第68話 イルミネーション

「デートいこ」


ん?


「どした?」


「イルミネーション見に行きたい」


なるほど。

確かに、俺ら何気にどっちも基本インドア派だからちゃんとした理由ないと外で書けないしな。久しぶりにデートってのも悪くないかもしれない。


「どこのイルミネーション行きたいんだ?」


「これ」


さやが見せてきたのは、青の洞窟。

渋谷で行われる。一面が青に染められるやつ。


「いいよ」


「いついく?」


「今日」


わお、タイムリーだね


「いいよ」


特に用事も予定もないし。


「ん」


「早めに行って渋谷デートしよっか」


「ん!したい」


落ち着け


さやは一度帰って着替えてくる。


「さて、何着るか」


最近寒いからな。夜なんてヤバそう


白のセーターに黒のズボン。上にモッズコートをきる。


「ただいま」


さやも着替えて帰ってきた。


あ、服かぶったし


白のセーターに黒タイツにホットパンツ。上にMA1。


「それ足寒くないの?」


と言うかエロい。

でかいセーターがホットパンツの半分くらい覆ってるのエロい。


まず、ホットパンツに黒タイツがエロい。

なんなら黒タイツがエロい。


なんで俺はこんなにエロいって連呼してるんだ?


「多分大丈夫」


「ならいいけど」


念のためのホッカイロとマフラーをバックに入れて家を出る。


「渋谷いくのも久しぶりだな」


「この前クラスの子といった」


JKは渋谷とか好きだもんねー


電車に乗って渋谷に向かう。


「なんか身長高くなった?」


さやがの位置がいつもと違う。


「今日はヒール」


なるほど。

殺しに来てるのかな?ホットパンツに黒タイツでヒールですか。

よろしくない。非常によろしくない。

魅力的すぎる。暴力的なエロさだな。

周り威圧しながら歩こ。


さて来ました。渋谷。


「どこいく?」


夜がくるまでまだ時間がある。


「109でもいくか」


暇つぶしにはなるだろ


「なんか見たいものある?」


「んーじゃあコスメ」


「りょーかい」


意外だな。今もだけど基本さやはすっぴん。

化粧とか興味あったんだ。


「そーいやなんでいつも化粧しないんだ?」


「そのままでも十分だから?」


自分でそれ言うか。まあ、実際そうだから言い返せないけど。

女子がいたら泣き叫びそうだな。


「あと大変」


まあ、化粧に1時間とか使う人もいるらしいし。

それは大変だわな。


「いらっしゃいませー何かお探しで?」


若い店員さんが聞いてくる。


「簡単にできるやつがいい」


「では口紅なのどは?」


口紅か…んー想像できん。


「口紅でキスマつけてやりましょうよ」


「ん。買う」


即決!?


「やめてよ?」


「…んー」


その間は何?


