第25話 公園

さっきまで寝ていた春と雪が起きたので

とりあえず片付けを終わらせて、2人の元へ向かう。


「おはよなの」「おは〜」


「おはよ」


まだ眠たそうにしている。


「さて、何しよーか」


そう2人に聞くと半分閉じてた目をカッと開ける


「公園行きたいの!」「公園〜?」


さっき起きたばっかなのに若い子はすごい。


公園か、いいね。


「さや、それでいい?」


「おねーちゃんもくるの!」「一緒〜」


「ん。行く」


レオンにリードをつける。


「レオ行くぞー」


ワン!


「春がリード持つの!」「雪も持ちたい〜」


「順番な」


「最初春にゆずるー」


「いいのー?」


行きは春が帰りは雪がレオのリードを持つことにした。


公園に着くと春は、レオをリードを離し。遊具の方へ走っていく。


「これこれ、置いてくなよ」


こういうとこは子供だな。


「公園くるの久しぶり」


「俺もだな。まあ、来る機会ないし」


春と雪は、公園の遊具で遊んでいる。


公園にあるベンチに座り、遊具で遊ぶ2人を眺める。

完全に親だな。


レオは隣で2人を見守ってる。


「子供できたみたい」


「本当それだな」


「ん。あとレオが可愛い」


さやがレオを撫でる。


「犬飼いたいなー」


「うちのマンションペットおk」


「あれ?いんだっけ?」


「ん。いい」


まじか、飼いたいな。


「ブランコ押して欲しいのー」「押して〜?」


「いいよ。行こっか」


ベンチから立ち上がり、ブランコの方へ向かう。

この小さい公園は、ブランコと滑り台と大きめの遊具がある。


「はい乗って」


雪をブランコに乗せる。


春は、さやに任した。


「あり〜」


ブランコに乗った雪の背中を押す。


「おーお」


「いえーい」


2人とも楽しそう。


しばらく、ブランコをしてから降りる。人も他にいないので、2人はレオと鬼ごっこを始める。


何に驚いたって。レオの絶妙な手加減。捕まえそうで捕まえず。

片方に偏らずどちらもしっかり狙う。俺より優秀かもしれない。


一家に一匹レオン。いかがですか?あげませんよ。


「レオすごい」


「ああ、俺もびっくりだ」


2人ともワキャキャと楽しんでいる。


五時を知らせる鐘の音がなる。


「さて、そろそろ帰るか?」


「もう帰るのー?」「帰りー?」


「ん。おばあちゃんたちが心配する」


「じゃあ、帰るのー」「帰る〜」


さやの説得もあり帰ることになった。


約束どおり帰りは、雪がリードをもつ。


いえに帰るとやはり3人とも帰ってきていた。さらに雪と春のお母さんも。


「お母さんなの!」「はは〜」


2人は4人の元へと走る。


「お!おかえりー2人ともー」


「ただいま(なの)」


「周くんもおかえり。その子がさやちゃんかしら?」


「成瀬さやです」


さやがおじぎする。


「私は、2人の母で紅葉(もみじ)よ。よろしくね」


「ん」


うなずく。


「晩ご飯だから早く来なさーい」


ん。はやくないか?時計を見るとすでに六時を過ぎていた。


あ。あの音って六時なんだ…てか、そんなに公園いたのか。


机の上には、なんか見るからに高そうな。お寿司が並んでる。

いつもこんなん食べてない。初めて見た。


「今日は随分と豪華だな」


「さやちゃん来てるし。周の奢りでしょ?」


「は?」


「周、最近儲けてるらしいじゃないか」


おばあちゃんなんで知ってんの?


「いやぁ、なんのことだかー」


「ま、今回は特別に半分は出してあげるわ」


わあ、やさしいーっていや優しくはないか。


「食べる前に自己紹介しようか。私から高坂 椿(つばき)。家主だ」


なんか堅苦しいです。おばあちゃんは基本いつも着物を着ている。

なんか時代を感じる…


「高坂 結城(ゆうき)周の父だ。普通のサラリーマンだ」


そう、高坂は母方の苗字なのだ。理由は知らん。

あと普通のサラリーマンではない。企業家でいろんな会社作っては他に任せ。

また作っては任せるをやってる。家では浴衣。


「高坂 美鈴みすず周の母よ。家で家事をやってるわ」


うん。特に突っ込むところはない。

あえていうなら、昔モデルやってたとか、今はね。歳だからさ。


…めっちゃ睨まれてる!?


「河井 紅葉(もみじ)です。主婦で春と雪の母です!」


この人もそのままかな。

母さんの妹で元OL。ご主人は世界を飛び回る忙しい人らしい。


あ、俺か


「高坂周…(え、なんかいうことある??)17歳…」


なんか、みんなにジト目で見られてるぅ。


「成瀬さやです。周の友達です。お邪魔してます」


みんなうんうんと頷いてる。なんでや。


「えっと…河井春なの…5歳なの…」


緊張してるのか声が小さい。見ていて微笑ましい。


「河井雪ぃ〜。5歳ぃ〜ぃ」


反対に雪は緊張はしてないらしく、いつも通りマイペースな感じ。


「さて、自己紹介も終わったし食べましょうか」


「「「「「いただきまーす」」」」」」


お寿司は、どれもネタが大きい。エビはすんごいがっしりしていて味が滲み出てくる。マグロは、脂が乗っていて溶ける。大トロなんてもうこってりレベル。


ご飯中は、俺たちは高校生活のことや、日々のこと。春と雪は幼稚園のことを話した。そしてなんだかんだあって、父さんと母さんの出会いの話を聞かされることに。


「私たちが出会ったのはそう、大学のこと…


それはもう物語の如き、廊下の角でぶつかったらしい

それが初めての2人の出会い。そこから関係を持ってだんだん近くなり。

付き合って、何年かしてから結婚いまに至るというわけ。


「すごい、ロマンチック」


さやが手がすごいすごいと反応する。


それは、ロマンチックなのか?


「どうやってプロポーズされたんですか?」


さやさーん?


春と雪はもうお腹いっぱいになったのか、レオと遊んでる。

子供の面倒も見れる。レオすごい。


「プロポーズかープロポーズはねービル最上階の高級レストランで運ばれてきた

お皿の蓋をとったら指輪が置いてあって、結婚しようって言われたんだー」


やっぱドラマじゃん。


「じゃあ、次は紅葉よね。私話したし」


母さんが紅葉さんに話を振る。


少し嫌がる素振りを見せるも話すのは嫌じゃないらしい。


「海斗とは、幼馴染みでずっと両思いだったんだけどどっちも切り出さなくて結局は、海斗の方から言ってくれたんだけど…


ここにもいたよ。


プロポーズは、2人で海に出かけた時夕焼け時だったかな」


わーロマンチック。


「じゃあ、今度はさやちゃんのばんね?」


「え?」


さっきまで楽しそうに聞いていたのに急に振られてびっくりしてる。


「どうやってプロポーズされたい?」


「…指輪と一緒がいい」


顔が赤くなってる。


「だってよ?」


父さんが言ってくる。


「だからなんだよ」


「べつにー」


はあ、こっちまで顔熱くなってくる。


「いいわよね、指輪。結婚感があって」


その後も、さやと俺の話で盛り上がった。

俺らの出会いとか、そういういので。

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