第4話 称号
「とりあえず、車に乗っていけるところまで行くぞ。」
「この感じだと結構すぐに道ダメになりそうだが大丈夫か?」
「距離としては、20㎞ぐらいだからいざとなったら歩くつもりだ。それに俺の車は四駆だ。多少の無茶はできるだろ。」
そういって、俺の車に乗り込むとすぐに走り出した。
その後20分ほど走った後、道が完全にふさがれている場所に出たので、仕方なく車を降りることにした。
「あと半分ちょいだな、歩くぞ。」
「うぇ、10㎞も歩くのかよ。」
「大丈夫だ。2時間以内には着くさ。っと、モンスターのお出ましか。」
車を道端に止め、歩き出そうとしたとき、すぐ近くからモンスターのものと思われる鳴き声がした。そちらを振り返ると、ドーベルマンのような姿をした、化け物がいた。
〈あれはハウンド・ドッグですね。素早さが売りのモンスターです。ゴブリンより若干強いですが、そんなに脅威じゃないでしょう。因みに、私はマスターのスキルの一部を行使できる権限がありますので、これは鑑定を使った正確な情報ですよ。〉
何故その権限のことを事前に伝えない!まぁいい。とりあえずはあいつの相手に集中だ。
「白崎、下がっててくれ。殺ってくる。」
「おう、言われなくとも下がってますよっと。」
白崎が下がったことを確認し、竹刀を構える。相手も同じく、戦闘態勢に入ったようだ。速さが売りらしいので、しっかりと構え、カウンターを狙う。ハウンド・ドッグは跳ねて首筋に目掛け跳びかかってきた。噛みつかれる前に相手の腹に竹刀を打ち込み、払う。しかし、そのまま落ちるのではなく、しっかりと体勢を整えて着地した。
「ちっ、ゴブリンとは違うってか?」
〈いえ、マスター。ハウンドドッグは速度が高く、攻撃に当たらないととに特化しているので、防御力は紙ぺらです!あともう一回あれば余裕で倒せます!〉
その後すぐに跳びかかってきたハウンド・ドッグにもう一度カウンターをかますと、ぐたりと倒れ、いつもの声が響いてきた。
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
今回は9レベル上がったらしい。まさに成長チート様様である。
『スキル[速度上昇]を強奪しました。』
今回はスキル強奪も発動したらしい。
〈スキル強奪の発動率は基本的に100%です。ゴブリンの時に発動しなかったのは、単純にゴブリンがスキルを持っていなかったからでしょうね。〉
ほー、そうなのか。ゴブリン戦の話で思い出したんだが、称号ってあったよな。あれって何か効果あるの?
〈ええ、称号によって効果は異なりますが、パッシブ効果があったり、獲得時に、スキルが貰えたりするらしいですよ。時々おふざけ称号もあるみたいですが。因みに、マスターの持つ称号は全部優秀な効果がありますから安心してください。〉
例えばどんな?
〈[先駆者]なら、レベルアップ時の獲得SPが増えます。[挑戦者]なら、格上の相手に対して挑むとき、ステータスに補正が乗ります。[先駆け]は、初撃の威力が上がるそうです。〉
ほう、全部優秀だな。ほかに称号を獲得するための条件ってわかったりする?
〈ダンジョン攻略でもらえるかもしれません。あとは、ボス討伐とか、そんなところでしょうか。〉
ダンジョンなんてのがあるのか。それは驚きだ。完全にゲームだな。なんで急にこんな世界になったんだ?
〈それは私には答えられない情報のようです。すいません。〉
そうなのか、まぁ分からないものを悩んでもしょうがない。とりあえずは生き残ることを考えよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます