第3話小休止?

美優みゆの許嫁ってどういうことですか。そんな話聞いてないです。』『だいいち、今美優と付き合ってるのは俺です。』

 そう返信しながら、大輔だいすけは舌打ちした。

 美優は、進路の話から今朝見た野良猫の話まで、ちょこちょこメッセージを送ってきていた。美優は天真爛漫で、優しい子だ。疑う気は、一ミリもなかった。

『美優のところに変なDM届いてない?』と大輔が美優にメッセージを送ると、『来てる!俺と付き合って、って。』と返って来た。


『みゆさん、返事してください。おねがいします。』と、言葉は丁寧だが、以前と同じようにブロックしても他のアカウントから毎日のように送られてくる。さすがに気が滅入るので、ダイレクトメールを視界に入れないようにしていた。

「誰だよ、みゆにそんなことするやつ。」

 電話の向こう側から、怒りをあらわにした大輔の声が流れてくる。話によると、美優にメールを送っているアカウントと大輔にメールを送っているアカウントは別のものらしい。

「とりあえず、しばらく写真上げないようにしようと思うんだけど。」

 美優がそう言うと、「それがいいと思う。何もできなくてごめん。」と大輔は力なく言った。


 美優が投稿をやめてログアウトした途端、ダイレクトメールは届かなくなった。

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