「色はどーします?」


「んーどれがいい?」


あ、俺に聞くの


「さや肌白いから赤すぎないのがいいと思うけど」


「そうですね。お客様の場合赤すぎると目立ちすぎちゃいますね」


「ん。じゃあちょっと薄めのピンク」


実際の唇の色に近い色を選んだ。


「あとは、マスカラとかですかね」


「マスカラ?」


「まつげのボリュームアップする化粧道具です」


あーあれか


「大変そうだからやめとく」


さやらしいとはいえばさやらしい


「そうですか、では口紅だけでよろしいですか?」


「ん」


結局口紅だけを買ってお店をでた。


その後、109をウィンドウショッピングしてからお店をでた。


「次どこいく?」


「これ行ってみない?」


さやに見せたはシブヤスカイ。最近オープンした、展望台。


渋谷を一望できる。


「行きたい」


「でしょ」


「ん」


と、言うわけできました。


「お、すげー」


スカイツリーとかより開放的な屋上。


「すごい」


「落ちそうで怖いな」


「ワンチャン死なない」


まじかよ、吸血鬼


しばらく景色を眺めてから降りた。



さてお昼ご飯を食べよっか


「なんか食べたいものある?」


「んー周は?」


「ないなら俺のお勧めのところいこ」


渋谷にくると毎回のように言ってるところだ。


「ん。そーする」


「ピザがうまいところがあるんだよ」


アメリカンサイズのお店がね


「ここ」


お店に入り注文する。俺はマルゲリータ。さやは濃厚チーズ山盛りピザ。名前からすでに凄そう。


実際に運ばれてきたピザはまあ、お腹がもたれそうなくらいの量のチーズが乗っていた。


「それ大丈夫?」


「…一緒に食べよ」


「お、おう。そうだな」


チーズ大好きJKでもこの量は無理だよな。


さすがアメリカンサイズのピザ。

食べるのが大変。


「うぷ」


「お、お腹いっぱい」


「やっと食べきった」


ざっと3人前はあったぞ


「美味しかったけど多い。チーズはしばらくいい」


「俺もだ」


「「ご馳走様でした」」


お店から出ると日も落ちかけてきて気温も下がってきた。


「…寒い」


だからその服寒いって言ったじゃん…


えーっと。鞄の中からマフラーを取り出してさやに巻いてやる。


「どう?」


「周の匂いがする」


鼻までマフラーに埋めてこっちを見てくる。


すごく…かわいいです。


「マフラー欲しい」


「買いにいこっか」


「んーん。これ欲しい。周の買ってあげるから」


「は?」


いや、確かに似合ってるけど


「自分の買った方がよくない?」


「んーん。これがいい」


まあ、いっか


「はぁ…まあいいよ。じゃあ俺のを買いにいこーか」


「ん!ありがと」


この笑顔が見られるならなんでもあげます。


マフラーを買いに服屋にきた。


「さて、どれにしよっかな」


「これは?」


んーさすがに赤のチェックはきつい。


「これでいいや」


灰色のマフラーにした。


あれ、思ったより高い。


まあいっか。


俺もマフラーをつける。

お、あったかいね。


「マフラー一緒」


「だね」


その後も暗くなるまでいろんなお店を回った。


「よし、そろそろいこ」


「ん」


すでに日は落ちて渋谷の街はイルミネーションが光っていた。


「ここらへんでも結構キレイだな」


「ん。すごい」


そこからさらに青の洞窟に向けて歩いているとだんだん人が増えてきた。


「け、結構人いるな」


「びっくり」


すでに道幅一杯に人がいる。


さやの手を握る。


「…はぐれないように」


「ん」


手をしっかり握るとさらに進む。


しばらくすると青の洞窟が見えてきた。


「す、すごい」


「だな。これは想像以上にすごい」


道沿いに生えてる木は一本一本に青いイルミネーションがついていて幻想的な空間を作り出していた。


実際にイルミネーションに入ると不思議な感じがした。


「キレイ」


しばらくその空間に入り浸ってから道を抜けた。


「凄かったね」


「ん。すんごくキレイ」


道を抜けたところにはいろんな屋台が並んでいた。


「なんか食べよっか」


「んー肉まん食べたい」


確かに寒いしちょうどいい


さやは肉まん俺はカレーまんを買った。


「あふい」


「ちゃんと冷やせ」


「ん、ふーふー」


いや、可愛いかよ


うま。


「食べる?」


カレーまんをさやの方に差し出す


「ん。食べる」


あむ


「どう?」


「美味しい」


さやのももらう。美味しいね


「さて、帰ろっか」


原宿駅から電車に乗って家に帰る。


「「ただいま」」


すでに遅い時間なので帰りの途中に買ってきた。ご飯を食べる。


カップラーメン買ってきた。


「「いただいきます」」


夜に食べるカップラーメン。罪悪感がいい味を出してる。


「ん。体に悪い味」


「わかる」


毎日は食べたくないけどたまに食べると美味しいやつ。

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