第8話 はい。乙です。

どうしよう。

ってか、前住んでいた世界って、

地球のことだよね。

しかも、日本。


ってことはこの人も転生者なのかな…

本当は、誤魔化せられるといいんだけど…


「あの、陛下質問をしてもいいですか?」

「どーぞー」

「…前住んでいた世界と言うことは

 どういうことですか?」

 

「うーんよく分かんないんだぁ」

…どうしよう。

何が正解なのか分かんない。

この人の事を知らないんだ。

初めて会ったんだもん。

しょうがない。しょうがないんだ。


「…ちなみにここは、防音室だから、この三人しか聞いてない。言いたいことがあったら、いいな。

一人で抱え込むのは苦しいよ。」


あぁこの人は確信を持って言っているんだ。

でも、私から言ってほしいのか。


「…もう完敗です。

…凛、大空 凛と申します。

25歳で、死を迎え、ました。」

…どこまで言わすの?


「教えてくれてありがとう。

一人で怖かっただろう。

あんまり、無理をしないでくれよ。

俺は正直あんまり覚えていないんだ。

自分は誰で、どこで過ごして、どんな仕事をしていたか。」

「そうなんですか‥」

「でも、大空って大空財閥?」

「…そこは覚えていらっしゃるのですね‥

そうです。叔父様が当主をしていました。しかし、私は、出来が悪かったので‥」

もう帰っていいかな。

何がしたいんだろう。

お父様もなにも言わないし、

ミニヨルさんも無言のままだ。

「あ、あの、それよりも、

何故わかったのか参考までに聞いてもいいですか?」


「あ?

あぁ、だって流石におかしいからな。2歳の子が仕事をしているなんて…」


…ハハ

そうですよね…


「別にエマ、君が転生者だからって

何でもないんだ。

でも、困ったことがあったら、言いなさい。」


…うーん

これはすごい後ろ盾だ

「では、今一つお願いがあるのですが…」



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