4 黒の超戦士4
「何度やっても無駄だ、ミゼル。俺たちは人を超える力を得たんだ」
アーベルが笑う。
「そう、神の力を──な」
「神? やっぱり、その鎧は神器か」
なるほど、な。
おそらく砕けた体の再生は、神器の特性なんだろう。
このままでは、いくら奴らの体を砕いてもキリがない。
「なら、その特性ごと叩き潰す」
『
『カウント180……179……178……』
神器から声がいた。
ヴェルザーレには『不可視のエネルギーを放って対象を破壊する』という基本特性の他に、第二の特性が存在する。
それは、有効範囲内で展開された敵対者の神器の特性効果を破壊することだ。
特性無効化とほぼ同義の強力な特性だった。
ただし、その効果を発揮するためには三分間のチャージが必要となる。
『150……149……148……』
「どうした、攻めてこないのか!」
カウントが減る間に、アーベルとナーグがふたたび襲いかかる。
俺はヴェルザーレで彼らを吹っ飛ばした。
だが、やはり砕けた体をすぐに再生させて立ち上がってくる。
まるで、
「はははは! 何度やっても無駄だ!」
アーベルとナーグがなおも迫る。
「……ちっ」
俺は正面から打ち合わず、二人の間を縫うようにして距離を取った。
どうせ、いくら砕いてもすぐに再生するのだ。
余計な体力の消耗は避けたい。
それに――もしかしたら、アーベルやナーグ以外にも同種の敵がいるかもしれないからな。
『123……122……121……』
残り二分ほど。
奴らがまた向かってくる。
単調な攻めだった。
圧倒的な再生能力にうぬぼれ、戦い方を工夫しようとしていない。
そこに付け入るスキがありそうだ。
俺はフェイントを混ぜつつ、ヴェルザーレを振るった。
ごうっ!
不可視の衝撃で二人を吹き飛ばし、距離を取る。
なんとか時間を稼ぎ、第二の特性を放つ。
そうすれば、奴らの再生能力は消えるだろう。
後はヴェルザーレで二人を殺すだけだ――。
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