第53話 ゲーセン
二学期、前半の行事である文化祭、定期考査が終わり
2年である俺らには、修学旅行がある。
目的地は京都奈良
中学の頃も行ったけど今回は紅葉がキレイな11月下旬
中学の時は雨降ったからな。行くのも10月上旬で紅葉もなかった。
そして今回は、その修学旅行に向けた事前準備を行う。
そのせいか、今日は朝からさやの周りに男子が多い。
「えっと、俺らと一緒にグループ組まない?」
「いや、俺らといこ!」
基本的にはグループ行動なるから
さやへの勧誘がすごい。
「周といくから、ごめん」
事前に俺が申し込んでますので
うわ、めっちゃ睨まれてる。こっわ
「河井さん?一緒にグループ組まない?」
どっかのバカが花音に声をかけた。
「花音?「てめぇ、死にてぇのか?」
うん。知ってた。
まあ、人の彼女を誘うのはどーかと思うけどね。
さやに関してもそうなんだけど。
「ねーねー周くん。グループ組まない?」
ん?さや目当てかな?
「ごめんね。もう決めてるから」
「そっか、ごめんね」
その後も何回か俺の元にも勧誘が。
さや目当てで俺に言うって相当だよな。
あれ?でもなんで男子は来ないんだ?
まあ、男子が男子誘うのはきついからかな
ま、いっか…
キーンコーンカーンコーン
「はーい座ってー」
櫻井先生が入ってきた。
「じゃあ、まず班行動が基本になるからその班員決めるよー
人数は、多くなりすぎないように4〜6人で組んでねー」
グループ決めが始まった。まあ、俺らはもう決まってるんだが
あーあさやの周りがすごいことになってるな。
人気者も大変だよね。
迎えに行く
「さや」
「だーめ!うちらのさやちゃんだからね!」
さやと仲良い女子2人に捕まってる
「いや、俺のものだから」
あげないよ
「え、あ、うん」
なんか、仲良し女子は驚いてる。
どした?
さやの手をとる。
ちょっとさやの顔が赤い
「どした?」
「ん?え、なんでもない」
目を逸らされた
ちなみに、グループのメンバーは俺、さや、優、花音のいつものメンバー
「決まったかな?」
グループ決めが終わり
今度は、どこに行くかを決める。
「どっか行きたいとこある?」
「ない」
「ない」
「わかんない」
お前らなぁ…
「あ、花音。紅葉キレイなとこ行きたい」
「紅葉か、有名なところだと清水寺とか稲荷とか?」
「いいね。そこいこー」
テキトーだな
「はいよ。他は?」
「たけのとこー」
「なんちゃら竹林の道ってやつ?」
「そーそー」
ほんと適当だな
「さやは?」
「ここ」
さやがスマホを見せてくる
「渡月橋かいいんじゃない?」
「あ、俺10円玉のとこ行ってみたい」
「平等院な」
着々と決まっていく。
「ここー」
今度は、花音がなんか見つけたらしい
「北野天満宮ね」
「ここ行きたい」
さやが見せてきたのは
「地主神社?」
「縁結び」
「あーなるなる」
結局結構な数の候補が決まった。
「まあ、他は現地で決めればいいんじゃない?」
「うんうん。花音もそれがいいー」
まあ、確かに行きたいとこ行けばいっか。
「ん。それがいい」
「そーするか」
その後、宿舎の部屋割りを決めた。
ちなみに、女子と男子の部屋は、一階と二階で分かれている。
「宿舎は、混浴風呂あるけど、今のところ入っていいか検討中でーす」
ん?
ザワザワザワザワ
おークラスがざわついております。
いや、検討する余地ないでしょ。普通に考えてダメだから。
「はーい、みんな静かにしてー」
混浴風呂があると聞いて静かにするのは無理がある。
「もー終わりだから、静かにして」
櫻井先生の必死の努力の末なんとか静まった。
「はい。じゃあ、終わるから行きたいとことか考えといてね」
こうしてHRが終わった。
「一緒に混浴入る?」
「入れるわけないだろ」
「どーだろ?」
いや、ダメだろ。
「帰ろっか」
「寄り道したい」
ほう。珍しい。
「どこに行くの?」
「ゲーセン」
ん?なんて?
「また、どーして?」
「この前友達とプリクラとった。周とも撮りたい」
うぇ…あれ苦手なんだよな
「まあ、いいけど」
駅近くのゲーセンに行くことに。
ゲーセンに入ると、相変わらずうるさい。
プリクラ撮るだけなのもアレなので
「UFOキャッチャーでもやるか」
「できるの?」
「まあ、一時期優と乱獲して怒られたりなんだり」
懐かしやー
「私も頑張る」
お金を両替する。
「さて、なにやろっかな」
「これやる」
さやが選んだのは、大きいくまのぬいぐるみ
結構難易度高いやつ
チャリン
必死にみながらやってる姿はなんか可愛い。
「むーもっかい」
あーらら?これは沼りそうだな
「むー」
5回目失敗。
「俺もやってみよか」
こーゆーのって頭狙うといいんだっけ?
持ち上がったものの、途中で落ちた。
「後一回で落ちるかな」
しっかりと、くまの頭を包み。
持ち上げた。
あ、落ちる。
ギリギリ取り出し口への穴に落ちた。
「ほれ」
「ん。ありがと」
「周すごい」
「いいのいいの」
そこへ1人の店員がやってきた。
「ん?君どっかで?」
あ、ヤッベ。俺らのこと出禁にしたあの店員さんじゃないですか。
「あはは、なんのことだか」
「君に似た子を出禁にした記憶があってね」
うっわお。まじで思い出すな
「あの今デート中なのでしつれしまーす!」
なんとかそこを切り抜けた。
やっぱ、あそこでクレーンゲームはできねーな。
「さてとプリクラ撮るのか?」
「ん。こっち」
さやに連れられてお店の奥へと向かうと何台ものプリクラ機が。
「どれ?」
「これ」
違いがわからん
中に入る。
まあ、普通か。
「むー周笑って」
「はいはい」
さやは、さっきとったおっきいくまのぬいぐるみを抱いてとった。
「んーもっと」
「もっと!?」
「ん、早く早く」
えーっと。とりあえずさやを後ろから抱きしめておく。
とる寸前だったせいか、撮れた写真のさやの顔がちょっと赤くなってる。
「いきなりはよくない」
「おこんなって」
「じゃあ、こっちきて。屈んで」
ん?顔合わせてとる感じかな?
ちゅ
んな!?
撮影と同時にさやがほっぺたにキスをしてきた。
「おまっ」
「さっきのお返し」
「何倍だよ」
撮れた写真は、俺以上にさやの顔が赤くなっていた。
「いいね。かわいい」
「むー負けた」
なにと戦ってたんだよ
写真を2人用の大きさで印刷する。
最近はスマホでダウンロードできるらしい。
すごいね。
「ん。目的達成」
「あーなんか疲れたわ」
「また撮ろ」
「もう、俺は十分だけどな」
(あとがき)
遅くなってすいません!
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