終わりから始まる物語

モモん

タナカじゃないよコジマだよ!

おっ、何々・・・俺って転生しちゃったの。

あははっ、超ラッキーじゃん。


えっ、部下アカとサタ、何それ名前なの。

五十音じゃん・・・

受けるしー・・・俺の名前は・・・タナカ・・・

それって・・・


ライトノベルにはまり、読み込んでいくうちに自分でも書けそうな気がした。

ざっくりとストーリーだけ書き出して、いろんな名前は仮付け。

ざっくりと、勇者が魔王を討伐してめでたし・・・で、飽きて詰めてない。


じゃあ、夢なの?

いや、この質感はマジだよな。


今の状況は?

えっ、魔王が討伐されて残党狩りが迫っている!

待てよ、俺・・・そんなとこまで考えてねえぞ!

しかも、タナカってオークじゃん・・・手は・・・蹄じゃんよ!

何これ!

えっ、魔王の仇を取ろうって・・・バカ言うんじゃないよ。

タナカにそんな期待しちゃダメだって。

あれっ、タナカって序盤で勇者をいたぶって・・・討伐されてねえよ。

もしかして、ここで会ったが百年目とか・・・仕返しされちゃうのかな・・・やだよ、痛そうだし。

せめて一気に死なせてくれればいいけど・・・思い出しちゃったよ、いやなこと。

勇者の幼馴染だった女魔法使い・・・序盤のエロシーンだよな・・・サービスカットの・・・

裸にして・・・おっぱい舐めちゃったよ・・・あれがトラウマになって、なかなか勇者を受け入れられないんだった。


めっちゃ恨まれてるじゃん・・・タナカ・・・


そうだ!

逃げよう!


冷静に考えるんだ、オレ。


勇者たちは西のエリアから侵入してきたんだよな。

よし!東に逃げるぞ!


えっ、ダメ・・・なんで?

東は・・・ドラゴンの谷だっけ・・・北は凍結した海だったよな・・・

いけない事はないけど、身を隠す場所はない・・・

南はなんだっけ・・・冥王のエリア・・・そうか、名称だけで何も決めてなかった冥王・・・

設定は・・・魔王と敵対してたよな・・・


どっちが一番可能性があるか・・・北は寒いし、喰いもんないよな・・・東は食われるの確定で、南は未設定の冥界。


えっ、今までのタナカと違う?

タナカはこんなに考えなかったって・・・しょうがないだろ、中身はコジマなんだから・・・

あんな脳筋と一緒にしないで・・・いや、今は俺がタナカだよな・・・


そういえば、タナカのステータスって・・・えっ・・・何コレ!


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

□ ◇◇◇ステータス◇◇◇

□ 名前:タナカ

□ 年齢:18

□ HP:10103/10103

□ AP:508

□ MP:3/3

□ 種族:オーク

□ 職業:超戦士 LV.107

□ 【スキル(消費MP)】

□ ・空間転移(30)

□ ・無詠唱(3)

□ ・灼熱地獄(50)

□ ・絶対零度(50)

□ ・竜変化(100)

□ ・完全防御結界(80)

□ ・全初級魔法(5)

□ ・全中級魔法(10)

□ ・全上級魔法(30)

□ ・超戦士オーバー(200)

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うおー!これなら、勇者パーティーにだって・・・だって・・・だからさ・・・

タナカってバカなの?

無詠唱しか使えないじゃん・・・無詠唱って、その後の魔法に有効なのに・・・それで終わっちゃうじゃん・・・


ねえ、今から魔法の訓練するからさ・・・せめて、あと一か月待ってくんない・・・いや、なんで一か月早くタナカになれなかったのよ・・・


いや、まだ間に合う。

ここさえ乗り切れば、逆転できるぞ。


えっ、ムリ?なんで?


無詠唱は魔法じゃないから、いくら使ってもMPは増えない・・・って、そりゃあないでしょ・・・

MPの枠を増やす手段ってないの?

