演習開始3時間前

 あれから俺と心一は一緒に走り込みをしてテントに戻った


 テントに戻るとすでに田中刑事達を含め全員が起きていた

 「あっ、2人ともお帰りなさい!ちょうど今、朝ごはん出来たから座って待ってて!」

 俺達がテントに入ってきた気付いた優は俺達に席に着くように促し、調理スペースへ消えていく


 俺達が席に着くと同時に、調理スペースから優とエンが料理を運んでくる


 「今日は島で採れた山菜を使った、お肉たっぷり山菜たっぷりスープよ!」

 そう言いながら優は手際よく皿にスープを盛りつけエンと一緒にスープを配り始める

 

 「おぉ、今日も旨そうだな(ジャー・・・・)」

 心一がヨダレを滝のように流しながら言う


 「今日の朝ごはんはエンがほとんどやってくれたのよ!!」

 「そうなのかエン!?」

 「はい・・・」

 エンが恥ずかしそうに返事をする


 「そうか・・・あのエンがついに料理を・・・」

 田中刑事は声を震わせながら感慨深そうに呟く


 「すごいじゃねぇか!エン坊!!」

 黒田刑事はそう言うとエンの頭をワシャワシャし始める

 「やめてください・・・・!」

 エンは照れくさそうに黒田刑事の手を払いのけるがまんざらでもない感じだ


 優はというとその様子を微笑ましそうに見つめている


 「それじゃあ、そろそろ食べましょうか」

 そう言いながら優は手を合わせる


 俺達もと同じように手を合わせて口を揃えて

 「「「「「「頂きます」」」」」」

 6人分のいただきますがテントに響き朝ごはんが始まった

 


 「・・・・・・・」

 「どう・・・?勇兄・・・・?」

 スープを食べる俺にエンは不安そうな顔で聞く

 「うん・・・・旨い!」

 俺がそう答えると


 「よかった・・・・」

 エンは「ほっ」といった感じで胸を撫で下ろす


 「うん、本当に旨いな・・・良くやったなエン」

 俺はそう言いながらエンの頭を優しく撫でる

 「えへへ・・・・・ありがとう、勇兄・・・」

 頭を撫でられたエンは照れくさそうにお礼を言う(グガァァァァ、可愛いいイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイダキシメタイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ)


 「それにしても、あのエン坊が料理の手伝いか・・・・成長したな~~~~(´;ω;`)」

 そう言って黒田刑事は涙を流しながらエンが作ったスープを食べ進める

 「それにしてもこのスープこんなしょっぱかったか?」


 「黒田それはもうスープじゃない、お前の涙だ・・全く・・・お前は泣きすぎだ・・・・それにしてもこのスープどれだけ飲んでも減らんな・・・」

 そう言う田中刑事は黒田刑事以上に涙を流している(2人共、どっからそんな量の涙が出るんだ・・・???)


 「ゆいおかわりーーー!!!」

 「はいはい・・・」

 そんな俺たちに目もくれず心一は黙々と食べ進め、いつの間にか5回目のお代わりに入っていた

 


 「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」

 色々ありながらも朝ごはんを食べ終わり、俺達は後片付けをしていく(心一は+自分のヨダレで作った池の処理)


 


 「全員、私の前に整列!!」

 後片付けが終わり落ち着いていた俺達を田中刑事は1か所に集め話し始める


 「今から3時間後に演習を開始する―――――それまでの時間は各々自由行動とする!

 また、昨日も言っていたが、今日は私と黒田刑事がお前達4人の相手をする・・・学生だからといって手加減はせん!お前達もそのつもりで準備を万全にして今回の訓練に臨め――――それでは解散!!」

 そう言うと、田中刑事は黒田刑事と一緒にテントを出ていった


 「ついに、来たか・・・この時が・・・」

 「あぁ、田中刑事達との手合わせ・・・オラァワクワクすっなぁ~」

 俺が緊張している中、心一はどこかのスーパーサル野人みたいな事を言っている


 「ねぇ、エン――――」

 「何ですか?」

 「エンは確か田中刑事達と一緒にいたのよね?」

 優がそう聞くと


 「はい、確かに少しの間一緒に行動していました」

 「なら、田中刑事達の事についてエンが知ってる事とか教えてくれないかしらもしかしたら作戦を立てる上で役立つかもしれないし・・・」


 確かにそうだな・・・・

 「エン、俺からも頼む田中刑事達の事について教えてくれないか?」

 「はい、それで皆さんのお役に立てるなら・・・・」

 エンは快く俺達の頼みを引き受けてくれた



 

 

 

 










 

 

 

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