入口②
「クソっ!これマジで開かねぇぞ!」
力自慢のりおが開かない扉に突進するがびくともしない。
「まるで、ホラーゲームみたいな展開だな...」
ふと、石山が呟いた。
「確かに、こんな森の奥の屋敷に入って帰れなくなるってよくある展開だもんな...」
「でもそんなの現実的に考えてあり得ないだろ」
「でも実際に植村が凄い怪我してるじゃん」
「一先ず、ここからは出られないんだから別の出口を探すしかないよな」
「よし、じゃあ進むか」
と、そんな事を話していると松本が何か不思議なものをを見つけたようだった。
「これは...」
「おい松本~置いていくぞ」
と、アキラに呼ばれたので「それ」をポケットにしまって後を追いかけた。
「でも出口を探すって言ったって、どこにあるんだよ」
りおが不思議そうに尋ねた。
「確かに、こんな無駄に広い屋敷適当に探しても絶対見つからないよな」
と、周りに目をやる。
いくつもの死体のようなものが転がっていて、普通なら冷静を失ってもおかしくない状況だがそれに慣れてしまった自分が怖いなと永石は思った。
「てか、なんでこんなに死体があるんだ?」
松本が皆の疑問を代弁するように言った。
いや、正確には「言えなかった」のだ。
「それ」を聞いたらいけない様な気がしたからだ。
言ったら最後何者かに呪い殺される、そんな予感だ。
だが、松本は非現実を信じない人間だったため、躊躇うことなく口にしてしまったのだ。
「ほ、ほら部屋があったぞ」
永石が遮るように目の前に現れた部屋の扉の取っ手に手を乗せる。
―――ふと外に目をやると、一等星が不気味に輝いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます