第5話


動乱(第三部)5


経歴等色んな事項がまとめてあります、児玉との関係も詳しく書いてあります、中々良く調てあるなと感心したのです、さて、

ジエトロの村田さんに挨拶でもするかと部屋を出てジェトロに行き理事長に面会すると村田が応接のイスを勧めるので座ると、

中々引退できませんなと笑うので、


これが最後の仕事でしょうと言うと、私もそろそろ引退させてくれるように、総理に頼んでいるのです、わが国は経済大国に、

なりましたが、わが国だけ繁栄するわけにはいきません、後進国に沢山の援助をする事になります、物を供与してもそれを、

メンテナンスできなければ、


一回で終わりです、いろんな物の修理技術が必用ですし、農業の援助では熟練者の援助が必用ですが、中々海外に出て行き、

指導する者は少ないのですよと言うので、現役の熟練者は派遣するのは難しいかもしれませんが、定年退職をした熟練者、

ならこれから、


沢山でると思います、すなわちシニア組に声をかけたらどうですかと言うと、なるほど、シニア組ですか、しかし、歳をとっ、

て外国に行くでしょうかと言うので、自分でつちかった技術です、他の人に教えたいのが技術屋ですよ、又農業の人が外国に、

でる機会はほとんどありません、


後進国は貧しくて日々の食糧にもことかく人が大勢います、日本で育つものがその国で育つかはわかりませんが、日本にある、

農作物はほとんど外国から入って来たものです、多分アフリカ、東南アジアでは育つと思います、アフリカでは水を求めて、

相当あるいて汲んでくると聞きました、


日本の井戸掘りの技術はすぐれています、今は水道が普及して技術者は余っていると思います、この人たちに協力を依頼され、

れば喜んでアフリカまで井戸掘りに行くとおもいますと言うと、成程青年海外協力隊とシニア海外協力隊の二本立てにして、

やれば良いですねと言ったのです、


それから日本の外務省の出先機関がない場合は、その役割も果たしてもらったらどうでしょうか、幅広く日本を宣伝できます、

し、今後発展した時に日本びいきになってくれますよと言うと、先生は旧海軍の戦略家と聞きましたが、素晴らしい戦略で、

すな、


その線で検討してみます、又色々助言していただければ有難いと言うので、思いついたらお知らせしましょうと言うと、話は、

変わりますが、今回日本航空機にいた運輸省の者がすべて更迭されたそうです、民間がすべて運用する事になったそうですが、

ジエトロに海外販売の手伝いをせよとの、


幹事長からの依頼です、ジエトロも販売は素人ですので、困惑しているのですがと言うので、それは相手を知り己をしれば百戦、

危うからずと言う言葉通り、戦いも商売も同じなのです、ジエトロがその国にはいる場合は、その国の要人の許可がいります、

その人の紹介する人と折衝して、


現地にはいるわけです、その要人の性格、家族構成、愛人の有無、好きな食べ物、どんな女を好むか、賄賂を要求するか、潔白、

な人か等の情報が商売に役にたつのです、こんど日本航空機には民間の営業マンが沢山配属されるでしょう、その情報を提供す、

れば、


その者は商売のプロです必ず役にたちます、これから出て行ってそれらを調べるのは時間がかかります、ジエトロで纏められれ、

ば短期間で作成できるはずです、今後のジエトロの海外戦略にも役にたちますよ、これからは人の頭に入っているだけでは駄目、

なのですと言うと、


なる程情報の一元管理が必用なんですね、これも早速実行して日本航空機にYS-11を沢山うり込んでもらいます、小型で燃費も、

良いと聞きます、後進国にはもってこいの旅客機ですねと言い、先生がジエトロの理事長になればわが国は海外から大きな評価、

をうけますなと言うので、


そんな話を総理にしてはダメですよ、又こき使われるはめになりますと言うと、村田が大笑いしたのです、ジエトロを出て今日、

は日の出から船で浅草に行きうなぎでも食うかと、赤坂から日の出桟橋に行き船に乗ったのです、川から眺める東京の街も中々、

風情があります、


カンビールを買いデッキで飲みなが川もを眺めて、大分川も汚くなってきたな、何とかしなくては、そのうちどぶ川になるなと、

思ったのです、浅草でおりて、うな膳にいくと親父が先生久しぶりですねと言うので、ビールにうな重と言うと、ハイ、と返事、

したのです、


暫くまっているとうな重を持ってきたので、食べるとふっくらしていて旨いので、相変わらずうまいウナギだと言うと、来月、

から値上げしますと言うので、そうか、ウナギも関東では取れなくなったかと言うと、川の汚染で利根川でも取れなくなって、

います、


そのうち店は閉めなくては、ならなくなるでしょうと言うので、汚水の垂れ流しを、規制しなければならんなと言うと、今から、

やっても綺麗になるには何年もかかりますと親父がため息をついたのです、浅草をブラブラして新次郎の事務所に顔を出して、

何か連絡はと聞くと、


中田がありませんでしたと言うので、何もないことは、いいことだと笑うと、新次郎が今日繊維工業会の理事長が来て、今回、

日本航空機への補助金打ち切りで繊維工業会への補助金も、半分にすると通産省から言って来たそうで、そんな事したら新規、

の開発もままならず、


中小企業は倒産に追い込まれ、日本の繊維業界は全滅になるので、補助を続けるように陳情したのだけど、かんばしくないので、

なんとか口添えをと言う事なんだと言うので、わしが辞める前に新製品開発は積極的に補助するようにと申し送りして来たのだ、

がと言うと、


あの不正が発覚してから通産族は見向きもせず、陳情しても追い返される始末だそうだと言うので、自分にメリットが無くなっ、

たので、無視しているのか、まったくけしからん事だな、しかたない、繊維工業会の者をあっめて事情を聴き、審査して良い物、

の開発は大西基金から資金を提供させようと言うと、


僕もそう思っていたんだよ、今河川が汚れているので、水をろ過する繊維、海水から真水に変えるフイルター、車の排気ガスの、

軽減するフイルター、それに工場が川に流す場合は、沈殿池を作りろ過して流すように法整備が必用だと思うと言うので、なる、

程、色々あるではないか、

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