二学期
第37話 2学期
二学期が、ついに学校が始まってしまった。
「めんどくせえ」
遅れないように早めに学校に向かう。
「おはー」「おはよー」
花音と優が俺のところにきた。
「さやちゃんは?一緒じゃないの?」
「なんで、一緒にいると思ったんだよ」
「「…はぁ」」
2人同時に大きなため息をついた。
なんだよ
キーンコーンカーンコーン
「はーい、席ついてー」
担任代理の保健室の先生こと中野先生。
なんで保健室の先生が担任代理やってんだよ
「今日は、櫻井先生は寝坊で遅刻でーす」
まさかの、先生が寝坊で遅刻。
「出席とるよー」
・・・
「あれ?成瀬さん来てない?」
結局、まだ来てない
前のドアが開いた。
「遅れた」
特に悪びれもなさそうにさやが入ってきた。
寝癖を直してないのか髪が跳ねてる。
「なんで遅れたのー?」
「寝坊」
「はーい」
それでいいのか
「うーん。成瀬さん遅刻多いぞー?」
「ん。朝は苦手」
「じゃあ、誰かと一緒に来ればいいんじゃない?」
名簿を見てニヤッと笑い俺の方に目配せをしてくる。
「あれ、高坂くんと家近いし朝一緒にきなよ」
「ん。そーする」
えぇ
速攻同意ってどゆことよ
クラスメイトにめっちゃ見られてるんだけど
「お、俺ですか?」
ニコニコ顔の中野先生に確認する
「だって、家近いじゃん。とn「わかりました!」
危ない。あれ以上言われると流石にまずい
花音と優もこっちを見てニヤニヤしてくる。本当にうざい
「まじかー俺一緒に行きたかったー」「高坂羨ましすぎる」「く、高坂覚えてろよ」クラスの至る所からいろんな言葉が聞こえてくる。
もう苦笑しかでない
「はい、こっち見てー!」
手を叩いて中野先生が呼びかける。
その後今日のこの後の流れを説明して出て行った。
クラスの男子が俺の周りに集まってきて各々愚痴を垂らしにきた。
「いいよなー高坂。まあ、俺は成瀬より花音ちゃん派だからいいけどー」
坂口がつぶやいた
あ…
坂口の方が何者かによって掴まれる。
「あぁん?そういやお前のこと潰すって約束だったよなぁ?忘れるとこだったわ」
「やばっ。忘れてると思ったのに」
首根っこ掴まれて坂口はどこかへと連れて行かれた。
俺らは、無言で連れて行かれる坂口を見守った。
「優ってまじで河井のこと好きだよな」
「それな。夏休みでさらに磨きかかったよ」
誰かが言ったその言葉に一同うなずいた
しばらくすると優と坂口が帰ってきた。
優はにこやかに、坂口はなんかやつれてる
何されたらああなるんだろうか
震えてるよ。彼
「ちょっと優、坂口くんいじめちゃダメだよー」
花音が割って入った
「か、花音ちゃん」
まるで女神を見るかのような。坂口
「んなことしてねーよ。花音に手出そうとしてたから、ちょっとお仕置きしただけ」
何それ怖い
「坂口くん、ごめんね。花音は優のものだから」
まさかの切り返しに坂口も開いた口が塞がらない。
何このバカップル。
「周」
さっきまで女子に寝癖を直してもらっていたさやが俺の裾を引っ張ってくる。
「ん?」
「明日からよろしく」
「はいよ、朝食べてく?」
せっかくだから提案してみた。
「ん!食べる」
1人分も2人分も大して変わらないからね
「はぁーい。席ついてー」
鐘が鳴り櫻井先生が入ってきた。
うちのロリ先生だ。
「朝はごめんなさい!寝坊しちゃって」
照れ隠しに前髪をいじいじしてる。
「じゃ、じゃあ。宿題回収しまーす」
各教科から出ている宿題を出していく。
「小西くん!宿題が出てないですよ!」
優はいつもどーり
「あーやってないでーす」
この通り宿題を全くもってやってこない
本人曰くテストで点取ってるからいいじゃん、だそう
実際一学期の成績表は提出物を一切出してないのに全部3か4だった。
全く出してないせいで5はつかないらしい
天才のみに許された所業ですよ
まあ、家で人一倍勉強してるんだけどね
だったら提出物出せばいいのにね
「これでテストの点取れなかったらお説教ですよ?」
ぷんぷんとほっぺたを膨らませながら怒っている。
全然怖くもなんともない。むしろ愛らしい
「はーい」
ちなみに櫻井先生のお説教は全く怖くないけど
聞いてると申し訳なくなってきて結局やることになる。
「じゃあ、今回はこれで終わりです!二学期も頑張りましょー!」
「「「おー!」」」
元気よく右手を上げる櫻井先生に続いて俺らも手を突き上げた。
「帰ろ?」
さやが俺の元にくる。
「いいのか?」
「家の場所教えなきゃいけないから」
なるほど、結構ちゃんとした口実だな
「りょーかい」
「さやちゃーん。お昼一緒に食べに行かない?」
女子友達に誘われている。
「周に家の場所教えないといけない」
「じゃあ、高坂くんも一緒に来る?」
ん?
