??

竹:あの


卍Extendedねこ卍:どうした、ちょうど今から新しく思い付いた「文字数マウント」の話をしようと思ってたんだが


!!??!!:めっちゃ地獄っぽい名前だなぁ…


竹:いや、実はマウントについてちょっと思い付いたことがあって


QWERTY:ほう


!!??!!:ふむ…?


竹:お聞きいただけないかな、と思ってたんですが


竹:部長が文字数マウントの話をするならそちらでも


!!??!!へぇ、後輩君がマウントを…!!


卍Extendedねこ卍:なるほど、そういうことならお前のを優先していいぞ


竹:ありがとうございます


卍Extendedねこ卍:私としても、お前がどんなマウントを考えるのか興味がある


QWERTY:で、どんなマウント手法なんだ?


竹:はい、その名も"未知マウント"です


!!??!!:未知?


卍Extendedねこ卍:何それは


QWERTY:相手の無知さに対してマウントを取るみたいな?


竹:いえ、そういうのではないですね…ちょっと似てるところはありますが


竹:皆さんは「完全なマウント」というのは突き詰めればどういう物だと思いますか?


卍Extendedねこ卍:最強のマウント


!!??!!:答えになってねえ


QWERTY:行うことで全ての上に立てるマウント


!!??!!:うーん…反論……要するにマウント返しが行えないマウント?


竹:>マウント返しが行えないマウント

そう、これです


竹:僕はこれに目を付けて、「取り返しようのないマウント」を思いつければそれが完全なマウントになるはずだと考えました


卍Extendedねこ卍:もしかしてそれって


竹:そう――――「人類が誰一人として全く知らないもの」でマウントを取れば、返しようがないはずです


QWERTY:それで未知マウント、か


!!??!!:なるほどぉ……


竹:このマウントにおいて未知は厳密にはマウント返しを避けるための「手段」ですから、より正確に言うなら「??マウント」と言ったところでしょうか


卍Extendedねこ卍:人類が、知らないもの


QWERTY:しかし未知の存在でどうやってマウントを取るんだ?


QWERTY:マウントの基本形は「お前○○(自分が当てはまる物事)じゃないのかよwwwwwwwマジ?wwwwwww」だから、自分が体験していないことは当然のことながらマウントを取れないだろう


!!??!!:うーんそこだよなぁ


竹:そう、そこでです、僕は考えましたよ、この○○に入る語句は何か……


竹:「自分の妄想の中にしか登場しない物事」を出せばいいかなと考えたときはいい案だと思いましたが、すぐに「相手の妄想の中にしか登場しない物事」で取り返されてしまうことが分かりました


卍Extendedねこ卍:「お前スーヘジクルニムヴェン知らないのかよwwwwwwwwww」「そういうお前はョ゛フト゜ノモシウクァョ知らないってマジ?wwwwwwwww」みたいな感じか


!!??!!:地獄すぎる


QWERTY:マウントとしてはともかく精神攻撃としては確実に成功だろ


竹:「この世界に存在するものが一つとして存在しない全く別の次元」を仮定して、相手に「この世界に存在するものを1つでも知っていること」でマウントすることで逆接的にマウントする側が別次元のものを知っていると錯覚させる、みたいな路線も考えましたが、頭がおかしくなりそうになったのでやめました


卍Extendedねこ卍:「お前「この世界に存在するものが一つとして存在しない全く別の次元」に存在しないものを1つでも知ってるのかよwwwwwマジ?wwwwww」みたいな感じか


QWERTY:これは封印して正解


!!??!!:これはこれで精神攻撃として合格では?


竹:そして思い付いたんです、このマウントがある程度成立する文句を…!!!


卍Extendedねこ卍:ほほう…!!!


QWERTY:というと?


竹:「未知マウントそのもの」です


!!??!!:えっ


竹:つまり、「お前未知マウント知らないの?wwwwwwwマジ?wwwwwwww」です


卍Extendedねこ卍:え、えーっと


竹:いいですか、「お前未知マウント知らないの?wwwwwwwマジ?wwwwwwww」というのは「未知マウント」なので、マウント開始時点ではマウント側だけが知っていることのはずです


竹:「人類全員が知らない必要がある」というのは人類全員に対してマウントを行うための条件付けなため、マウントの過程でこの概念を教える分には既にマウントを取り終えているわけだから問題ありません


QWERTY:そうか、「自分は知っていて相手は知らないもの」ならこのマウントは理論上可能で、かつ妄想ではないもの、となると――――未知マウントそのものが一番、ってことだ


竹:未知マウントの概念を相手が知った時点で当然のことながら取った側は未知マウントを知っているので、「未知マウントを知らない事」に対する物である未知マウントは「返す」ことができないはずです


!!??!!:お、おぉう……


卍Extendedねこ卍:そして未知マウントを取られた相手は、また別の未知マウントを知らない人間に未知マウントを取って知らせていく……まるでウイルスが感染するかの如く、全世界に広がっていくってことか…!!!


竹:未知マウント以外で「未知マウント」に関する知識が伝達されなければ、ですけどね


!!??!!なんて恐ろしい


QWERTY:うーん凄いな


竹:ありがとうございます


QWERTY:でもこれ―――肝心な"穴"があると思うんだが


竹:というと


QWERTY:「今ここで未知マウントのことを聞いている我々」のことはどうなる?我々に対して未知マウントを行うことは、我々が既に「知っている」以上不可能じゃないか?それは厳密には完全なマウントとはまた別の物じゃないか?


竹:あっ


卍Extendedねこ卍:そうか、私たちは「誰からもマウントされない」状態にあるはず……完全なマウントは、すべての存在に取れうるマウントだから実現しようがないんだ


竹:しまった……


!!??!!:……でもつまり、逆に言えばこのマウントは私たち以外の人々には効くってことだよね、ちょっとこのマウンティング手法を広めてくる!


卍Extendedねこ卍:私も行こうかな……


竹:もう少しだったんだなぁ……


QWERTY:お前ら相手は選ぶんだぞー!

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