第85話 ダラダラ

河井家は、河井家の正月の集まりにいき。

春と雪のいなくなったうちは少し静かになった。


学校が始まるまで、まだ数日。


「暇だなぁ」


「んー」


今日も今日とて、寒い。本当に寒い。


朝食を食べてから、こうして、部屋に戻ってきて布団に入ってる。


年明けは結構やることあるけど、それを終わらせると本当にやることがない。


さやは、俺の布団の中に入って仰向けの俺の上うつ伏せの状態で乗っている。


「周ぅー」


「ん?」


さやに呼ばれてさやの方に顔を向けると、さやが俺のスマホをこっちに向けてきていた。


「できた」


フェイスIDってこーゆーことできちゃうよね。


「何見てんだ?」


「夫の浮気チェック」


何をしてんねん。


「してないっての」


「ならいいでしょ」


本当にやましいことは、ないですけど。


さやが見てる画面を少し、チラ見する。


「ちょぉー!」


さやからスマホを取り上げる。


「何?」


「浮気チェックにWebの履歴を見る必要はなくない?」


「夫の性癖を確認するのも、妻の務め」


君は何を言ってるんだい?


「絶対違う。んで、今度は何してんの?」


「さっきの情報をメモしてる」


スマホにしっかり打ち込んでる。


「貸せ」


「書いてくれるの?」


「…そーだな」


さやからスマホを受け取る。


削除…ポチ


「はい」


「あ」


どうやら気が付いたらしい。


「むー頑張って書いたのに」


実際よく書かれてた。どこからそんな情報得てたのやら…


「そーゆことはしなくていいです」


「むー明日から黒タイツ履いてあげるから」


「グフゥ…いや、ほんとに普通でいいから」


精神へのダメージがすごい。


「でも、喜ぶでしょ?」


「…もう、十分可愛いんだわ」


「…むぅ」


はい照れた。ちょろいですね。


毛布をかぶってしまった。


「照れんなって」


布団の外からさやの頭を撫でる。


「照れてない…」


「どーだか」


いや、ほんと可愛い。


こうして、ダラダラしてるのも悪くないな。


「むー」


少々ふてくされながらさやが布団から顔を出した。


「あらら?どしたのかわい子ちゃんや」


「茶化さない」


「悪い悪い」


いい反応するからなぁ


「んじゃ、今度俺の番だな」


さやのスマホをパクる。


「あ…」


案の定さやもフェイスIDを入れていたので、普通に開いた。


それでは、まずはメッセージを…


思ったより、他の人との付き合いがなかった。


特に男子は…なんか勇気出して送ってきたであろうメッセージが瞬殺されてる。


「もーちょっと男子と仲良くしてもいいよ?」


「?周と仲良いからいい」

 

…なんだかなぁ


さっき書いてたメモ帳でも見てみるか…


「…なんかありがと」


顔が熱い。


「?貸して」


さやが不思議に思ったのかさやが俺からスマホをとった。


「あ。ん。これは、みちゃだめ…」


恥ずかしそうにしてる。


メモ帳に書いてあったのは、9割俺のこと。

俺の好きのものやこと、俺にモテるためにどうするかとか。

どー考えても俺がみちゃいけないやつだった。


「意外だな。さやってそーゆーのやってたんだ」


「むーバレたくなかった」


「いや、なんかありがと。本当に」


そう言ってさやをぎゅーっと抱きしめる。


「ん。こうしてもらえると頑張ったかいがある」


「いい子いい子」


頭をナデナデしてあげるといい顔で笑った。


ネットで動画を見てると、さやがちょっと上がってきて俺の顔の前に顔を持ってきた。


「そこにいると見えないんだが」


「やだ」


かまってちゃんかな?


さやの顔を方の方にずらして動画を見ることにした。


「むー」


「どーしたの?」


「…かまって」


声が小さくて聞こえないなぁー


「聞こえないよ?」


「かまって!」


今日は、何気に素直。


「いいよ」


結局。かまってあげることにした。





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