封印してやってみるも、俺の戦績は芳しくない。


「もう、お前手榴弾だけで良いだろ」


「せめてピストルくれ」


優はピストルと手榴弾。

俺はなんでもOK。


「やっとキルできるぜ」


「お前が弱すぎるんじゃ」


「おめぇがつええんだよ」


全く…その装備で既に2、3キル。おかしいだろ。

その回は案の定強強装備の敵に優が屠られ。

流石に2対1は勝てなかった。


んーこいつ強い装備持たせてもダメだし弱い武装持たせてもダメ。めんどくせ。


次を始めようとしていると。何やら強めの階段を登る足音が聞こえてきた。

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