第57話 修学旅行 2日目 後編

みんなでお風呂に向かっていると、脱衣所に入る前でさや達と会った。


「さやもお風呂?」


「ん」


それだけの言葉を交わすと別れて脱衣所に入る。


「何?お前ら喧嘩でもしてんの?」


「ん?してないけど?」


どゆことだ?


「全然喋んないじゃん」


「まあ、確かに?」


「いや、こいつ人前だとああだけど、裏だとめっちゃいちゃついてるから」


おい、優。そんなつもりないんだが


「で?どこまでやったんだよ…もしかしてもうヤった?」


「…ヤってない」


と言うかお前らに報告するつもりもない。


「さては、高坂、お前粗チンだな?ビビってんだろ」


俺の股間を見てくる。


「…でか」


その感想やめて?

人の股間見てその感想。あんま嬉しくないんだけどな。


体を洗い終わり、お湯に浸かる。


「それで?どこまで?」


「キスはした」


なんで言っちゃってるんだろ。


「うわー俺らの成瀬さんがぁ!」


「お前らのではない」


それは断言する。


「どんな味だった?」


味…?え…?味…?


「いや、わからん」


「ハグとかもしてんだろ?羨ましいよなぁー」


付き合う前からしてましたなんて言えない。


「こいつ、この前一緒に寝てたしな」


優くん?余計なこと言わないで?炎上するから


「はぁああ!?」


「俺も成瀬さんと添い寝されてぇ!」


ほらぁー


さやとの添い寝は最高だよ?


「どーやって成瀬さん落としたんだよ」


まあ、多分色々だと思う。


ご飯しかり、俺の血もしかり。


「理由は色々かなー」


「周の場合は血もあるしな」


「血?どゆこと?」


なんでこの人余計なこと言うの!?


「なんでもないよ」


「まあいいけどさー成瀬さんとどっか行ったりしたのか?」


「雫さん…あーさやの親の家?別荘行ったりうちの実家行ったり」


「別荘!?成瀬さんってお嬢様だったのか?」


そういうわけではないんだが


「それよりも、親公認なんだな」


まあ、そーだな


「雫さんってもしかして文化祭の時きてた人?」


「あーそうそう」


「まじか、あの人親なんだ。めっちゃ若くね?お姉さんかと思ってた」


歳に関しては全然若くないですね。


「確かに。20代前半に見えた」


「8歳くらいで子供産んだのか?」


「なわけねーだろ」


「「ワッハハハハハハ」」


本当の親でもないんだけど、話こじれそうだし内容が内容だから話すつもりもない。


「でもさ、普通に考えたら40代近くってことだろ?」


「俺、全然いけるぞ」


やめい


いつの間にかさやの話から雫さんの話になってるし。


「もう一度会いたいぜ」


「ああ、俺も」


何言ってんだか


「おっと、話がずれてしまったな」


「それで?付き合ってみてどうなの?」


「かわいい。愛おしすぎる」


「ど、どの辺が?」


いっぱいあるんだよなー


「まずは、甘えてくる時。これがまた破壊力が半端じゃない。可愛すぎて困る。理性との戦い」


「「「お、おお」」」


「一緒に寝るときも体の一部くっつけてくるのやばい」


「「「お、おお」」


「ちょっと嫉妬してくるのも可愛すぎる」


「「「おおお〜」」」


「全身で愛情表現してくるのもすごくいい」


「「「うおー」」」


「あと、髪めっちゃサラサラでキレイ」


「もしや髪フェチ?俺もだ!」


同志がいた。


「最高の髪型は…」


「ロング」「ツインテール」


…どうやら分かり合えそうにない


「残念だ」「ああ、こちらこそ」


「他ないのー?」


「それからそれから…


止まらんわ



「いや、そろそろ止めろ。もうわかったから」


優が止めてきた。


「そーだな」


「高坂…1発でいい。殴らせろ」「俺もだ」


「ええ、やめて?」


目が怖いんだよ


「クッソぉー!羨ましすぎるだろー!」「うおー!ずりぃー!」


君たちが聞いてきたんだからね?


「はあ…なんか口の中が甘い。帰って塩飴舐めよ」「俺もそーする」


そう言って出て行った。


「いいよな、お前らの所は仲良くて」


優のとこも十二分に仲良いと思うけどね


「ああ、まだ貴船神社のこと気にしてんの?」


「まあ、最近なんかマンネリ化してるし。もしかしたら花音は…」


ネガティブなときのこいつめんどくせぇ


「大丈夫だと思うぞ。花音が浮気するわけないし優がもっと愛情表現してやれ」


どーせ、そーゆーキャラじゃないしーとか思ってるんだろ?


「はぁ…そうだな。そーしてみるか」


「さて、そろそろ上がりますか」


「そーしよ。のぼせるわ」


ーsideさやー


京都観光から戻り部屋に行くとすでにみんな帰っていた。


「おかえりー」


「「ただいま」」


もうすでに何人かは、お風呂に入って浴衣に着替えている。


「2人とも一緒にお風呂いこー!さやちゃんと高坂くんのラブラブ生活のこと聞きたいし」


「あ、うちも聞きたいからいくー」


まだ、話すとは言ってないんだけど


勢いに流されて大浴場に向かうと、周がいた


「さやもお風呂?」


「ん」


言葉を交わすと別れて、脱衣所へと入っていく。


「なんか2人とも熟練夫婦みたいだねー」


「うんうん。なんか話さなくても伝わってるみたいなね!」


ん。もう熟練…だけど


「あれは、周が恥ずかしがってるだけ」


「へー意外だね。高坂くん恥ずかしがったりしないのかと思った」


「確かにー」


ああ見えて、周は恥ずかしがり屋。


「人前だと甘えさせてくれない」


甘えたいのに


(十分人前でいちゃついてない?)

(うんうん。あれ以上ってどんなんだろーね?)


服を脱いでお風呂に入る。


「さやちゃん頭洗ってあげる」


「ん。ありがと」


「さやちゃん。髪キレイだよねー。手入れしてるの?」


「ん。周が髪好きだから」


手入れも基本的に周がやってくれるから自分でやることはあんまりない。


「へー高坂くんって髪フェチなんだー。縮毛かけよっかなー」


むー余計なこと言ったかも


「体も洗ってあげようか?』


「いい。自分でやる」


体は少し恥ずかしい


「じゃあ、背中だけー」


「さやちゃんの肌キレイでいーなー。うち運動部だから黒くなったしー」


運動部は仕方ない…


「もちもちだねー」


「うーん。さやちゃんに勝てる要素が見つからないよー」


「そんなことない!うちらにはさやちゃんの持ってないこれがある!」


おっぱい…う!


「違うもん。まだ成長期なだけだもん」


きっとボンキュボンになるはず


「それでも花音には負けるけどねー」


「ほんとだよーどーやったらそんなに大きくなるの?」


「気になる」


花音は少し考えてから答えた。


「揉まれてるからな?」


「くそー!もっと揉んでやるー!」


「あ!やめて、助けてぇー」


揉まれる…


フニフニ


んー


「さやちゃんもどーせ揉まれてんだろー!」


「んーんない」


「もしかしてまだヤってない?」


「ん。まだ」


周がなんもしてこないから


「どこまで行ったんだよ〜」


「キスはした」


「おーいいじゃん。どんな感じだった?」


どんな感じ…唇に触れる。


「嬉しかった」


その感覚は覚えてる


「さやちゃんをこんな顔にさせるなんて恐ろしき高坂くん!」


「凄そうだなぁー」


「この前なんて一緒に寝てたしねー」


それは普通


「えぇ!うちも一緒に寝てみたい!」


「う、羨ましい!」


周と一緒だとよく寝れる。あったかいし


「高坂くんと寝る時ってどんな感じなの?」


「ぎゅーってしてくる。甘えたいときは足も」


周が寂しかった時とか甘えたい時は本人は気付いてないけど足絡ませてくる。

あと、ぎゅーってする強さも変わる。


「ななな、何それ!?」


「うらやまけしからん!」


「あははーそれは意外だねー」


花音も驚いてる。


「なんか今日花音元気ないけど、どしたの?」


「うちもそれ気になってた。口数少ないし花音らしくもない」


「あれ?そう見えた?いやーカクカクシカジカでしてー」


貴船神社のことを話した。


「なるほどなるほど」


「おみくじだから気にしなくて大丈夫だって!」


「うーんわかってるんだけどね」


だいぶダメージを受けてるらしい。


「優を持って信じてあげて」


「さやちゃんの言うとおりだよー!小西くんが花音のこと振るわけないって!」


ん。間違えない


「うちもそう思うよ」


「そ、そうかな」


「ん。だから信じてあげて」


「うん」


少ししみじみしてしまった。


部屋に戻ってトランプしてると誰かがきた。


トントン


「うちでるよー。はーい待ってねー」


誰かな?


「あ、小西くん」


優がきた。


「ちょっと、花音に用があってな。呼んでもらっていい?」


「わかったー」


声は中まで聞こえてたので花音はドアの方へと歩いて行った。


「ちゃんと信じてあげてね」


「う、うん」


すこし不安そうに出て行った。


「ここじゃ、あれだから移動しよっか」


優がそう言うと花音と優は、何処かへと移動して行った。


「なんだろうね?」


「別れ話とか?」


「んーん。大丈夫。優もおみくじのこと気にしてたからそのことだと思う」


「そっかーうまくいくといいね」


ん。きっと大丈夫。


「ねーねーこっから見えるよ」


1人が窓から見える裏庭に2人がいるのを見つけた。


「ほんとに!?」


窓に行くと本当に2人の姿が見えた。


なんか話してる。


あ、優が花音にハグした。


「花音顔赤くなってるね」


「何言われたんだろなー」


大丈夫そうで安心した。


「あーチューしてる!」


「なんだってー!?」


花音はいつもどおり、いやそれ以上の満面の笑顔で帰ってきた。


「何言われたの!?」


「秘密〜」


「えー教えてよー!」


「ムフフー秘密ー」


余程嬉しいことを言われたのか花音の終始笑顔だった。





(あとがき)


ついに5万PV突破しました!ありがとうございます!

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