第10粒「実話~ベッドの下~」

 あなたは、こんな都市伝説を聞いたことがあるだろうか?


『部屋にあるベッドの下に何者かが潜んでいる。』


 この都市伝説は、様々なパターンがある。

 例えば、その舞台。

 一人暮らしの女性の部屋というのが一番多いが、中には子供部屋のベッドの下というものもある。

 そして、登場人物。

 これも主人公は一人暮らしの女性が多いが、ベッドの下に潜むモノのには様々なパターンがある。

 殺人鬼、異形の怪物、死体、


 そんな都市伝説『ベットの下』について、パターンを紹介しよう。


 実話なので、ベッドを使っている方は、あなたの身にもと心して読んでもらいたい。


 これは、2020年から遡ること22年前。

 1998年の出来事を小説風にアレンジした物である…





(頼む!頼むから早く出てってくれ!)


 独り暮らしをしている中山なかやま(仮名)は、にいた。



 その日、中山が自分の住んでいるマンションの部屋に帰ってくると、閉めたはずの玄関の鍵が空いていた。

 ならば、閉め忘れで済むだろうが、問題はそれだけではなかった。

 中山が部屋に飾っていたをいれた写真立てが倒れて床に落ちていた。

 自然に倒れるような物ではなかったので中山はを疑った。


 空き巣を疑った中山は、最初にトイレやクローゼットの中など、空き巣が隠れそうな場所を確認した。

 臆病な性格の中山は、空き巣をのではなく、がために確認していた。

 最後に寝室のベッドの下を確認するときに中山は緊張した。

 その理由は、部屋の主が家に帰ったときに空き巣はまだ帰ってなくて、と言う都市伝説を聞いたことがあったからだ。


 中山が、床まであるシーツを捲ってベッドの下を覗き込むと、そこには誰もいなかったが、ベッドの奥に少し前に彼女が無くしたという指輪を見つけ、それを取ろうと中山がベッドの下に潜り込んだその時、玄関のドアが音がした。

 大抵の玄関のドアはのだが、中山の住むマンションのドアもそうだった。


「……明かりでんき点いてるから帰ってるはずなんだけどなあ……」


 その声に中山はにされた気分だった。


(女だ!知らねえ女が俺んに入って来た!)


 相手は腕力ならの中山よりも劣るであろうだったが、臆病な性格の中山はベッドの下に隠れたまま様子をみることにした。

 その時、中山は自身がベッドシーツを捲ったままなことに気がつき、シーツを元に戻して僅かな隙間から目を凝らしていた。


 洗面所やトイレのドアを開閉する音がした後、女の足音が寝室へ向かってきた。


にもいない…」


 女は中山がことにがつかなかった。


 女はベッドの上に乗っかり何かをし始めた。

 中山の上でベッドがと軋んだ。

 同時にという聞きなれない音がベッドの上から繰り返し聞こえてきた。


(頼む!頼むから早く出てってくれ!)


 中山はベッドの下で震えながら祈るように手を合わせていた。


「………戻ってこないなあ…」


 暫くベッドの上で何かしていた女はそう言うと寝室を出ていった。

 数分後、玄関のドアの閉まる音がした。


 中山は玄関のドアの音を確認すると直ぐに携帯電話から警察へ連絡し、電話口の指示に従いチェーンロックをかけると玄関で警察を待った。

 警察は10分ほどで来た。


 警察と共に調べた結果、台所に置いていた包丁が1本なくなっており、ベッド上に置いてあった枕などの寝具はその包丁と思われる刃物で切り裂かれになっていて、洗面所には女のものと思われる大量の状態で残されていた。

 中山の聞いたという音は枕などを包丁で切り裂く音だった。


 その数日後、女は再び中山の家に来たときに逮捕された。

 そして、逮捕後の女の供述で犯行内容が発覚した。


 女は中山がベッドの下に隠れていた日、部屋に来ていた。

 一度目は中山がいないときで、で部屋に入った女は直ぐに台所の包丁を手に持ち、中山が帰宅したら一緒に死ぬつもりで明かりも点けずに居間で待っていた。

 倒れていた写真立てはこの時にものだった。

 しかし、中山が帰ってこないため近所のコンビニに行って公衆電話から中山の携帯に電話をしたが繋がらず、その日は帰ろうとしたが、帰り道に中山の部屋があるマンションの前を通った際、窓から漏れる明かりで帰宅したと思い、もう一度中山の家に入った。

 が、この時も中山の姿はなく、帰るときに洗面所で自分の髪の毛とてのひら、それを残して出ていった。

 中山は女とは面識がなく、女の持っていた合鍵は前に中山が鍵を閉めずに寝ている間に部屋に侵入し、玄関に置いてあった鍵を持ち出して複製したものだった。

 女はこの合鍵を使い、何度も部屋に入っていたが、特になにをするでもなくを楽しむだけで満足していた。

 しかし、二日前に時に中山が彼女を連れて帰ってきたため、が、そこでベッドの上での二人のやり取りを聞き、殺意を覚えた。

 というのが、女の供述だった。


 女は空き巣ではなく、中山のストーカーだった。


 女は中山が二日前、二日後の中山と同じくいた。





 どうだっただろうか?


 この話は、である。


 ストーカー女がベッドの下に隠れた二日後、ストーカー男は同じ場所に隠れていて難を逃れた。


 面白い偶然だと思いませんか?


 最後にこの話の主人公である中山が警察から言われたことを書いておきます。



「中山さん、良かったですね。犯人が計画的ではなく、細かいことに気がつくタイプでもなくて。もし、犯人があなたの携帯電話に連絡をしに行くときに写真立てを元に戻して部屋の鍵を掛けてから電話しに行っていたら、中山さんはにいたため、戻ってきた犯人と対面していましたよ。あと、戻ってきたときに犯人がに気がついていたら間違いなく部屋の中にいるのがバレてしまい、いずれ見つかっていましたよ。」



 ではまた、機会があればこういうをお聞かせします。








































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