21 少女騎士の戦い2
「ミゼルくんは、どうしたの?」
「はっ! 俺よりミゼルが気になるのかよ!」
アーベルはますます表情を歪めた。
「あいつは他の奴と戦ってるさ。その間に、俺は暴れまわることにした。どいつもこいつも皆殺しだ……!」
「どうして、そんなこと──」
少なくともミゼルがアーベルに倒されたわけではないことを知り、安堵する。
同時に、アーベルへの不気味さが増した。
以前の彼とは、まるで違う。
いや、あるいは。
これこそが彼の本性なのか。
爽やかで物腰柔らかな貴公子然としたアーベル・ヴァイゼル。
その内面は、傲岸で、攻撃的で、暴力的で──。
「気に入らねぇ……お前もミゼルも気に入らねぇ……!」
アーベルがうめいた。
整った顔だちに血管が浮かび、憤怒の表情が浮かび上がる。
かつての、姿はすでにどこにもない。
嫉妬や攻撃衝動に取りつかれた、浅ましい少年の姿がそこにはあった。
「ミゼルが追いついてくるまでに、お前をめちゃくちゃにしてやる。くくく……悔しがるだろうな、あいつ……!」
舌なめずりをしながらアーベルが近づいてくる。
レナは鞄から素早く剣を抜いた。
訓練用で刃を潰してあるが、彼女ほどの使い手なら真剣とそれほど変わらない攻撃力を発揮できる。
「へっ、お前じゃ俺に勝てねーよ。今の俺は──神の力を得ているんだ!}
吠えて、突進する黒い戦士。
速い──。
『迅雷』の二つ名を持ち、速力には絶対の自信を持つ彼女だが、それでもアーベルの動きについていけない。
「きゃあっ……」
一瞬にして、剣を跳ね飛ばされていた。
「ははははは、まずは裸に剥いてやるぜ!」
アーベルの手がレナに伸びる──。
「ぐうっ……!?」
次の瞬間、彼の手から鮮血が散った。
「レナ先輩、ご無事ですか!」
横合いから剣を突き出した姿勢で、一人の女子生徒が叫ぶ。
金色のロングヘアに青いリボン。
気真面目そうな顔立ちをした美しい少女である。
一年生にして学園ランキングの頂点に立つ『女帝』──ジークリンデ・ゼルーネだった。
***
『全自動・英霊召喚』2巻、発売中です! よろしくお願いします~!
https://kakuyomu.jp/users/rokuasa/news/16817139555414718710
***
〇『『武術の神』と呼ばれたじいさん若返る。10歳になって無双&ハーレムの二周目人生を堪能します。』
という新作を始めました!
https://kakuyomu.jp/works/16817139555212119066
フォローや★の応援をしていただけたら嬉しいです! ぜひお願いします~!
〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m
よろしければ、☆☆☆をポチっと押して★★★にしていただけると、とても嬉しいです。
今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます