終了
エンが消えて数時間、私達は戦闘を続けていた
「はぁ・・はぁ・・・優・・・そろそろ休め!!」
心一が鼻血を流しながら言う
「あんたこそ休みなさいよ・・・・・!!私は大丈夫だから・・・!!!」
「あぁ!?手の平から血を流して何いってんだよ!?」
私たちは何度目かの口喧嘩を始める
演習が始まって12時間程経っただろうか、黒田と神谷そしてエンが場外で失格になり、残るは俺と横田と桃園のみ・・・数で言えばこちらの負けになるがすでに横田と桃園は疲労困憊
「そろそろ終わらせるか・・・・・」
俺は歩みを進める
「田中刑事が動いたぞ!!」
俺達が口喧嘩していると田中刑事がこちらに向かってゆっくりと歩いてくる
「マズイじゃない・・・!!!こっちに来られたら終わりよ!?心一、もっと射撃スピード上げなさいよ!!」
「言われなくても・・・!!!」
俺は精度無視で全力で石を殴り飛ばす
「シャオラァァァァァァァッ!!!!」
「連射モード!!」
優も腕の負担を無視して連射モードに切り替える
(ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!!)
(パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパッ!!!)
「「はぁ・・はぁ・・・・なんで・・・??」」
なんで全部避けれるんだよ!!!!
俺達が衝撃を受けている間にも田中刑事は確実に近づいてくる
「もう一回いくぞ・・優・・・・」
「えぇ・・・・」
俺達は再び射撃の構えをとり、攻撃を再開しようとするが・・・・・・・
「「痛ッ・・・!?」」
(バララ・・・)
(ガシャ・・・)
腕に激しい痛みが走り、俺は小石を落とし優は銃を落とす
「「・・・・・・・・・・」」
俺達が絶望していると
「終わりだ・・・・・」
田中刑事が目の前に立ち、懐から小さな銃を取り出し俺達に向ける
「安心しろこれは麻酔銃だ・・・死にはしない・・・・・」
「ク・・・ソォォォォ!!」
俺はやけくそになりながら手袋のつまみをひねりパワーを上げ、田中刑事に殴りかかる・・・・・・・が、田中刑事はひらりと避け俺に足をかける
「・・・!!」
足をかけられよろけた俺は砂浜に虚しく転がる
「感情に任せての行動は戦場では死につながる・・・・・・慎め・・・・・」
「・・・!」
田中刑事の気迫に俺は戦意を失う
「それでは演習を終わらせるとしよう・・結果についてはお前たちが起きた後に行う・・・・・」
そう言って、田中刑事が引き金に指をかけた時・・・・
(PiPiPiPiPi・・・・・)
田中刑事から着信音が鳴り響く
「すまない・・・帝国政府からだ・・・私が電話に出ている間、演習は一時中断とする・・・・」
田中刑事はそう言うと電話をとる
「はい、警察軍の田中です・・・総理、いかがなさいましたか・・・?はい・・・はい・・はい!?」
めったに慌てない田中刑事が珍しく慌てた素振りを見せる
「総理、それは一体どういうことですか!?この子達はまだ、士官生になって1週間も経ってないんですよ!?え・・・!?・・・・・・・・・・・・承知しました・・・・・・・・・・・では・・・」
田中刑事は電話を終えると大きなため息を吐いた後、銃を懐にしまうと
「帝国政府からの命令だ・・・演習科目は今、この時点で全て終了よって今日の演習もこれにて終了・・・そして・・・・・・」
田中刑事は間を置くと
「明後日の夜、重要テロ組織の本拠地への奇襲作戦に参加するように言われた・・・」
「「え・・・?」」
「迎えのヘリが来るのは明後日の昼だ・・・・・それまで各自、準備を整えるように・・・・・では」
「待ってください!!」
話を終え、この場を去ろうとする田中刑事を俺は呼び止める
「最重要テロ組織への奇襲作戦に参加って・・・・・・俺達は士官生になってまだ1週間も経ってないんっすよ!?」
「それに演習を途中で切り上げるってどういうことですか!?」
俺と優は田中刑事に詰め寄り、猛抗議するが
「私も抗議したが、命令に従わなければ帝国政府は帰りのヘリを手配しないとのことだ・・・・・」
「「!!」」
「安心しろ、お前たちの命は私と黒田が守る・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
田中刑事はそう言うが、俺達は黙り続ける
「他に言うことは無いな・・・それでは私は明後日の準備をするので、ここを離れる・・・では」
そう言うと田中刑事は去っていた
田中刑事が去ってからしばらくして俺と優は膝から崩れ落ちる
「終わった・・のか・・・・・・?」
「えぇ・・一応ね・・・・・」
「そうか・・・・・・」
さっきまで銃声が鳴り響いていた砂浜に波の音だけが鳴り響く
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