体に補助器具とか埋め込んでさ・・・えっ、やったけどダメ・・・誰が?・・・タナカが・・・

そうか・・・タナカもそれなりに頑張ったんだね。


このスキルを見るだけって、残酷だよね。

手を伸ばせば、最強の座があるのに・・・きっかけさえも潰されちゃうんだ・・・


で?最後の手段に走ったんだ。

それが・・・異世界人の魂を召喚して、定着させる。

ああ、成功したんだ・・・おめでとうタナカ・・・

だけどさ、俺なんか呼んでも効果なかったわ・・・


”チャラリラリ”


おっ、なんかレベルアップしたみたい・・・MPが4になったよ。

タナカ・・・お前は勝ったんだよ

俺はお前を誇りに思うよ


”チャラリラリ”


おっ!また上がったよ。

今度は、MPが凄いぞ。一気に20上がってるよ。


これなら、中級魔法が2回も打てるじゃないか。


”バン!”


「ここにいたか!タナカ!

きっちりと落とし前を付けに来たぞ!」


うん?勇者か。

まあ、そう急ぐな。

このタナカの偉業を称えようじゃないか。


「何ブヒブヒ言ってんだよ。

まさか、俺を忘れたとは言わせないぞ!」


・・・そういえば、勇者にはタナカの奇跡なんて関係ないか・・・

だけど、作者に向かってこの態度はないよな・・・そうだ!作者なんだから、なんか追加でアイテムが出現して、窮地を脱出するとかどうだろう。

そうだな・・・この手にピタリとおさまるガントレット。破壊不能属性が付いていて、MPも節約できる。すべての魔法を、消費MP1で使える

それが、この壁の内側に隠されていた・・・って、設定を追加する。


「タナカ、何蔑んだ目で見てるんだ。

これで最後だ、言いたいことがあるなら聞いてやる」


「ちょっとぉ、勇者ぁ。サクッと殺っちゃおうよ」


ブヒッ

女魔法使い・・・お前なんか、色モノでしかないんだよ

そうだ!ガントレットと一緒に保管されていた最恐・最悪の触手の欠片

俺の血を吸収して復活!そうだ、それで行こう。


勇者の攻撃を待たず、女魔法使いが攻撃してきた


『アイス・ボール、タナカをぶっ飛ばせ!』


ボールなんてかわいいものじゃない

50cmほどの氷の塊が3個・・・

俺は氷の勢いを殺しつつ壁に体当たりする。

ガラガラと崩れる壁・・・ぽっかり空いた空洞・・・


構想通りだ。

ガラスの器にあった肉片に血を垂らす。


「なっ、なによ!

そのクラゲみたいなキモいのは!」


俺の意図をくみ取ったかのような笑みを浮かべる勇者。


全魔法無効にして物理耐性強


ブヒ!(いけ、マダムキラー!:触手の名前)


ぬめりを帯びた触手が女魔法使いに伸びる


「キャー」女魔法使いの悲鳴が・・・


 ・・・自主規制・・・


ガントレットを装着した俺は、あらためて勇者パーティーに対面する。

女性メンバー2人は、触手君が確保している。


「タナカ、目的の魔王討伐は終わったし、この国をお前に任せて引き上げてもいいんだぜ」


ブヒ・・・俺はかぶりを振った


「そうか、なら決着を着けよう」


勇者の一撃を、俺のガントレットは簡単に弾きかえした。

勇者の胸当てごと心臓を貫く。

戦士も武闘家も瞬殺だった。


次の集団が入ってきた。

「何!第7勇者がやられてるぞ!」


そうだった。

勇者は全部で66人。

だが、まったく問題ない。

今入ってきたのは第11だったか・・・男は瞬殺、女は繁殖用だ。


5組の勇者パーティーを葬り、俺は魔王城に向かった。


「タナカ、見事だ!

父の跡を継いで、俺が次代魔王になる。

おまえは、将軍に取り立ててやろ・・・ぶふぉ・・・」


たしか、魔王の息子だったか・・・イケメンの若者だった。

その顔面にぐーぱんを叩き込んだのは、生意気キャラの魔王の長女。


「お兄様、何失礼なことを・・・キャッ」


ブヒッ!(勝手にやってろ。俺は人間界に出向き勇者をせん滅してくる)


こうして俺は第76代魔王の座には就かず、独自路線を行くことにした。


捉えた女魔法使いはどうしたって・・・もちろん繁殖に使わせてもらうよ。

勇者を片付けたら、次はエルフだ。

どっか、南の島でハーレムだ。

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終わりから始まる物語 モモん @momongakorokoro3

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