第37話 新しい人とは
メイと別れて、俺はまだミリエンにいた。
ミリエンにいる理由としては、燐が合いたい人がいるからという事だった。
「その、会いたい人ってどこにいるの?」
「えっと、その人は森に住んでるのー」
「も、森?......というか、ミリエンに森ってあった?」
「うん、それがあるのだー!」
「......そっか」
なんか、あんまり森があるっていうイメージがわかないが......まあ、着いたら分かるだろう。
「森に住んでる理由としては?」
というか、人が森に住んでいるっていうのが分からないのだが......。
「たしか......その人って結構特殊でさ、その、なんか知らないけど、森じゃないと嫌だとか言ってたんだよね......」
「......森が故郷とか?」
「うーん......まぁ、後で聞けば分かるんじゃないかな?」
「そうだね......」
結局の所、森に住んでいる理由は分からないらしい。
「森って......あれ?」
数分歩くと、遠くに見える森の入口があった。
「たしか、あれだった気がする」
「たしか?」
「うん、というか、あんまり会わないからさ......」
「そうなんだ......」
そもそも、ミリエンに来る理由としては、メイに会うぐらいしか俺には無い。
「いるかな......?」
俺と燐は、その森の中を進んでいく。
「ここって、モンスターとかって出るの?」
「いや、出てこないはずだよ。なぜかというと、その人がモンスターを出させないようにしているからね」
「へぇ......なんかモンスターが出てこなくて逆に怖い」
「あははっ、大丈夫だってー」
「まあ、燐が言うなら......」
会話を交えつつ数分歩いた。
数分歩くと、家らしきものが見えてきた。
「あ、あった」
「もしかして......あれ?」
「うんそうだけど......今日はいるかなー?」
「というか、その人って、いつもどこに行ってるの?」
「そうだなー、いつも違う所に行ってるから......例えば、近くの川に行ったり、木登りしたりー......家の中にいたりかな」
「その人って......男?」
「ううん、普通に可愛い女の子だよー」
......基本的に、俺の周りにはロリしかいない。
なんでだろ。
まぁ、別にロリでも良いけど......。
「多分......お兄ちゃん好みじゃないかな?」
「俺好み?」
「ちっちゃいってこと」
あー......なるほど。
ほんとに小さいとは。
「そ、それで......この子が?」
「うんっ、この子は、ソラだよ」
「は、初めまして、ソラと言います......よろしくお願いします......」
なるほど、礼儀はいいんだな......。
見た目は、ほんとに小さい。
メイとあんまり変わらない気がする。
「元々は、奴隷として扱われてたんだって」
「奴隷?」
通りで、おとなしいと思った。
......奴隷生活の事、気にしてなきゃいいんだけど。
「は、はい、元々は、奴隷としてご主人に仕えていましたので......そ、その......あ、あんまり痛いのとかはちょっと......」
ソラは、ちょっと泣きそうな顔でいう。
......奴隷生活で何が。
多分、痛いのとかやられたのだろうな......。
というか、奴隷ってそう言うものだと俺は思っているのだが......。
「......あ、あれ、その傷は?」
俺は、ソラの右腕に火傷のような傷があることに驚いた。
「あ、あはは、これは、昔のご主人に......」
ソラは、今だから笑っているが、絶対痛かったんだろう。
「そっか......それは......」
俺もどう言ったらいいのか分からなくなってしまった。
「あ、別になんともないので、お気遣いとかは気持ちで十分ですから」
ソラは、笑いながらそう言う。
「そうだもんねー、色々と怪我とかやられたりしたもんね」
「ま、まあ......はい」
ソラの事を簡単に説明すると、元々は奴隷として生活していたらしい。
見た目は、ミリエンにいるメイとほぼ同じくらい小学生の見た目。
そして、名前と同じなのかは分からないが、水色のショートヘアー。
これこそ、ロリと言った物なのか......いや、燐も可愛いけど......。
「と、とりあえず、家の中入ります?」
「あ、うんっ、お言葉に甘えてー」
「あ、俺もじゃあ......」
俺と燐は、ソラの後をついて行った。
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