作戦のおさらい

 あれから俺達はエンの指示の元、自由時間終了ギリギリまで演習の準備をした

 

 

 「はぁはぁ・・・これでいいんだな?エン・・・・?」

 泥だらけの心一は息を切らしながらエンに聞く

 「はい・・・これだけやれば私達でもあの2人と対等に戦えると思います」


 「でも、本当にここまでする必要があるの?」

 優は目の前に広がる景色を見ながらエンに聞く

 「えぇ・・・あの2人の力を考えるとこれぐらいは最低ラインです」

 「そうなのか・・・これから、俺達はで田中刑事達と戦うんだな・・・」


 「うん・・・勇兄にはかなり大変な役回りを頼む事にはなるけど・・・・」

 エンが申し訳なさそうに言う

 「そんなの気にすんな、これも必要な事の内の1つなんだろ?」

 「うん」

 「それならお前は胸を張って俺に任せてくれればいい」

 「・・・・・」


 エンは力強くうなずくと胸を張って俺達の前に立って口を開く


 「改めて今回の作戦について簡単におさらいさせて頂きます――――――皆さん、今回の作戦と自分の役割については全て把握出来ていますか?」

 「あぁ」「えぇ」「おう!」


 エンの質問に俺達が自信をもって答えると、エンは満足そうにうなづき説明を続ける



 「今回の作戦――――――短距離戦特化の勇兄が前面に出て田中刑事達の攻撃を受け・・・そして優さんと心一さんが後方で援護射撃を行い、田中刑事達の攻撃を妨害してもらい勇兄の急所に攻撃が入らないようにしてもらいます―――――私は司令塔として戦況を見ながら適宜皆さんに指示を送ります」


 そう言うとエンはボディコンを起動する

 「皆さん、古の通信手段トランシーバーアプリを起動してくれますか?」

 俺達はボディコンを開きアプリを起動する


 「このアプリは本来、災害用に作られたマイナーアプリでボディコンに標準搭載されている人体微弱電気増幅機能を応用してオフライン状態でも通信を可能に―――――――」

 「つまりどういう事だってばよ・・・・??????」

 心一が頭から煙を出しながら聞く


 「・・・まぁ、簡単に言うと電波が届かない場所でも通信が出来る機能ですね」

 「おぉ・・・じゃぁ、その機能を使えば外に助けを呼べるんじゃ・・・・!!」

 「心一さんが期待するのは分かりますがこれは短距離通信しかできないので遠くへの通信は不可能です・・・・・」

 「一体、どれくらいの距離の通信が出来るの?」

 優が質問する


 「約150mです」

 「結構、短いな・・・」

 「えぇ・・・元々、瓦礫に挟まった人の救助目的に作成された機能を応用したものなので本物の戦場等の使用には向いていない・・・ですが・・・・・」

 「今回みたいな動く範囲が狭い戦いにはもってこいと・・・・」

 「えぇ」

 俺が言った事にエンが満足そうにうなずく


 「それでは皆さん―――――」


 そう言ってエンは大きく息を吸ってから口を開く

 「今回の訓練の目的はあくまで12時間田中刑事達の攻撃をしのぐことです・・・・勝つのが目的ではありません、それだけは忘れないでください―――――――最後に皆さんの健闘を祈ります・・・・」

 「あぁ!」「えぇ!」「おう!」

 



 


 


















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