第2話 起きたら学校終わってました。

ハッ!


「ここは…保健室…か?」


ふと、隣を見ると成瀬は俺の寝てるベットに

突っ伏して寝ていた。


成瀬の指は綺麗に治っていた。


「お、高坂くん起きた?」


大人の声がして急いで視線を上げる。


「えっと…」


「保健室の先生、中野です!」


カーテンをワッシャっと開けて中野先生だった。


養護教諭中野先生だった。

見た目二十代後半のボンキュボンな美人先生だ。男子、特に男子からの人気が高い理由はお察しである。


そーいえばクラスの男子が保健室の先生が

今年ヤベェだのなんだの言ってたな。


「えっと、どうして俺がここに?」


上体を起こし先生に聞く。


「…?覚えてないの?貧血で意識朦朧な君が成瀬さんと来たんだよ」


…まじか、あの後記憶ないんだよな。


「ちゃんと成瀬さんに感謝しなよ?」


「そっか、ありがとな成瀬」


無意識に成瀬の撫でていた。


うわ、こいつめっちゃ髪さらさらだな。え、やば!


中野先生にめっちゃニヤニヤされた。


「そういえば今何時間目ですか?」


赤くなる顔を隠しながら聞く。


「もう、みんな帰ったわよ~」


驚き、時計を見ると17時過ぎ。


「え?…ほんとだ」


ちなみに学校は15:30に終わる。


すでに日も傾き始めている。


「すいません。長居しちゃって」


「いいのよ、これが仕事だからね!」


グー!と親指を立ててウィンクする。


5、6時間目のノートは優に見せてもらうか。


まだ寝てる成瀬に声をかける。


「おーい、成瀬起きろー。帰るぞ」


「んー…あと5分」


いや、朝じゃないんだから。


「起きろって」


肩をちょっと揺するとやっと目が開いた。


「んー?」


まだ、ちょっと寝ぼけてるのが半目で俺を見てくる。


「おはよう、成瀬」


やっちゃったって感じな顔してんな。


「おはよう、成瀬」


「ッ。お、おはようございます。こーさか」


顔を赤くする成瀬はちょっと色っぽい。



ベットから立ち上がるとまだ血が足りて

いないらしく体がフラッとよろけた。


「大丈夫ですか?高坂」


「あぁ、すまん」


はぁ今夜はレバニラにでもするか。

血が足りんよ血が。


俺らは保健室を出て荷物を取りに行った。


「ごめんなさい。高坂」


唐突に頭を下げて謝って来た。


「ん?何が?」


「血いっぱい吸っちゃったこと」


すまそうに謝ってくる。


「いいって昼間より元気そうだしな」


「ん。高坂の血はとっても美味」


血に違いってあるのかね?

俺が不思議そうにしていると成瀬が味の違いについて教えてくれた。


「血は人によって結構味が違う。たとえば…」


まあ、要約するとこうだ。

おいしい血とは健康体の血らしく。

肥満体な人は脂っぽい。

逆に栄養がたりてない人とかは味が薄い

とからしい。


俺の血は成瀬の好みの味だったらしい。


余談だが処女は、特有の味がするとか

何とか。


吸血鬼界では高級品なんだとさ。


吸血鬼界ってなんだよ。



「それじゃあ、俺こっちだから」


校門の前まで来たうちの高校の校門は出て左は住宅街方面、右は駅方面と別れている。

うちのあるマンションは左方面だ。


「倒れると危ないから家まで送る。」


「近いから大丈夫だって」


ちなみに所要時間約10分


「俺の家、駅とは反対だけどいいのか?」


そういうと成瀬は左の方を指しながら


「わたしの家もそっち」


あ、そなのね。


「じゃあ、帰るか」


ん、そういえば朝学校来るとき成瀬みたいな銀髪を見た気が…どこだっけ?


「ジロジロ見てどーしたの?」


「成瀬ってどこ住んでんだ?」


ついつい考えてたことが口に出てしまった


引かれたかなー。

きもいやつとか、思われてそう。


「答えてなくてもいい」と言おうと思ったら答えてくれた。


「そこのマンションに昨日引っ越して来た」


「え?」


ここら辺にマンションはうちのマンション

しかない。

そして、指をさしてる、その先には俺の住んでる

マンションがある。


昨日そういえばお隣さん引っ越してきてた

よな。


「…もしかして207?」


「!!??」


あービンゴらしい。


「なんで知ってる?ストーカー?」


その汚らわしいものを見る目やめて。


「ちげーよ!俺208住んでんだよ。よろしくな」


「…えっと?よろしく?」


めっちゃびっくりしてる。


やっと家に着いた。


別れを告げるとお互い自分たちの家に入っていった。


「ふう、まさかお隣さんだとは…」


ピンポーン

ドアを開けると成瀬が立っていた。


「どしたの?」


「看病したい」


制服を着替えてないあたり、ただ荷物を置いてきただけらしい。


「もう、大丈夫だから」


すこぶる元気でございます。

ただ力が入りません。


「する。絶対」


この女意外と頑固である。


「あーもうわかったよ、どーぞ」


成瀬は俺の家に入って珍しいそうに家の中を見て回った。

看病はどうした?


「俺はこれから夕飯の買い出しいくんだけど一緒行く?」


「ん?お留守番してる」


まさかの俺んちに居座るらしい。

なんか盗る気なのか?


「言っとくけど高いものはないぞ?」


「盗らない」


睨まれた。


まあいっか。


「そんじゃ行ってくる」


「ん、いってらっしゃい」


成瀬の見送りを受けて家をでる。


俺は家を出て近くのスーパーに向かった。


あれ、俺今日初対面の人にお留守番まかしちゃったよ。

まじで大丈夫だろうか…

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