14 交わる運命2

 俺はヴェルナの服をすべて脱がせた。


 目の前には、輝くような白い裸体がある。


 豊かに盛り上がった美しい乳房。

 見事にくびれた腰。

 丸みを帯びた艶めかしい尻。


 文字通りの女神の裸身だ。


「さあ、ボクを抱いて……女神を、貪って」


 ヴェルナの手が俺の下腹部を撫でる。


 そこはすでに興奮で熱く、硬くなっていた。


 どちらからともなく、もつれるようにして倒れる。

 柔らかな裸身が、俺の体の下で息づいている。


「ああ、ミゼル……」


 ヴェルナの手が俺の下半身を中心にまさぐってきた。

 俺もまた両手を伸ばし、彼女の乳房や秘部をまさぐった。


「あ……そう、いいよ……」

「こう、か……?」

「ん、もっと……」


 気持ちよさそうに女神が喘ぐ。

 俺はそっと顔を近づけた。


「ふふ……ミゼルがすぐそばにいるね……ん」

「……ヴェルナ」


 断片的な会話の合間に、俺たちは熱烈な口づけを繰り返す。

 恋人同士のように。


 こういった体験は今までの人生で皆無だったが、本能が女体の扱い方を教えてくれていた。


 やがて俺たちは一つに重なり、めくるめく快楽のひとときを過ごした──。




「ふうっ、すごかった……人間に処女を捧げちゃうなんて、ね」


 行為が終わり、俺たちは並んで横たわっていた。


 ヴェルナが幸せそうな顔で俺を見つめている。


 俺の方は虚脱状態だ。

 女神との交わりは想像を絶するほどの快楽だった。

 いったい何度、ヴェルナの内部に精を放っただろうか。


「どうして、俺と……?」

「『運命』だって言ったでしょ? 神様ってね、けっこう衝動的な行為をするんだよ?」


 ヴェルナが悪戯っぽく微笑む。


「それともう一つ──女神を抱いたものには、大いなる【祝福】が授けられるの。君が窮地に陥ったとき、その【祝福】が助けてくれるはずだよ」


 女神の【祝福】か。




 その後、俺はヴェルナは時間が来たということで去っていった。

 神々の世界に帰った、ということだろうか。


 俺は異空間から元の世界へと戻ってきた。


 心なしか、体が軽くなった気がする。


 あらためて──女神と交わったんだという実感が少しずつ湧いてきた。


 まさか、なし崩し的にこんな展開になるとは思ってもいなかった。

 ヴェルナに対して恋愛感情なんて考えたことはなかったし、今もよく分からない。


 ただ、あの瞬間──彼女から強烈に惹きつけられる何かを感じたのは事実だ。


 それが『運命』というやつなんだろうか。

 俺が神器使いであることに関係があるんだろうか。


 そして──俺に授けられたという【祝福】は、今後の俺に何をもたらしてくれるんだろうか。


 すべては神のみぞ知る、かもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る