第75話 クリスマス(2)

side優


周の家を出て花音と共に俺の家に帰る。

俺の親と花音の親は花音の家でクリスマスパーティーをしてるらしい。


合流するって言ったら友達とクリスマスパーティーしたやつは来るなって言われた。

今日は帰らないそうだ。


気を使ってるのかなんなのか…


「ねね」


サンタコスのままの花音が喋りかけてきた。


「どした?」


「なんで帰ろっていったの?」


へ?


「だって、今日親いないんだしなんなら周の家泊まってもよかったじゃん」


「…まぁそーかもな」


まぁ、花音も帰ろって言ったら「うん」って即答したけどな!


すると、ニヤニヤしながら花音がこっちを向いてくる。


「今日は性夜だからね!仕方ないね!」


うぜぇ。あと聖夜な…


「まぁ、2人っきりになりたかったのは事実」


「へ、へぇー」


顔赤いぞ


「あーなんかあっいなー」


んなわけねーだろ


「俺のパーカー返せ。寒いんだよ」


「やーだー」


暑いならいいだろが!


「あー花音寒くなってきたー」


しらじらしい、めっちゃ棒読みじゃねーか


「はいはい」


家に着くと急いで暖房をつけて毛布にくるまりながらソファに座る。


「うーさむ」


さっきまで誰もいなかったのも相待って家はキンキンに冷えてる。


「さーむーいー」


そう言って毛布の中に潜り込んできた。


さっさと服着ろよ。


花音はいまだにサンタコスのまま。


「それで?さっきから優が手に持ってるの何?」


バレてたか…


毛布を取り払い花音の方を見る。


「花音」


「な、何?」


「これ、もう一つのクリスマスプレゼント」


手に持っていた。ネックレスを渡す。


「え…ありがと」


驚きで素が出てる。


「ありがと!」


そう言って抱きついてきた。


「おいおい。落ち着け」


「えへへ。めっちゃ嬉しい!優やるじゃん!」


ウルセ


「つけていい?」


「ああ、もちろん」


「えへへ」


ニヤニヤしながらネックレスをつける。


「どう?」


「似合ってるよ」


花の形の金色のネックレス。

今の服装が赤色なのも相待ってだいぶ違和感ないし。めっちゃにあってる。


「そりゃそうでしょ?優が花音のために選んでくれたんだから」


まあ、確かにそりゃそうだわな。


「ふふーん。学校行ったらみんなに自慢しよ」


顔こえーわ。


大事そうにネックレス外して箱に戻す。


「あーでも花音なんも買ってないや」


「別にいいよ。俺が勝手に二つ買っただけだから」


「あ、待って。ある」


ん?


花音はさっきまで着ていた俺のパーカーを脱いで抱きついて耳元で囁いてきた。


「もう一つのプレゼントはわ・た・し」


ブチ…


その時。理性の紐が切れた音が聞こえた。








ーside周ー


優と花音が思ったより帰ったので母さんから送られてきたプレゼントを開ける。


箱を開けると何個かがラミネートされたのが出てきた。


「これさやの」


「ん。なんだろ?」


さやのプレゼント袋に入ってたのは化粧品。

ハンドクリームとか化粧品とか。

結構高級そうだな。


奮発したんだろーなー。


「さて、俺のは?」


何これ。四角い角ばったそこまで大きくない掌より大きいくらいのサイズの長方形の箱。


ん?透けてなんか見える。


0…0.1


ソファの下の滑り込ませる。


「周はなんだった?」


「えっとー特になんも入ってなかった」


我ながら無理がある言い訳だな。


「あ、周のこれかも」


ん?さやがもう一つの袋を渡してきた。


「なんだ?」


USBメモリ。いや、嬉しいけど…

仕事で使うし嬉しいけど!


さやとの格差よ。絶対さやのでお金使いすぎちゃって予算オーバーしちゃったとかそんな感じだろ。


ったく。ひどいもんだ。


ピンポーン


「あ、多分雫さん」


あ、忘れてた。そーだったそーだった。


「メリークリスマース!!」


「おかえりなさい」


雫さんを家にあげてドアを閉める。


「外寒かったー」


こたつに入る雫さんにあったかい飲み物を渡す。


「あ、ありがとー」


「これ2人にクリスマスプレゼントだよー」


雫さんがくれたのは、旅券。

雪山近くの旅館で温泉もあるらしい。


「ありがとうございます!」


「ん!ありがと!」


「うむうむ。楽しんできたまえー。美鈴ちゃんには許可もらってるから」


しっかりと手が回ってるな。さすが。


「いこ」


「もちろん」


出発は明後日か。


「あ、これ」


雫さんがワインを渡してくる。


「入れます?」


「うーん。のむー」


雫さん、こたつに入ると猫みたいだな。


グラスに入れて雫さんに出す。


「ありがとー」


体あっためながらアルコールは取るのは回りが早くなるので気をつけましょう。



「んにゅー」


案の上酔ってる。


「酔ってる」


「ん。運ぶ?」


「そーだな」


念のため一回声かける。


「雫さーん」


「ん?何?」


あれ?


「酔ってます?」


「酔ってたね」


「…もう治った?」


「呼ばれたから」


…化け物がいるぞ!?


「あ、そっかそっか。今日性夜だもんね。ごめんねー私はさやの家で飲ん出るよー」


そう言うとビンを持って家を出て行った。


雫さん。性じゃなくて聖です。こんなこと言ってる人初めてみたわ。


するとさやが俺の股の間に座ってくる


「イチャイチャしよ?」


「んーいいよ」


さやをギューっと抱きしめる。


「んふふ。あったかーい」


完全に顔蕩けてるぞ。


「んーあむ」


さやが振り返ってこっちを向いて首元を甘噛みしてくる。


「ひい?」


「いいよ」


何気に久しぶりかもしれない。


アム


あーちょっと痛いかも。


ゴクゴク


チュウチュウ


「おいひい」


「そりゃよかった」


いつものようにさやの頭を撫でる。

やっぱサラサラだなー


「美味しかった」


「はいよ」


ぺろっと唇を舐める。


「はいっと」


唇から垂れた血を人差し指で拭き取って舐める。


「血だな」


やっぱ何が美味しいかわかんない。


「もったいない」


キスしてきた。


「ん!?」


ちょっと。


床に押し倒される。


「口の中に血残ってる」


なるほど。わからん。


「ん」


俺攻められるのあんま好きじゃないんだよなーっと。


さやをお姫様抱っこしてベットにポーイ


「ねーねーお酒のおつまみってなんかなーあーごめんねー」


ちょうど雫さんがおつまみを求めてこっちの家にきた。


タイミング悪りぃいいいいい


なんか萎えた。


さやの横に寝転がる。


「なんもしないの?」


「あー愛でることにした」


「むー期待して損した」


何を期待してんだよ!


「お?」


ちょうど窓から外を見ると雪が降っていた。


「ホワイトクリスマスだね」


「ん」


「一緒にお風呂入ろ」


ここぞとばかりに言ってくる。


「だめ。先入ってこい」


「むー」


ぷんぷんしながらもお風呂へと向かっていった。


「さて」


さっき放り捨てた。母さんからのプレゼント。


やっぱり中身は予想通りだった。


「ん?」


中から一枚の紙が。


『孫の顔が見たいなぁ』


うるっせ!


これで何箱目だろ。どんどん溜まってくんだが。


「上がった」


軽く整理整頓をしてるとお風呂からさやが上がってきた。


「はいよ」


さやの髪を乾かして俺のお風呂に入る。


「ふー」


ゆっくりお湯に使ってるとついついウトウトしてきた。


「おっと。やべ。軽く意識飛んでた」


お湯ぬるくなってきたし。


さっさとお風呂から上がるとすでにさやはベットで寝ていた…クマのぬいぐるみを抱きながら。


しまった。俺のポジション奪われた。


「あーミスった」


「くすくす。嘘まだ寝てない」


へ?


「一緒に寝よ」


ポンポンとベットを叩く


「そうだな」


電気を消してベットに入る。


「ん。あったかい」


「クマとは違うのだよ。クマとは」


「ん。でもクマさんみたいにフワフワしてない」


無茶ゆーな!


くま、君は俺のライバルかもしれん。









(あとがき)


先日はすいませんでした!

色々と忙しくて投稿することができませんでした。


本当にすいませんでした。

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