【人助け】

ひとだすけ】


「人助けをして得られるものは小さな満足感だけなのかも知れない。」


そう、誰かが言った。

俺は答えた。


「人助けをして得られるものなど何もない。だからこそ俺は人を助けたい。」


何かを得られるならば人なんか助けたいと思わない。

人が嫌いで嫌いで嫌いで好きだ。

人が好きで好きで好きで嫌いだ。

俺は言った。


「何の意味もないからこそやってみたい。意味や理由など必要ない。ただ、結果だけが残る。それだけでいい。」


誰かが俺に訊いた。


「それは人生の話かい?」


俺は答えた。


「人生とは人助けだ。自分として生きる事もまた人助けだ。」


自分を助け、他人を助け、いつか死ぬ。

それだけでいい。

自分を助けられるのは自分だけ。

他人を助けられるのは他人だけ。

自分も誰かの他人。

他人も誰かの自分。

自分を助けてやればいい。

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