第9話 会社を目指して
さて、レベルがあがってステータスはどうなったのだろうか。
名前:黒野武 種族:人
Lv:49 次のレベルまでの必要験値:1
SP:380
HP2450/2450 MP235/245
STR:343
DEF:245
INT:245
RES:245
DEX:196
AGI:392(×2)
LUC:50
【スキル】
家事(V) 剣術(V) 速度上昇(I) 隠密(I) 鑑定(I) マップ(I) 敵感知(I) 物理軽減(I) 体幹強化(I) 回復魔法(I) 火魔法(I)
【ユニークスキル】
成長限界突破 必要経験値超減少 獲得経験値超上昇 スキル強奪
遞ョ譌城?イ蛹門宛髯占ァ」髯(ロック中)ナビゲーター
【称号】
先駆者 挑戦者 先駆け 高速
おう、軒並み伸びてる。いい感じじゃね。で、MPが10減ってるのは魔術の代償だろう。ゲームのようなものだと考えていいと思う。AGI:392(×2)の×2ってのは何なんだ?
〈それは、[高速]の称号の効果ですね。任意発動型で、発動中はAGIが2倍、まあめちゃくちゃ早く動けると考えていただいて。〉
ほぉ、便利じゃん。代償はない?
〈そうですね。しいて言えば、いつもの2倍ですので、慣れないと事故るといったところでしょうか。〉
じゃあ、普段から発動しておけば問題ないだろ。てか、よく見たら剣術スキルのレベル上がってる。やったぜ。
〈スキルは使えば使うほどレベルが上がりますからね。ガンガン使っていきましょう。ただ、一部のスキルは代償があるので注意が必要ですね。大抵はMPです、MP使い切るとだるくなるので、注意が必要ですね。〉
俺の持ってるスキルの中で、代償があるやつってどれ?
〈[速度上昇]と魔法2つですね。アクティブスキルの一部のみ、代償を必要とします。〉
へぇ。じゃあ、それ以外はガンガン使っていく感じでいいわけだ。
〈そうですね。そういえば、SPがかなり溜まってますが、スキルの獲得はしないのですか?おすすめは、[千里眼]スキルですね。〉
ふむ、どんなスキル?
〈離れた空間を距離や障害物完全無視で見ることができますね。ただし、少々多めにMPを必要としますが。私と同じく、ユニークスキルなので獲得は50ポイントと割高ですが、かなり便利ですよ。〉
ほぉ、それはいいな。ほかには候補はあるか?
〈あとはそれとセットで、[空間魔法]もおすすめです。こちらもユニークですが、スキルレベルがあるタイプなので、なるべく早い獲得をお勧めします。〉
[空間魔法]か、アイテムの持ち運びができたりは?で
〈できますよ。もちろん、時間を操るわけではないので、内部でも変わらず時間は流れますが。A○Kのインベントリを想像していただければ。〉
ふむ、他にできることは?あと、何で[千里眼]とセット?
〈スキルレベルが上がると、使える魔法は増えますからね。別の場所に単身で転移したり、もっと上がれば、ワープゲートを開いたり、ですかね。この、単身転移の時にあったほうが安全なんですよ。急にモンスターに囲まれたり、〚*いしのなかにいる*〛状態にはなりたくないでしょう?〉
まぁ、確かにそうだ。
〈あとは、空間そのものを切って、防御完全無視で攻撃したりといったところでしょうか〉
やべぇスキルじゃね?どう考えても。
〈空間を切り裂く魔法に関しては、不定形タイプの生物には一切効果がないですが。〉
それでもやばいでしょ。ていうか、[空間魔法]があるなら、[時間魔法]はないの?
〈ありますが、今は取得できませんね。進化できたら変わるかもしれませんが。〉
ほぉ、そこでも出てくるか、進化。で、結局進化って何なの?
