第4話 号泣最長記録
長女がまだ3才の頃の話である。その日2人デパートに出かけた私は、おもちゃ売り場で、長女に、キティちゃんの風船を買ってやった。水素が入ったちゃんと浮かぶやつである。
長女は大喜びで、その風船を、帰りの車の中でも嬉しそうに浮かばせて遊んでいた。
帰ってから、部屋の中へ持って入って、またご機嫌で遊んでいる。
その日はちょうど生協の来る日だったので、私は玄関を開けて、商品を、生協の人から受け取りながら、運んでいた。
その時悲劇は起こった。
娘は生協の人にキティちゃんの風船を見せようと、玄関の外に風船を持って出てしまった。
「これ見て」と言うと同時に、風船は娘の手を離れ、はるか空遠く飛んで行ってしまった。
やってしまった。車の中でも、道中も、家に帰るまであれだけ風船を飛ばさないように最大限の注意を払って持って帰ったのに、まさか、こんな形で飛んで行ってしまうとは……。
娘は大号泣だ。
生協の人は申し訳なさそうに「ごめんね。」と謝る。いやいやあなたが悪いわけじゃないんです、と思うが、もう後のまつりである。
娘はそれから2時間号泣した。娘は泣き虫だったが、今、思い出しても、あれだけ泣いたのは最長記録である。
娘がどうやって立ち直ったかは覚えていない。
ただ、2時間号泣したことはよく覚えている。
風船あるあるかもしれないが、ディズニーでも、どこでも、浮かぶ風船は要注意である。
読んでいただきありがとうございました。
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