第11話 はぁ、学校休も
風邪をひいた。
さやが、俺じゃない。
朝起きたら、さやからメッセージが来ていた。
『たすけて』
驚いた俺は寝巻きのまま、さやの家に向おうとドアを開けるとふらふらしたさやが今にも倒れそうな雰囲気で立っていた。
「大丈夫か!?」
「んー周。だ、大丈夫」
いや、どー見ても大丈夫じゃないから
じゃあ、聞くなってか?聞くだろ。
とりあえず、ベットに連れて行って熱を測らせる。
38度か…
昨日のやつのせいか…
「とりあえず、学校に電話しとくな?」
「え?周が?」
キョトンとした顔で聞いてくる。
おっと、危ない。
「連絡だけでも頼める?俺もしちゃうから」
「なんで、周も?」
なんで?
「なんでって、お前の看病しなきゃいけないだろ」
さやは赤くなってる顔をさらに赤くして布団に潜って返事をした。
スマホで学校に連絡。
着替えて戻るとさやはベットで寝ていた。
寝ているさやに持ってきた冷えピタシートを貼るとさやが俺の手を掴んだ。
えっと…?
苦しそうにうなされながら、俺の手を握ってくる。
手をそっと握り返して頭をそっと撫でていると少し落ち着いた。
「そーいや、吸血鬼も風邪って引くんだな」
さやが目を覚ましたのは夕方になってからだった。
「お、起きたか。体調はどー?」
ポカリを入れたコップを渡す。
「ん、ありがと。体は大丈夫」
ベットに座り直し両手でコップを持ってコクコク飲む。
ポカリは飲む姿はまさに小動物。
ったく、かわいいかよ…
「お腹すいた」
ポカリと飲み終わりぽつりと呟いた。
「食欲はあるか、よかった、よかった。汗かいたろうからシャワー浴びてこいよ。その間に食べるもの作っちゃうから」
さやをうちに連れて行き、俺は調味料とか必要なものを持って先にさやの家に戻る。
シャワー浴びてこいよ。なんて言うことになるとはな
そういや、まだ俺のジャージ着てたな…まいっか。
風邪ひいた人用のご飯か…うどんにしようか
卵のあんかけうどんにしよーかね。
まずは長ネギを斜め切りにて鍋にいれる。
麺汁を作り鍋で煮たててうどんとネギを茹でる。
茹で上がったらうどんとネギを先に器にもり
残った汁に小麦粉を少々。ダマにならないようにかき混ぜる。
とろみがついたら、溶き卵を回し入れ。浮いてきたら少しかき混ぜて完成。
あとは、器に汁をかける。
さやも、お風呂が終わり戻ってきたので器に盛ってテーブルへと運ぶ。
「無理して食べなくていいからな」
「ん。わかった」
さやは、手に持ってたドライヤーと櫛をテーブルの端に置いて席につく。
こいつまた、やってもらうつもりか、まあいいけど。と言うか、やらせてください。
「「いただきます」」
冷房で少しさむくした部屋で食べる温かいご飯はうまい。
あんがしっかりと麺にからみついて美味しいね。
体にも優しく、食べて美味しい。うーん憎いねー。
さやも問題なく食べてるみたいだし大丈夫そうだね。
ちゃんと食べきれたっぽい。
「美味しかった」
「ありがと」
無言でドライヤーとくしを渡してくる。
「わかったから、そこ座れ」
椅子を指さすと首を振って言ってきた。
「周の上」
ムスーっとするな。ムスーっと。
「わーったよ。ホレ」
膝の上に座ってくる。なんか、親戚の子供の相手してる気分だわ。
しっかりと、さやの髪を乾かしていく。
「はい。OK」
「ん。ありがと」
ほんとサラサラずっと触ってられる気がする。
「病人なんだからさっさと寝ろよ。送るから」
「ん。わかった」
さやの家までついていく。
「なんか、あったらいつでも連絡してくれればいいから」
「ん。今日はありがと」
今日の朝とは打って変わって満面の笑顔だった。
「おう」
くっ。その笑顔はずりぃよな
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