第6話 おやすみ

話終わった後もさやは膝に顔を埋めた状態でいた。


「こーさか」


成瀬の震えた声が聞こえる。


「どーした?」


「泣いてもいい?」


ああダッセェなあ。女の子に泣いてもいいかと聞かれるなんて。


「ああ、いいよ。俺はお前のそばにずっといるからな」


俺の胸の中で泣く成瀬をそっと抱きしめる。

華奢な体だ。狂暴と謳われる吸血鬼とは思えない。


しばらくすると体を起こした。


「もう大丈夫か?」


「ん」


目に溜まった涙を拭き取ってやる


「喉渇いた」


「ん?取ってくるけどなに飲む?」


飲み物取りに行こうとキッチンへ向かうため立ち上がる。


「むー血飲みたい」


少し照れながら求めてくる。


「へいへい」


「ん」


いい笑顔だ。


んーチュゥーー


飲んだ後も成瀬は離れなかった。


「こーさか。あったかい」


「そーかそーか思う存分堪能してくだされ」


とは言った物のちょっと恥ずかしい。


気を紛らわせようと成瀬の頭を撫でる。


「ふふ、こーさか心臓うるさい」


「ッ!?う、うるせぇ。こんだけくっついてれば緊張するわ!」


がんばれ!俺の理性!


「ふふ。私もドキドキしてる」


成瀬は頬を赤らめながら呟いた


ずるいぞぉ、それはずるいぞぉ


「こーさか、今日一緒に寝る。いい?」


うぇ!?いや流石にそれは…でも俺のせいで色々思い出させちゃったしな…


「…今日だけ」


俺の理性持つのかな、いや持たせるしかない。


パパッと夕飯を食べ。


お風呂は自分の家のお風呂にお互い入る。


周はお風呂から上がりボーッとTVを見る。

なお、テレビの内容は頭に入ってない。


ガチャ


パジャマ姿の成瀬が入ってきた。

見た目はクマの着ぐるみみたいなやつ(名前わからん)


やっば、なにそれ。殺しに来てるんだが・・・可愛すぎかよ


「成瀬はベット使え」


「こーさかは?」


心配そうにこっちを見てくる。


「安心しろ、成瀬が寝るまでは隣にいるし、寝るときはソファで寝るよ」


そう言うと、ジト目で見てくる。


「こーさかは寝る時も一緒じゃないとダメ。ベットがんばれば2人で寝れる」


うちのベットは1人分としてはちょっと広いくらいの大きさで、2人で寝ようと思えば寝れる。


「おれ男だぞ?いいわけないだろ」


と、言うか俺の理性が持たないの。


「こーさか、私襲うの?」


「いや、襲わないけど」


流石にそんなことしねーよ。


「じゃあ、問題ない」


えぇ、だめでしょ。


なんだかんだ無理やり押しきられ同じベットで寝ることになった。


いや、襲わないよ?襲わないからね?


「じゃ、じゃあ。電気消すよ?」


「ん」


電気を消して俺もベットに入る。

いくら2人入れると言っても体に一部はくっついてしまう。

背を向けて寝ていると

成瀬が俺のtシャツを摘んでくる。


「え、えーっと。成瀬?」


「スゥースゥー」


後ろから可愛い寝息が聞こえてくる。


寝てるぅー!こいつ寝てるよー!


「疲れてたんかな」


おやすみ成瀬

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る