第4話


動乱(第三部)4


築地に行くと部屋に案内するので、膳の前に坐り乾杯すると、児玉がやっぱり引退は出来ませんねと笑うので、君のことだ全部、

知っているのだろうというと、ええ、ソ連の二重スパイに聞きました、カラフトの司令官はあのイワン少佐だそうですが、今は、

少将に進級しているらしいですねと言うので、


腐れ縁と言うわけだというと、あのシベリア脱走を思いだしましたよ、こんどは何を押し付けられたのですかと聞くので訳を話、

すと、成程それは先生が適任ですなと酒を飲み干したのです、新一がところでまだ世界各国の諜報員とはつながりがあるのと聞、

くと、


ええ、良い情報が取れたら、外務省や警察の外事課、公安へ耳打ちしてやると喜びます、その代わり政府の情報もくれますよと、

言うので、それでは司馬あたりもつながっているのかと聞くと、ハイ、資金も融通しています、今回は司馬から連絡があったの、

ですというので、


それでは又児玉君に世話になろうというと、何でも言ってください、情報も物資も調達します、又先生と仕事ができますと喜ん、

だのです、御存じと思いますが、ソ連と国交正常化した時に、ソ連が平和条約を結べば国後、択捉は日本に返還すると言った、

そうですが、


二島返還では後の二島を放棄する事になるのでと言う事で、国交正常化だけにして平和条約は結ばなかったので、いまでも四島、

は返還されないままになっていますというので、わしはその時防衛庁長官だったが、結ぶべきだと言ったのだが、国を守る長官、

が後の二島を放棄するのかと言うので、


そのあと返還交渉すれば良い、このままでは米ソの対立は深まり、二島返還も難しくなると言ったのだが、ばかな閣僚が多くて、

結局結ばなかったのだよと言うと、旧軍部の幹部と同じですねと言うので、今でも役所はそんな輩がおおいのだよ、総理と言え、

ど無視するわけにはいかんのさと酒を飲み干したのです、


女将が酌をしてやつぱり、天は新一さんを必用としているのですね、生涯現役ですが体には気をつけてくださいと言ったのです、

ところでアメリカはベトナムで泥沼にはまっているがと言うと、ジョンソン大統領は増派を計画しているそうです、南ベトナム、

の解放戦線にも、


ソ連は大量の武器を渡しているそうで、政府施設を狙ったテロが頻発しています、アメリカはそれの対抗にアフガニスタンの反、

政府組織に、CIAが武器を渡してソ連基地はテロにあっているそうで、ソ連も増派するとの事です、あちこちで米ソ代理戦争が、

勃発しています、


又イスラエルはアラブのテロに、手を焼いているそうで、遠からずエジプト、シリアに侵攻するとの噂です、アメリカは石油を、

いまはアラブ諸国から輸入していますので、侵攻しないように圧力をかけているそうですが、強硬派が政権をにぎれば止めるの、

は難しいと言う状態だそうですと言うので、


そうなるとサウジからの日本への石油輸送も、海峡を封鎖されれば出来なくなり、国内はパニックになるな、石油備蓄を急がせ、

なくてはというと、建設省の管轄ですが、基地の誘致をめぐって建設族が暗躍しています、また高速道路建設も土地買収にから、

んで運輸族が暗躍していますと児玉が言ったのです、


まつたく政治家は国の為にではなく、自分の懐を肥やす為にちみつを上げているのかと、酒を飲み干したのです、今後の段取り、

を話して協力を要請したのです、翌日はジェトロに行くと、奥の部屋に国際情報局という看板が掲げてあるので入ると局員、

が挨拶したので、


会議室にみんなを集めて、これからは内外の情報をいかに正確に分析するかが国益につながる、部局の中に、国内、東南アジア、

中東、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ班に分かれて、それぞれ情報を分析してくれ、国内は過激派、暴力団、東南アジアは、

ベトナム、ラオス、それに北東アジアの中国、朝鮮だ、


中東はイスラエル、アラブ、ヨーロッパはドイツ、バルカン半島、アフリカは内戦地域、アメリカはCIAの動き等の情報を集め、

問題になりそうなところを報告してくれ、わたしは常駐しないので、副局長の椎名君の指示にしたがうように、椎名君は外務、

省の情報分析官だ、


頼りになるぞ、出身母体にも協力を総理から依頼してある、みんなは警察官と同じ捜査官として権限を持つ事にになり、武器庫、

には拳銃が保管してある、必要があればいつでも持ち出せる、まあ、あんまり張り切るとアゴがでるのでゆっくりやる事だ、

それでは仕事にかかつてくれと言って解散したのです、


椎名君ひとつ宜しく頼むというと、ハイ、緊急時は新次郎さんの事務所に連絡しますというので、わたしの出先に連絡する事、

になっているのですぐにここに連絡するよと言ったのです、椎名が国内の問題なんですが、石油備蓄基地の用地買収の件です、


いまわ殆ど民間石油会社の備蓄に頼っている現状です、そこで国の備蓄基地建設の話が持ち上がっているのですが、通産省は、

関東近辺は住民の反対、また土地の高騰の為、北海道、東北、九州に建設計画があるのですが、通産族の反対にあい頓挫して、

いるとの事ですと言うので、


今の備蓄量はと聞くと、約6ケ月との事ですと言うので、日本の開戦の前でも1年半の備蓄はあったぞ、そんなに少ないのかと言、

うと、石油の使用量は戦前に比べて膨大にのびています、備蓄は間に合わないのが現状なんですよと言うので、なぜ通産族は、

反対しているのだと聞くと、


民間の石油各社にやらせてその情報を、不動産会社にながし土地を事前に安く手に入れて、石油各社に通常値で売却させ、その、

見返りに、多くの献金をさせるためです、国の建設場所を漏らすと公務員機密保護法にふれますので民間の方が違法にならない、

のですと言うので、


まつたく民間は石油を輸入する資金調達も大変なのに、建設資金を出す余裕があるはずはないので、国から補助をだし、それに、

対する補助金の交付で暗躍するのだろう、なんとか国が作るように総理にはなそうと言って、その国の計画要綱を手にいれて、

頂戴と頼んだのです、


椎名がこのファイルは公安が調べた要人、過激派、ヤクザ、右翼のリストです、局長も入っていますと言うので、わかった読ん、

でおくんよと言うと、それではと部屋を出て行ったのです、自分のフアイルを取り出してみると、出身から海兵、海大の成績、

中将までの、

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