「さすがにそれは…」
「いーんじゃない?高坂くんも来なよ」
もう1人の女子も賛成な様子
「さやちゃんそれでいい?」
「…ん。わかった」
俺の意思は無視ですか?もしかしてお金搾り取られたりしないよね?
駅前のファミレスにきた。女子3人と男子俺1人、きつい
「これって、ハーレムみたいだね」
それな
「確かにーどう高坂くん。嬉しい?」
ニヤリと笑って聞いてくる。
正直、みんなそこそこ可愛いです。
そして、女子たちは気づいてないけど奥の方の席にうちのクラスの男子がいます。
まだ、バレてないけど時間の問題だな。
「まあ、男子だからな。嬉しいっちゃ嬉しいだろ」
「意外と素直なんだねー」
合コンってこんな感じかね?
「はやく頼もーぜ、腹減ったわ」
「そだね」
さてと何食べよーか
んーハンバーグ食べよ
「さやちゃん。何食べる?」
「ピザ食べる」
「また、ピザ食べんの?」
「ん、美味しかったから」
「また?」
あ…ヤッベ
「前、たまたまお店で会ってさ」
「「ふーん」」
この人たち絶対信じてないわ
だって、めっちゃ笑ってるもん。
「まあ、今回は見逃してあげるよ」
ありがたやー
各自、料理を頼む。
「そう言えば、高坂くんって密かな人気あるよね」
「まじで?」
「やっぱ気になる?」
ちょっと食い気味に聞いてしまった
「そりゃ気になるだろ」
「誰かが噂してたよ。性格良いし女の子に優しいって」
後者に関しては母の教育の賜物ですね。多分
「ん。周やさしい」
「やっぱ、さやちゃんもそう思う?」
「ん」
「うちもこの間、助けてもらったなー黒板の掃除手伝ってもらっちゃった」
そう言えばそんなこともあった。
「後、メガネ外せば見た目よくなりそーって誰かが言ってたかな」
誰やねん。
「確かに、高坂くんって、フォルムイケメンだしね」
「フォルムイケメンってなんだよw」
「後ろ姿みた時イケメンだなーって思って顔見たら。ふーんみたいな」
一番悲しいやつじゃん…
「なるほどね」
女子もそれあるよね
「ちょっとメガネ外してみてよ」
「そーだよー。どっちがいいか見極めてあげる!」
なんか気合入ってんな。でも
「メガネ外すのはちょっと…」
これバレるとさやと外出れなくなるんだよな
「いいじゃーん」
「見せてよー」
めっちゃ迫られてるんだけど
「メガネ外すとブスになる」
さやさん?ブスじゃなくてもいいんじゃないですか?
「なーんだ。メガネかけてマックスかー」
「ちょっとザンネーン」
「さすがに傷つくぞ」
「あはは、ごめんごめん」
まあ、バレなかったからいっか。
料理が届く。
「おーさやちゃんのピザおいしそーちょっとちょーだい」
「うちもー」
「ん。いいよ」
男子は、シェアってあんましないよね。
「周、ちょっと頂戴」
「ん。いいよ」
一口サイズに切った。ハンバーグをフォークに刺してさやの口の方に運ぶ。
あむ
「ん。美味しい」
「はいよ」
「「…2人って付き合ってんの?」」
あ…完全に忘れてた。
「付き合ってないよ」
「えーあやしー」
「完全に2人の世界作ってたよね」
「…違う」
「まじで違うから」
これは嘘じゃない。
「まあいいや、うちにも食べさせてー」
あーんと口を開いてくる。
「えっと。はい」
また切ってあーんする。
「お。おいひねー」
「うちもー」
「はい」
もう慣れてきた
「ジューシーだねー」
満足してもらえたかな
「はい、お返しー」
今度はスプーンですくったドリアを俺の方に向けてくる
「い、いただきます」
ん。安定の美味しさだよね
「あ、間接キスしちゃったよ」
「あ」
顔が熱くなってくる
「高坂くん。顔赤いよー」
煽ってくるな
さやさん。つねらないでいたいよ?
「むー」
「はーい、うちのも食べていいよ」
今度は、スパゲッティ。美味しいね
「ありがと」
「いえいえー」
その後もおしゃべりしながらご飯を食べた。
「さて、そろそろ帰ろっかー」
「ん」
「おー」
「はいよ」
荷物をまとめる。
「えっと、うちはこれとこれだから1360円かな」
「うちは1800円だ、デザート買わなきゃよかった…」
「私は、1560円」
「俺は、1530円だな」
結構人によってバラバラだな
「んー小銭がない」
「10円だまぁ」
「私はある」
うーんめんどくさいな。
「1000円出してくれたら後は全部払っとくよ」
「それは悪いよー」
「うんうん。お金は足りてるから」
「ん」
「いいって、今日邪魔しちゃった詫びだと思ってくれ」
さやが俺に1000円渡してくる。
「ありがと」
「本当にいいの?」
「いいっていいって」
1000円だけもらって会計を済ませる。
「じゃあ、うちらは電車だからまた明日ねー!」
「ん。明日」
「じゃーな」
「高坂くんもありがと!また今度なんか奢るよー!」
「うちもー!」
こうして、2人とは別れた。
「さて、俺らも帰ろっか」
「ん。帰る」
家に向かって歩き出す。
「周、2人とイチャイチャしすぎ」
(あとがき)
今後の更新について近況ノートにて…
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