第21話 避難所での話

「すまない、ここって、この辺の街の避難所って認識であってるか?」


取り敢えず、目の前にいる門番らしき人に声をかけることにする。


「えぇ、一応はそうなっています。ただ、正直限界が近いのが現状です。ここに来れている人はあまり多くはないので、食料等には余裕があるのですが、如何せん毎日のようにやってくる化け物に手を焼いていまして。日を追うごとに強くなるので、最初はどうにかなっていたものも、今ではかなり厳しいんですよ。」


大体は想定していた通りな感じのようだ。心苦しいが、ここに逃げるまでに…という人も多いのだろう。


「ふむ、やっぱりこっちのほうが敵は強いか。どうする皆、一狩り行くか。」


「えっ?皆さん武器を持ってらっしゃるので、まさかとは思っていたのですが、やつらを狩ってらっしゃるんですか?」


「あぁ、あいにく俺たちはそれなりに強いのでな。」


「では、無礼を承知でお願いします、私たちを強くしていただけないでしょうか。このままでは守れるものも守れません。」


「と言われてもな、現状どれだけの戦力がこの場を守るために動いていて、それぞれがどの程度戦えるのかに応じて返答が変わってくる。」


「今戦っているのは、私を含めて5人です。それぞれ武道などの経験はなく、ただただ、健康な若者で勇気のある人ってだけですね、自分で言うのもなんですが。一応、今後自衛隊から人員を派遣するとは聞いているのですが、ある時を境に一切連絡がつかなくなりまして。」


「あー、それはたぶん普通に回線環境が壊滅してるからだと思う。俺たちも通信系は完全に使えてない。」


ただ、俺個人に限っては[念話]があるから困ってはないんだが。


「そうなんですね、よかった。救援がないと、かなり厳しいので。あっ、申し遅れました、鹿山と申します。」


「俺は黒野武だ。」

「白崎隼人です。」

「赤坂…


そんな感じで取り敢えず全員の自己紹介が終わったところで、本題に入る。


「その様子だと知らなさそうだが、今この世界には、ステータスってもんができてる。それに伴って、レベルって概念ができた。俺たち人間が強くなるにはこれを上げるしかないな。」


「レベルって、RPGとかに出てくるあれですか?」


「そう、あれだ。あとはスキルや、称号ってシステムもあるが、どちらにせよレベル上げは必須だ。」


「確かにそういえば、化け物を倒した後に時々、頭にレベルが何とかっていう声が響いてきてましたね。それですか。」


「あぁ、それだ。とりあえず『ステータス』って言って、自分のステータスを確認してみてくれ。」


まぁ、俺も直ぐに見せてもらうのだが。




 名前:鹿山 裕太 種族:人

 Lv:4 次のレベルまでの必要験値:8

 SP:50

 HP280/280 MP24/24

 STR:24

 DEF:32

 INT:24

 RES:24

 DEX:16

 AGI:20

 LUC:42


【スキル】

 家事(II) 体力回復速度上昇(IV)



なんとも見るからに防衛向きのステータス。たまたまなのだろうが、素晴らしいことだと思う。

[体力回復速度上昇]に関してはどう言ったスキルなのだろうか。


〈純粋にHP及び体力の回復速度が上がるスキルです。便利ですが、スキルレベルが上がらないと戦闘時の効果は一切見込めないですね。マスターのようにMPに余裕があるなら[回復魔法]を使った方が便利ですね。〉


そういえば、体力とHPの違いはなんだ?


〈体力は運動した時の疲労などの度合いによって変わる隠しステータスです。HPは純粋にそのステータスの持ち主の生命力の指数のようなものです。減っていたら弱っている。最大の数値が高ければ生命力が強いと言った感じですね。〉


ほぉー、そんな違いだったのが。じゃあ、体力ってのはどうやったら上がる?


〈体力はHPと関連して上昇するので、普通にレベルが上がれば増えますね。あとは減らして回復しても増えます。トレーニングなどですね。〉


あー、やっぱりそういう感じか。トレーニングも始めようかなぁ。



☆☆☆

はい、またまた遅れました。もっと計画的に課題はすべきですね。

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