第2粒「心霊好きな彼女」
突然だが、俺の彼女の話を聞いて欲しい。
俺の彼女の名前は永野美波(仮名)という。
美波は可愛い。
とにかく可愛い。
顔は俺の好みどストライクだし、性格も良いし、勉強も出来て、格闘技をやっているから凄く強いし、料理上手な上に男の顔を立てることも出来る。
もうほとんど
ただ1つ、趣味を除いては…
俺の彼女はトンでもないことを趣味にしている。
それは、心霊スポットに泊まることだ。
さすがの俺も最初にそれを聞いたときは引いた、つかドン引きした。
これは、そんな俺の可愛い彼女が話してくれたことだ。
その日、美波は神奈川県のレ○ンボーブリッジとして有名な橋に行っていた。
そこは、昼間は景観が良くて観光スポットとしても知られている橋だ。
無論、美波はそれには一切興味がなく、その橋の裏の顔を確かめに行っていた。
その橋は、絶景に反して自殺の名所として有名だという。
美波曰く、自殺の名所は絶景が多いらしい。
昼間の絶景など全く興味がない美波は、夜になると橋へ向かい、寝袋とスマホとランタンライトだけを持って、その橋の中間地点辺りで泊まろうとしていた。
美波が寝る前の自撮りを済ませたときだった。
バシャン…
不意に橋の下にある湖へ何かが落ちた音が聞こえた。
もしかしたらと思い、周囲を散策してみたもののそれらしき痕跡は無かったため、また同じところへ戻って眠ろうとしていた。
バシャン…
バシャン…
バシャン…
バシャン…
(また?何なのよ…全く。)
正直、
バシャン…
バシャン…
バシャン…
バシャン…
眠るときも相変わらずその音は続いていたが、美波は魚が跳ねている音だと思って気にしていなかった。
そして、翌朝になると、周囲が明るくなってきたため、橋本来の魅力である絶景が目に入り、一応その絶景を背に自撮りをして帰ってきた。
帰ってきた美波は何もなかったことを残念がりながら俺にその自撮り写真を見せてくれた。
その橋での自撮り写真は夜も朝も普通に美波が可愛いだけの写真だった。
「ね~、何も写ってないでしょ?寝る前からは魚の跳ねる音がずっとしてるから
美波は残念がりながらも、誰かの最悪の事態が起きてなかったことに安堵していた。
しかし、俺は昼間の自撮り写真を見て気が付いてしまった。
この高さから下の湖で魚の跳ねる音が聞こえるハズがない。
その橋で過去に起きてきた事実を考えたとき、その音の正体が何となく予想はついたが、怖いので俺はそれを言うことはしなかった。
真偽は定かではないが、出来れば、その音の正体が、過去の出来事とは全く関係ない、魚が跳ねる音であって欲しい。
ちなみに、美波はいつもあからさまなこと以外は何も気が付かないことが多い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます