第49話 インタビュー

「さてと、お昼ご飯食べいこっか」


フードコートの向かう土日なら激コミだろーが

月曜ということもありスカスカ

4人用の席につく、何食べよーかな


「何食べる?」


「うどん食べる」「うどんなのー」「うで〜ん」


あらま、みんな同じか

ちなみに俺もうどんを食べるつもりだ。


食券を買って渡す。

春と雪はお子様うどん。

さやは、ざるうどん。

俺は、明太釜玉うどん。


いや、まじでうまいからね。おすすめ。無料のネギもいっぱい乗せようね。


「うっどん〜うっどんー」「うだーんうでーんうどーん」




ふー美味しかった。


「うまうまなのー」「うまうま〜」


「ん。美味しかった」


ご飯を食べ終えて食器を戻す。


「あれ、あの人この前TV見た」


あれって、TVの撮影とかかな?

カメラとかあるし


初めてこーゆーの見たな。


そんなこと言いながら眺めていたらこっちに向かって来た。


ん?


「インタビューよろしいですかー!?」


元気よく聞いてくる。


「インタビューなの!」「テレビ〜?」


春と雪がお姉さんの前に出た。


「そーだよー」


「おー!すごいの!」「しゅっつえ〜ん」


「はいはい、落ち着け」


はしゃぐ2人を止める。


「今日は家族でここへ?」


インタビューは受ける流れになったらしい。

まあ、いいんだけどさ。


「いや、家族ではないです。2人は親戚ですね」


「じゃあ、奥さんではなく?」


さやの方を見て聞いてくる。


「まあ、彼女ですね」


「ふ〜ん。そーですかぁーお楽しみでしたねー」


ニヤニヤ煽ってくんな


「ん。17歳」


「え、高校生?」


「ん。そう」


「大学生かと」


結構驚いてるな


「彼女さんは彼氏さんのどこが好きなんですか?」


ん?


「やさしくてかっこよくて、かわいい」


かわいい…のか?俺男なんだけど。


「なるほどなるほど、かわいいとは?見た目ちょっと怖いくらいですけど」


怖いゆーな


「寂しい時とかギューってしてくるのかわいい」


…うん。さやさんやめて?


「彼氏さんは彼女さんのどこが好きなんですかー?」


今度は、俺か


「かわいい」


「知ってます」


あ、はい


「かわいがってるときの顔がかわいい」


「あの、夜の番組ではないのでそーゆーのはちょっと〜」


んな!?


「いや、普通に頭撫でてるときとかだから」


「あーならいいんですけどねー」


変な勘違いしないで欲しい。


「ちなみにどんな感じか見せてもらってもいいですか?」


「いやです」


ニコッと笑う。


「周怖い」


「あーごめんごめん」


ついつい…ね?


