第4話 大好きしりとり

 僕と真里亜ちゃんの中では大好きしりとりが流行った。こんなしりとりがきっかけであった。


大平純:「しりとりやるなら大好きしりとりやらない?」


羽生真里亜:「大好きしりとり?」


真里亜ちゃんは謎めいたように聞く。

大好きしりとりとは自分が好きなものを言うのである。


大平純:「じゃあ、僕から言ってみよう『あんこ』。


羽生真里亜:「『こんにゃく』。」


大平純:「『くじ』。」


羽生真里亜:「『純君』」って最後が『ん』で負けっちゃたね。じゃあ、今度は私から行くよ。「『焼肉』。」


大平純:「『クジラ』。」


羽生真里亜:「『ら、ラッキョウ』。」


大平純:「『運動会』。」


羽生真里亜:「『今』。」


大平純:「『ま、ま、真里亜ちゃん』。」


羽生真里亜:「純君大好き。」


 真里亜ちゃんは大はしゃぎする。


羽生真里亜:「大好きしりとりって遠回しの告白?」


 僕はなんか、緊張して体が固まってきた。


羽生真里亜:「純君。また固くなってる。なんでそんなに緊張するの?」


大平純:「慣れないよね。あんまり。」


羽生真里亜:「じゃあ、緊張ほぐしてあげるね。」


大平純:「え?」


 と、真里亜ちゃんは背中をバンと叩いた。


羽生真里亜:どう?緊張取れた?


大平純:意外といいみたい。


 と、2人の関係は一歩前進した。


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