第63話 優が攻めてきた

side花音



今日の優は、なんと言うかいつもと違うのは最初から思っていた。


なんで違うかも薄々はわかってた。


でも


んふふーこれはいいなー!

優が彼氏してるなぁー!


いつもは出かけない優がデートに誘ってきた。

いつも同じ事しか言わない服の試着で思ったことを言ってくれた。


幸せ〜


これじゃあ、もっと優のこと好きになっちゃうよ〜


昼食を食べてから優の家に向かった。


「「ただいまー」」


「お帰りなさい」


優のお母さんに手招かれ近づく。


「出かけるなんて珍しいわね、なんかあったの?」


耳元でコソコソと聞いてくる。


「どーやら優が花音のこともっと好きになっちゃったみたいです」


「もうすぐ孫の顔が見れそうね」


優との子供かー、名前どうしよっかなー


「おい、聞こえてるぞ」


あちゃちゃ


「じゃあ、行きますね」


「はーい楽しんでねー」


ゆうの部屋に入る。


いつもは大体ここでぐーたらしてるんだよね


「こっちこい」


優がベッドに座り隣をポンポンと叩く。


「まだ、お昼過ぎだよ?」


「そーゆーことじゃねーよ」


なんだ違うのか


「じゃあ何?」


優の隣に座る。


「こゆこと」


優が自分ごとベットに倒れ込む。


「ま、また珍しーなー」


し、心臓がバクバクしてる


「ちょっと昼寝」


「はーい」


優が花音のことを抱き枕にしてる。


うぅ〜。こーゆーのされたことないからーやーばーいー


「花音顔赤いよ?」


「見ーるーなー」


近くにあったぬいぐるみをとって顔を隠す。


「かわいいよ」


もう、なんなのキャラ変わりすぎでだよ!

そんなこと言ってくる優知らないんだけど!


「誰?」


「それはひどいだろ」


「そんなこと言われたことないもん」


うーほんとにダメー


「言ってないけど思ってたし」


これは耐えられない!

ペースを取り戻さなければ!


「その余裕な顔うざい」


「え、ひど」


「ん!」


優の唇に吸い付く。

そのままゆうの上に乗ろうとしたら逆に優が上になってしまった。


「んーん」


うー花音のペースがぁ…


抵抗しようと優の肩を押すとその手を握られてベットに押さえつけられる。


んー強引すぎ…


そのままあ舌まで入れてきた。


「ん!?」


舌と舌との絡み合い。優の唾液が口の中を侵食していく。


もう…だめ


「ん!」


「いったぁああ!」


優の舌噛んでやった。


「もー調子乗りすぎでしょ」


体が熱い。顔は沸騰しそうなくらい。


「ひはをはむのはやへろ、めっはいはい」


「攻められるのは慣れてないから」


やるのいつも花音だし。


「嫌だった?」


「…嫌ではなぃ」


「そんなに嫌ならもうしないけど?」


「嫌じゃないから!」


「素直でよろしい」


優が頭を撫でてくる。


んー今日は終始先手を取られてる。

イジワル


部屋のドアが開いた。


今はまだ押し倒されて優が覆いかぶさってる状態


「花音ちゃーん。今日夕飯食べてー…邪魔してごめんねー!」


バタン!


「優に襲われてる」


「なんでだよ」


優は隣に寝転んだ。


「どしたの?」


「なんか疲れてから寝る」


まあ、最初の目的昼寝だからね。


「慣れないことするからだよ」


ツンツン


優のほっぺたを突く。


「花音も一緒に寝るー」


「はいはい」


優に体を寄せる。


んふふーあーこの時間止まってほしーなー!

このままずっといたい。


「やべ。舌が痛すぎて寝るどころじゃない」


そんな声が聞こえる中花音の意識はどんどん沈んでいく。




「起きろ」


ん?


「あ、おはよー」


「夕飯食べてくだろ?」


「いいのー?」


「もちろん」


やったぜ!


「食べてくー」


ベットから体を起こして部屋をでる。


また少し足取りがおぼつかない。


階段…おっとっと


「おい、起きろ」


「えー起きてるー」


「顔洗ってこい」


「ふぁーい」


階段を一段ずつ慎重に降りて洗面所で顔を洗う。


「んー起きたー!」


優の家のご飯はいつもオシャンティで美味しい。


「まったく、ママにも見習って欲しいなー」


ご飯を食べ終わる。

いつもここで帰る。


「今日、泊まってく?」


優のお母さんが嬉しい提案をしてくれるけど。

いつも優は「どっちでもいいー」とか言うから結局帰ることになる。


優の方をじっと見る。


「…泊まってけ」


「じゃあそーする!」


んふふーやったーやったー!


お泊まりだー!


先にお風呂に入らせてもらうことになった。


「ふーあったかーい」


「ここ、タオルとかおいとくぞー」


優の声が聞こえる。


「一緒に入らないのー?」


「アホか、入らねーよ」


ちぇーだめかー。

まあお泊まりできるだけでいいやー!


久しぶりだからなー最近ご無沙汰だしー


お風呂から上がって着替え優の部屋に向かう。


「上がったよー」


「はいよ。じゃあ俺は言ってくる」


「花音の入ったお湯飲んだりしないでね?」


「そんな気色悪いことするわけねーだろ」


少し顔を赤くしながら優は部屋を出て行った。


「にしてもこの寝巻きおっきいなー」


優の部屋着のパーカーらしい。


でも優の匂いがたっぷりだから最高!フォオオ!


おっとおっと落ち着け花音。


「さてと、エロ本探しをしよう」


さてさて、ベットの下。なし。

クローゼット。なし

机の引き出し。なし


ない。


んーやっぱ最近の若者はネットなのか!


「じゃあ、スマホチェーック」


パスワードは誕生日。違う

花音のかな?違う


あ、付き合い始めた日。


むっふふーちょろいな優くん。


さてさてープライバシーだからlineとかは見ないであげよう。

信じてるからねー。でも気になる!


とりあえず、ネットの履歴ー!


「おっとー?これは?絶対履歴消してる」


クッソーなかなかやるなー!


写真はー?ん?花音との写真全然ないんだけど。


あれれ?


これなんだ?


ポチッと。またパスワードかー。だがここにはお宝が眠ってる予感!


さっきと同じ?違う。

…違う…違う


そろそろ制限きそうだなー


「0176」


あ、いけた。

自分の身長パスワードにする人っているんだ。


さてさて、お宝はー?


「んふふふーえへへへ。ムフフー」


こんなに花音の写真あるなんてー。これは隠さなきゃですなー。


花音の知らない写真もあるしー。付き合う前のもある。

ぱっと見ストーカーだなー


んふふー花音の優フォルダが負けるなんてー


花音単体の写真多いなー。


ガチャ


あ、帰ってきた。


「おい、人のスマホ見て何してる」


「なんもしてなーい。んふ」


画面を閉じて優に渡す。


「なに、ニヤニヤしてんだ?」


やばいよーニヤニヤが止まんない


「なんでもなーい」


「写真見たな?」


「んふ」


「おい」


「んふふ」


「見たんだろ」


「見てな、えへへ」


「このやろ」


「ごめんなふぁーい。ほっへはのーびーるー」


えへへ。だって仕方ないじゃん


「なんでパスワードわかんだよ」


「優のことならなんでもわかるからねー!」



これからも大変なこともありそうだけど。

優とならなんとかなりそうな気がするー。


「んふふー」


「どした?そんなにくっついてきて」


「やだ?」


「別に」


「これからもずっと一緒にいてね」


「俺のセリフだ」


「えへへ」


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