6 ジークリンデ凌辱

「げほっ、げほっ……」


 ジークリンデはその場にうずくまり、先ほど口の中に注ぎこまれた男たちの体液を吐き出していた。


「ほら、ケツを突き出せ。犯してください、ってお願いするんだよ」

「はははは、悔しいか、騎士様よぉ」


 男たちが哄笑する。


 ジークリンデに抵抗する気力はなかった。

 言われたとおり、四つん這いで尻を突き出した。


「お、犯して……くださ……い」


 女としてあまりにも屈辱的な言葉を口に出す。

 すべては助かりたい一心だった。


「よく言えたじゃねーか。じゃあ、俺からだ」


 男の片方がジークリンデの尻を抱えこむ。


「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!」


 ジークリンデの絶叫が響き渡る──。




 二人の男にかわるがわる、都合六回、彼女は凌辱された。


「い、嫌……もう、許して……ぇ」


 もはや四つん這いになる気力すらなく、うつ伏せに倒れたまま懇願するジークリンデ。


「へへへ、じゃあそろそろ」

「終わりにしてやるか」


 男たちは下半身をむき出しにしたまま笑った。


(よかった……助かった……)


 ジークリンデはホッと安堵する。

 とにもかくにも、殺されずに済んだのだ。


「──えっ?」


 男の一人がいつの間にか剣を握っていた。


「ど、どうして……!?」

「終わりにしてやる、って言っただろ」

「そんな……!? 約束が違います……っ」


 ジークリンデは恐怖で顔をひきつらせた。


「たっぷり楽しませてもらったからな。もう用済みだ」


 男が剣を振りかぶる。


「ひ、ひいいい……」


 ジークリンデは全裸のまま這いずり、なんとか距離を取ろうとした。

 だが、とても逃げられない。


「死ね」

「──お前が死ね」


 男の声と、横合いから聞こえた声が重なった。


「……へっ?」


 そして、次の瞬間。


 すさまじい衝撃音ともに、男は剣を握ったまま吹き飛ばされていた。


「動けるか? 動けるなら、逃げろ」


 誰かが近づいてきた。


 声からすると、自分と同年代の少年だろうか。

 月明かりに照らし出されたのは、すらりとした体つきに漆黒のマント。


 同じく漆黒の髪に整った顔立ちの少年。


 その左目が赤い輝きを放っていた──。


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