第13話〜謎が解けるようです〜

欧斗の目元が髪で隠れ、表情が見えなくなる。そのまま彼はゆっくりと語り出した。




「レドラはどこにいるのかわかるのか・・・?」




「それがわかないんだ、だからこうして俺たちは調査を続けている」




リューガもいつも以上に真剣な表情を浮かべていた。そう、レドラという存在が如何に重要な存在か想像するまでも無い程に。




「レドラか 何であの老婆を狙ったんだ、何の理由が・・・」




すると館の中が突然紫色の光に包まれた。それを見て一同は眩しさで顔を手で覆う。




「はぁ、アルトリアよ。あんたは今まで何を見てきたんだ。あたしがこんな所でくたばっちまうかよ」




「お、ばあ・・・!」






そう言いながら館から老婆が出てくる。それを見て兵達は囲むようにそれぞれが持っている武器を構えた。




「待つんだ」




そう言うとメイアが周りの兵士を全員制止させた。するとリューガが口を開ける。




「メイア・・・ どうやらこの人は噂に聞くレドラの師のように見えるが」




「えぇ、ですがレドラの事や諸々を彼女は恐らく知っている。だから今は無闇に手を出すのはやめた方がいいでしょう」




それを聞いた欧斗がメイアに声をかけた。




「あぁ、きっと何かを知っているというのは本当です。リューガ、メイアさん・・・俺とあの老婆を二人っきりにしてくれませんか、お願いです。」




そう言うとメイアはこくりと頷いた。




「わかりました。リューガ、彼に一度任せてみましょう」




するとリューガは少し驚いた表情をした。




「良いのか、欧斗に任せて」




「えぇ、彼は何故か信用できるんです」




メイアが微笑みながらそう言うと欧斗とアルト、そして老婆のみで館の中に入って話すことを許可してくれた。




館では老婆の横にアルト、そして欧斗が向かい合って机を挟み座っている。




「それで老婆さん、僕は一つの答えに辿り着いた」




「わかった、聞かせてみろ」




欧斗はゆっくりと神妙な面持ちで語り出した。




「まずはリエルという存在、これは恐らくあなたの言うレドラが作り出したのではないだろうか、あなたは妖精術士としてきっと優秀なのでしょう。そのあなたがリエルの記憶を掘り出すことができないならきっとこんな妖精を創造できるのはレドラのみだ。そして僕はリエルの入ったクリスタルを母に貰ったんです。更にはあなたと同様僕も秘密裏ではあるが命を狙われている。理由は僕が王族の血筋だからとリエルから聞いた、そこから考え出される答え」




「あぁ、そうゆうことか・・・」




老婆は何かを悟った顔をした。アルトも何となく察した表情をしている。




「僕の母はレドラそのものかそれに関する関係者、もっとも国が僕を執拗に狙うことから前者の方が可能性は高いということになるが」




その答えにアルトは目を丸くし、老婆は落ち着いた表情をしている。




「お兄さん、まさかそんなことが・・・ なら近いうちに国王はその血を根絶やしにしようとするんじゃないかな・・・ レドラに凄い執着をしているし」




「アルト、僕はハッキリ言ってどうしていいかわからない。 このまま王が本気になって国の勢力を上げればたちまち殺されるだろう、今は泳がされているだけかもしれない」




そんな風に会話をしていると老婆が一つの答えに辿り着き、欧斗に対し真剣な眼差しで話し出す。




「あたしもレドラが何を企んでいるのかはわからん、だがあたしを攫ったことに関してはお前の妖精の情報を盗もうとしたことに気づいてここまで来たことから間違いないじゃろう。何かしらの移動魔法を使ったのか、それともこの辺りに実は潜伏しているのかはわからん。ここの国王もそれが怖くてレドラの周りをしらみ潰しにしているのだろう」




すると欧斗もそれに対して反論をする。




「まぁその通りだ、この推測が正しいかわからないけど僕は魔王軍領にいずれ足を運ぶことになるだろう」




「なるほど そういうことだったんだね」




どこからともなく突然リューガが現れる。欧斗が動揺している隙にリューガが欧斗を押さえつける。 どんどん意識が遠のいていくのを欧斗は感じながら気を失った。

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