第12話 避妊はしっかりね!

最近は、暑くなってきたせいで学校がだるい。


バカ暑い気温の下、体育を終えて教室に戻ると、着替え終えたさやが顔色を悪くしながら帰ってきた。


「大丈夫?顔色悪いぞ」


「ちょっと、体だるい」


熱中症だろうなぁ。


「保健室いこっか」


さやの手を引き保健室に連れて行く。


「ん」


廊下でめっちゃ見られた。


「すいませーん」


ガラッと保健室のドアを開けて先生に声をかけとイスに座ってた。中野先生が振り返った。


「あらあら、お二人さん。保健室はラブホじゃないのよ?」


ニヤニヤしながらこっちを見てくる。


なんでそういう思考に至ったんだよ。


「わかってますよ。成瀬が体調壊したんで連れてきました」


「あら、そーだったのね」


さっきまでのニヤニヤ顔とは打って変わって真面目な顔になった。


だるそうにする、さやをベットに寝かせる


「んーこれは熱中症ね」


やっぱそうか。


「まあ、軽いのだから休んでれば大丈夫よ」


「しゅぅー」


手を伸ばして俺のことを呼ぶ。


「あらあら、奥さんが呼んでるわよ」


真面目モードは終わったらしい。


「からかわないでくださいよ」


「ちょっと、用事あるから外すはね。職員室にいるからなんかあったら呼んで」


「了解です」


病人いるのにそれでいいのか。


中野先生は白衣を脱ぐとさっさと出て行った。


やっと寝てくれたのはよかったんだけど俺の手は握っられたまま。


「さやちゃん!大丈夫!?」


女の人が勢いよく保健室に入ってきた。


ハッとした、周は急いでさやの手を離す。


「君、さやちゃんとどーゆー関係かな?」


綺麗な20代くらいの見た目のお姉さんに現在睨まれている。


「んー?雫さん?」


「さやちゃん!」


雫さんと言う人がさやに抱きついている。

おっとびっくり。


「大丈夫?」


「ん。大丈夫」


さやは抱きついてくる雫さんを押し返した。


「この人がさやちゃんの手を握ってたんだけど。どーゆー関係なのかな?」


笑顔で聞いてくる。

目が笑ってないんだよな。


「彼氏」


ブフッ!?


「いや、ちが…「彼氏かー、そっか。さやちゃん、かわいいしなー仕方ないね」


さやを睨むとスッと目を離された。どういうつもりですかね?


「邪魔しちゃ悪かったわね。あとでさやちゃんの家行くからー」


「ん。わかった」


さやが頷いて答えると、すごいスピードで出て行った。


「じゃぁねー」


バタン!


「今の人は?」


「保護者。おばあちゃんの知り合いの吸血鬼」


「え、吸血鬼?」


「ん。そう」


なんだ、吸血鬼って口数少ないと思ったら

これはさやの性格だったのか。

あと、吸血鬼は全員銀髪とかかと思ったわ。違うんだ。

あ、でも目は赤かったかも?


「それで?なんで彼氏って言ったの?」


「間違えた」


テヘペロじゃない。


「はぁ、まあいいや。体調は大丈夫か?」


「んーまだ、だるい」


「さっさと寝て治せ」


「ん、手かして」


手を差し出すと手を取って目を閉じる。

まったく、こいつは。


さやが起きたのは放課後になってからだった。

体調は良くなっていたので中野先生に言って帰ることにする。


「それじゃ、帰るか」


「ん」


家につくとドアの前に人が居座っていた。

その中の1人がさやを見て走ってくる


「さやーおぞーい」


雫さんだった。


「おお、周やっと帰ってきたか」


俺の家の前にいたのはうちの親でした。


「遅かったじゃない」


「ごめんて」


と言うことで、ここでさやとは別れた。


「それではーこれより成瀬家と高坂家の友好関係を築くの飲み会をしまーす」


題名長い。


どーやら、俺らが帰ってくるまでで仲良くなってたらしい。

気づけば色々出前を頼んでた。

俺もつられてさやの家で夕飯を食べ始めた。

大人たちはお酒が入り盛り上がってる。

吸血鬼のこととかも話したらしい。


「俺もう寝たいから先帰るわ」


「ん。私も寝たい」


すでに日付は変わっていると言うのに一向に終わる気がしない。


「ほーい、おやすみー」


「いや、俺は家隣だからいいけどさやが寝れねーだろ」


大人たちはうーんと悩みこんでいたが母は暴走し始めた。


「一緒に寝ればいいじゃない」


おい


「それでいんじゃない?」


雫さん?


「もしもの時のためにな!」


父よ、そっとコンドームを渡すな


「程々にね!」


雫さん酔ってんなー。


「避妊はしっかりね!」


「ヤらねーよ!!」


こいつらめんどくせえ。


「さやどーする?」


「ん?周と寝る」


まじかよ。抵抗なしかよ


まいっか。


「「「おやすみー」」」


「「おやすみ(なさい)」」


すでにお風呂に入ってるから寝るだけ。


「俺はソファで寝るから」


「ん。わかった」


案外素直だな。

ソファのあるリビングへ行く。


「よし、寝よう。で…」


なんでさやはついてきてるんだ?枕持って


「一緒に寝るから」


「いや、ダメだから」


「ぶー。前一緒に寝た!」


「あれは特例、今日はダメ」


そう。あれは特例だ


「じゃあ、私がソファで寝る」


「ベットの方が寝やすいぞ」


「いい」


んーどーゆー風の吹き回しだ?


「わかった」


成瀬はソファ、俺はベットで寝ることになった


「おやすみ。しゅー」


「ああ、おやすみ。さや」


電気を消して眠りについた。


しかし、いかんせん寝れない


羊の数を数えているとゴソゴソとベッドに誰かが入ってくる。


ああ、これが狙いか


さや


「アーマチガエチャッター。マア、イッカー」


わーすんごい、棒読み


戻れって言っても戻らないんだろうなー


とりあえず寝てるふりを続行する

さやは俺に体を寄せて俺の懐の中でいいポジションを見つけたのか

動かなくなった。

うう、寝れねえ



「おはよーしゅう」


「お、おはよう。さや」


「なんで、うつ伏せ?」


こやつ的確に痛いとこをついてくる。


「あははーなんでだろーなー」


「むーなんか隠してる」


隠してるよ!男子の朝の秘密をな!


さやは、俺の上に跨ってくる


そーゆーことされると戻るものも戻らないんだよなー?


ガチャ


「2人ともそろそろ起きなさい」


しずくさんが入ってきた。


「あ!朝からなんて若いのは元気だねー」


「ち、違う」


顔を赤くするさやが俺から降りる


俺も体を起こす


しかし、俺は忘れていたジョージの存在を…


急に雫さんがニヤニヤしながら口元を隠す


穴があったら入りたい


さやの方を見ると肩まで赤くなってる。


俺はそーっと布団の中に戻る


「じゃ!楽しんでね!」


バタン、雫さん許すまじ


「え、えっと…手伝う?」


んな!?お世辞でもやめて恥か死ぬ


あ、やっべ。顔が熱い


「ダイジョウブデス…」


「…ん」


お互い顔を合わせられない


「さ、先リビング行く」


さやはリビングへ出ていく


「(うおおおおおおおお)????」


枕に叫ぶ


うん。萎えた。


今日1日はさやとまともに顔を合わせれなかった。

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