「小さいお二人さんにもお話聞いてみましょっか」


「春にも聞いて欲しいの!」「雪もー」


今のいままで聞かれたそうに待ってたからな。


「じゃあ、春ちゃんにはお兄さんのこと聞こーかな」


「周のことなの?周はねーレオとすっごく仲良いの!」


テンション高めに答える


「レオ?」


「おばあちゃんの家にいる。犬なの。こーやってワンワンってしてるの」


必死に手を犬の耳に見立ててレオを真似る雪の姿は率直にかわいい。


「じゃあ、今度は雪ちゃんにお姉ちゃんのこと聞こーかなー」


「髪サラサラでキモチ〜」


髪のサラサラさを体をうねうねして表現してるのはなんとも雪らしい感じだな


「あと、頭撫でるとき優しくて好きー」


「あー春も好きなのー!」


さやの手が少しひんやりしてるからね。なんか気持ちいのはわかる


「そっかー2人とも大好きなんだね」


「うん!大好きなの!」「大好き〜」


なんか、照れるな

隣でさやも少し赤くなってるし


こうしてインタビューは終了した。

結局、このインタビューの趣旨ってなんだったんだろーか。


まあ、最初に家族だと思って声かけて来たっぽいからそういう関係かな。

違ったから使われないだろうけど面白い体験だったな。


「じゃ、いこっか」


「いくの!」「いく〜」


「ん」


向かうは地下1F食品売り場

さっきまでの熱をひきづってかいまだにテンションの高い

春と雪は2人で手を繋いでエレベーターの方へと歩く。


「俺らもいこーか」


「ん」


さやの手をとり手を繋ぐ。


「あ、周の手大きいのも好き」


なんじゃそりゃ


「エレベーターきたの!」「はやくぅ〜」


「ごめんごめん」


早歩きで2人の元へと向かう。


俺が食材を吟味する間3人にはお菓子を選んでおいてもらうことにした。


早々に食材選びが終わったので3人の元へと向かう。


「んーバキューンなの」「バンバーン」


あーなぜかよく分からないけど売ってる謎の音出る銃じゃん。


俺もよく子供の頃そんなことをしたような気がする。

まあ、結局買ってもらえなかったけど。

普通に考えて買う必要は全くないよな。


「これ」


さやが持ってたお菓子をカゴへと入れる。


「ありがと」


「ん」


「周これほしーの」「バキューンバキューン」


ほんとなんで子供って欲しがるのかね。そんなもん


「買わないよ」


「えー音出るの!すごいの!」「ズダダダダダ」


あれね。毎回音変わるやつね。わかるわかる。


「お菓子とそれどっちがいい?」


「んー迷うの」「ん〜」


「お菓子ならみんなで食べれる」


お、さやナイスアシスト


「じゃあ、お菓子にするの」「みんな楽しー」


だだこねないとこ偉い。ほんといい子だな


食材を買い家に帰る。


すでに日は傾き始めている。


最寄り駅に着く頃には春も雪もつかれてウトウトしている。


そこそこの量の荷物を持って

さやは、春と雪の手を繋ぐ。


「ねむねむなのー」「んにゅ〜」


目を擦り今にも寝そうだな。


「あと、ちょっとだから頑張って」


何気にさやも結構疲れたのか歩みが遅い。


「はい、ついたぞー」


いつもの2倍くらい時間かかった。


すでに目が半分閉じてる3人をソファへと連れて行く。

雪と春はお互い寄りかかりながらそのまま夢の世界へ。

さやは、頑張って起きていようと睡魔と戦っている。


「寝てていいよ。やることもうないから」


「ん。じゃあ、こっち座って」


さやに言われ俺もソファに座ると俺の膝を枕にして満足そうに

夢の世界に入っていった。


みんなの寝ている姿を見てこっちまで眠くなってきた。


「ふぁ…俺も寝ちゃおーかな…」


ピロンピロン プルルル


しばらく寝ただろうか

んぁ…なんかさっきから通知音がすごいんだがなんだろ?



「はい、もしもし」


[やっほー周くぅーん]


花音か。


「なんだよ」


この声のトーンは大体めんどくさいやつ。


[まさかTVでも見せつけてくるとわねー]


「TV?」


[6ch見てみー。インタビュー受けてるの出てるよー]


え?あれ使われたのか?嘘だろ

急いでTVをつけると…案の定出てた。


まじか…


「んーねむ」


さやが起きた。


「ん?…あ」


気づいたか


「これ、さっきの?」


「だな」


さっきの大量の通知の内容もなんとなくわかった気がする。


確認したところ男子から悪口しか送られてきてない。うん。

女子からは色々きてる。


[ほんとお前らのこと知らなかったらぱっと見、家族にしか見えないしな]


「優?」


[あ?そーだよ?]


ふーん


「お前らも、いっつも一緒にいるよな」


[…うっせ]


「優照れてる」


間違いないね


[じゃ、切るね〜]


「はいよ」


電話を切ると今度はさやのほうのスマホに電話がかかってきた。


「あ、雫さん」


[もしもしーテレビ見たよぉ〜]


この人も見たのか


[随分と家族感があったねー]


「ん。将来は家族」


堂々と言うな。恥ずかしいから


[うんうん。楽しみにしてるよ〜]


このひともノリノリだよな。ほんとに


[あ、そろそろ着陸だから切るねー]


着陸って今どこにいるんだろ


「ん。じゃーね」


雫さんと電話を切れば今度は、俺のスマホに母さんから


「…はぁ。もしもし」


[もしもーし。TV出演とはやるわねー]


やっぱその件ですよね


「まあ、たまたまね」


[早く孫の顔が見たいわねー]


「は、はぁ…」


適当に相槌を取って電話を切る。


その後も学校の人らから送られてきた大量のメッセージを返事していく。


「TV出るのも大変だな」


「ん。もう出なくていい。疲れた」

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