〈簡単に言えば、自身の種族が変わるんですよ。今は〔人〕ですが、その人のステータスに応じて種族が変化し、一定のステータス特化型になるんです。レベルは1からになりますが、ステータスは引き継がれます。ちなみに、進化は普通一回です。〉
普通?なにか引っかかる言い回しではあるが、まあいいか。どんな種族があるんだろうか?
〈そうですね。
あ、やっぱり職人的な種族なのね。じゃあ俺は何だろうか、暗殺者っぽいステータスだしな、
〈確かにそれが近いかもしれませんね。〉
教えてくれんのか、けち臭い。
〈私にも喋れることと、喋れないことぐらいあります。アクセス権限がない、と言えば伝わりますか?〉
分かったよ、まぁ、今考えてもしょうがない。とりあえずレベルを上げればいいとだけ、思っておきましょうかね。
〈そうしてください。それで、スキルはどうするんですか?〉
とりあえずおすすめ二つかな、便利そうだし。
『スキル[千里眼]を獲得しました。』
『スキル[空間魔法]を獲得しました。』
おし、じゃあお試しがてら[千里眼]で、会社のほう、のぞいてみますかね。
♢♢♢
side:???
「ナニコレナニコレ⁉なんか夜勤明けで、仮眠から覚めたら会社停電してるんですけど!」
ある会社の、薄暗い廊下を一人の女性が歩いている。若い女性、二十代前半ぐらいだろうか。小柄で華奢なきれいな女性だ。
「仮眠前に作った資料、しっかり保存しといてよかったー。で、あの緑の人の形した生き物なに?あの気持ち悪い奴!しかも、今日ほんとは会社ある日なのに、誰もいないし!」
その女性は、独り言をぶつぶつ唱えながら、歩いていく。
その後、ある時”ナニカ”にぶつかった。
「あ、ごめんなさい!って、ヒィ!」
そのぶつかった”ナニカ”は人ではなかった。常人より、一回りほど大きな体躯を持つ、鬼のようなナニカ。そのナニカは、彼女に気が付くと、その手に持つこん棒で、彼女に殴り掛かった。
彼女は逃げるが、小柄な彼女と、大柄な鬼のような生物では、一歩に進む距離が違う。しばらく逃げた後、一発を腕にもらってしまうが、何とか安全そうな場所に逃げ込めた。
「なんなのよあれっ。っ、痛い・・・。」
一発もらった腕が腫れていて、ズキズキと痛む。骨折しているらしい。
「誰か助けてよ…。」
彼女は小声でそうこぼすが、その声を拾えるものは誰もいない。
side:??? end
♢♢♢
「おおう、かなりやばそうなのいるじゃん。」
「武、どうしたんだ?」
親父が、訝しげにこちらに話しかけてきた。
「いや、新しく獲得したスキルで会社のほうを見ていたんだが、生きている人は、二人かな?一人は場所からしてあの人だろうが、もう一人は分からん。」
「それで、なんか強そうなのはいたのか?」
流石ファンタジー好きなおじさんなうえに、バトル大好きなだけはある。生存者の情報より、敵のほうの情報ばっかり欲しやがる。
「ああ、鬼が二体ほど。見るだけで強いのがわかる。」
〈そうですね。
やばそうだな。じゃあ、急いで向かうか。あの人を見殺しにするのはさすがに後味が悪い。
「親父、白崎、なるべく急ぐぞ。とりあえず、一番レベルと、AGIが高い俺が先行する。あとからついてきてくれ。親父は白崎に案内してもらってくれ。」
「了解。」
「俺の分の敵も残しといてくれよ?」
「親父が間に合いそうならな。じゃ、先行ってくる。」
そういって走り出した。それと同時に、[高速]を発動させる。一気に速度が上がり、自動車並みの速度が出ているように感じる。しかも、ほとんど疲れない。レベルアップの成果だろうか。
そんなことを考えながら、一心に走る。
何とか間に合ってくれよ!
会社まで、あと五キロ。
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