第27話 レオのお風呂
朝起きると、何かが乗って揺さぶってくる。
さやかな?
目を開けるとさやは、隣で寝ていた。
佐野上には雪が乗って揺さぶっている。
ってことは…俺の上に乗ってるのは、春か?
「s…てなの。周起きてなのー」
春が俺を起こしにきてたらしい。
「おはよ」
「おはよなの!」「おは〜」
「お姉ちゃん起きる〜」「お姉ちゃんも起きて欲しいなの」
2人は、さやを揺さぶる。
「んーん。あれ、春ちゃんと雪ちゃん?」
「おはよなの」「おはよ〜」「おはよ」
俺らは、起きたさやに声をかける。
「おはよー」
目を擦りながらさやは、起き上がる。
浴衣がはだけて右肩が出ている。
「おねーちゃん肩が出てるの」
春が直してあげる。
なんとも眼福であった。
「朝食〜」「そうなの朝ごはんできたから呼びにきたの」
「そうだったのか、ありがとな」
春と雪に続いて部屋をでる。
朝食を食べている間に今日の予定について話す。
「周は、今日レオのお風呂よろしくね」
「はいよ」
昨日の約束通りレオをお風呂に入れる。
「春もレオのお風呂やりたいの!」「雪も〜」
春が机から身を乗り出す。
フォークを振り回すな。
「そんじゃ手伝ってもらおうかな」
「私も手伝う」
「おう、よろしくな」
さやも手伝ってくれるらしい。
「夜は神社で夏祭りやってるから行ってきなさい」
今日だったのか、近くの神社で毎年行われている。結構大きな夏祭りで最後には花火も上がる。
「そーするよ」
「春も一緒に行きたいの!」「雪も〜」
「いいy「だめよ。周とさやちゃんはお祭りデートだから邪魔しちゃだめよ」
連れて行こうとしたら、母さんに妨害された。
「春と雪は、私たちといいこーね」
「わかったの。デート邪魔しちゃいけないの」「デート〜」
「別にデートってわけじゃ…」
訂正しておく。
「あら、年頃の2人が夏祭りに2人っきりでいくのはもうデートよ。ね?」
誰に振ったかと思ったらさやだった。
「ん。デート」
まじかよ
「だから、周。ちゃんとエスコートしてあげなさいよ」
「いやー青春だねー」
さっきまで黙っていた父さんが語り出した。
めっちゃおじさんぽい発言だな。
朝食を食べ終えとりあえず、レオのお風呂の準備をする。
庭にちっちゃいビニールプールを用意して、ぬるま湯を貯める。
春と雪は、水着に着替えるらしい。もろ入る気じゃん。
「私も、着替えてくる」
さやも着替えに行った。まあ、浴衣のままはきついか。
俺はこのまま行くけど。
「レオー」
わん!
名を呼ぶだけで来てくれる優秀な子。
とりあえず最初は、ブラッシングをして、抜け毛を落とす。
毛並みに合わせてブラッシングをしていると、着替え終わった3人が出てきた。春と雪は、ワンピースタイプの水着。さやは、白のワンピースに麦わら帽。
映画のワンシーンかな?
しばらく見惚れていた。
にしても、さやに関しては手伝う服には適当じゃないだろ。
「似合ってる〜?」
雪が聞いてくる。
「2人ともかわいいよ」
春と雪の頭を撫でると。嬉しそうに頭を擦り付けてくる。
「んー私」
2人の方を見ていたせいかさやが割り込んでくる。
「さやもかわいいよ。てか可愛いって言うより綺麗かな」
素直に感想を言うと自分から聞いてきたにもかかわらず。顔を赤くする。
「さて、続きがをやろうか」
さっきからじっとしながらも続きまだかなーっと待ってる子がまだ残ってる。
レオのブラッシングを再開する。
「レオきもちいの?」「気持ちー」
春と雪がレオの顔を見て質問している。
わうん
まるで返事をしたかのようにレオが答えた。
「レオはきもちいって言ってるの」「きもちー」
雪は、さっきと言ってることが変わってない。
「レオ優秀。すごい」
「だろ?うちにも犬欲しいな」
「ん…」
少し曖昧な返事をする。なんでだろ。
ブラッシングはおわったので、今度はシャワーをかけていく今度は下から。
地肌まで届くようにしっかりと。春と雪は、プールで遊んでる。
さやはレオをじーっと見てる。
全身濡らし終わったら。シャンプーをしていく。
首回りから洗っていく。レオをは、きもちよさそうに立っている。
「春も泡泡やりたいの!」「雪もー」
プールから上がってきた。
「2人には仕上げを頼むよ」
「仕上げ?仕上げは任せて欲しいの!」「仕上げ〜」
この言葉便利だな。
レオの全身くまなく泡だらけにして、仕上げを2人に頼む。
「お腹周りをお願いね。顔はやっちゃだめだよ」
「わかったの!」「了解〜」
2人は、お腹を撫でるように洗っている。
レオは一回もブルブルせずにじーっとしてるんだから忍耐力がすごい。
「さやもやる?」
「ん」
春と雪と代わってさやが洗う。
どうやらさやの細い指が良かったのか。レオには好評そうだった。
「さて、流しますか」
全身泡泡のレオを流していく。流し終わったらプールに入れる。
「めっちゃ堪能してんのな」
プールの縁に頭を乗せて目を細めて気持ち良さそうにしている。
しばらく、プールに浸からせてあげてから体を乾かす。
まずはタオルで拭いてからドライヤーで。
「すごいの。レオのけがふわふわしてるの!」「ふわふわ〜」
乾かした直後は、ボワっとしててすごいことになっている。
ブラシで形を整えていく。
「おーいつものレオなのー」「れおー」
2人ともレオに抱きついている。
「ふー疲れた」
「お疲れ様」
俺が座っていた隣にさやが座ってくる。
「みんな、スイカ切ったわよー」
母さんが、スイカを持ってくる。
「スイカなの!」「スイカ〜」
「「「「いただきます」」」」
春と雪は、ムシャムシャ食べる。俺とさやは、せっせとタネを落とす。
スイカって、夏の最初は美味しいんだけど後半最後の方飽きてくるんだよな。
父さんもスイカを食べにきた。
「あれ、春ちゃんと雪ちゃん!スイカの種食べるとお腹から生えてくるよ!?」
父さんがふざけて、脅す。
「種食べちゃったの…」「スイカ生えてくる…」
まに受けた2人は、死んだような顔をしている。
隣を見ると隣にも青い顔した人がいる。
「嘘に決まってんだろ?父さんも茶化すなよ」
「嘘なの?」「良かった〜」
「ふぅ〜」
隣の方も安心したらしい。
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