第32話 アークにも教会はある......?

「あったかい......」

お兄ちゃんが寝てから、10分以上が経った。

お兄ちゃんはなんか寝言を言ってるみたいだけど......。

「どうしようかな......」

このままお兄ちゃんを寝させてあげてもいいけど、折角雪が降ってるんだから、お兄ちゃんと一緒に遊びたい。

「はうぅ......っ」

しかも、イリアまで寝ていた。

なんかイリアに関しては喘ぎ声みたいな声を出してるし......。

「......どうしたらいいんだろ......」

私は、このまま起きていても意味がないと思いお兄ちゃんと一緒に寝てみた。

「......寝れない......」

なぜか寝れない。

ベットでは、お兄ちゃんと一緒にいつも寝ているのに、炬燵になるとなぜか寝れない。

「はあぁぁ......なんでだろ......」

考えても、その原因は分からないまま。

とりあえずお兄ちゃんが起きるまで暇なので、私は一度部屋に戻り、厚着の服を着て外に出た。


「わぁ、すごい雪......」

外に出ると、あたり一面は雪で真っ白になっていた。

「去年はこんな風にならなかったのにな......」

私はなぜ外に出たのか?

勿論、行く理由はある。

「それじゃあっと......」

私はアークにある教会まで歩いて行った。


「おーい、フィース?」

「なんでしょうか?」

「あ、いたんだー。どう、教会ってのは?」

「そうですね......まあ、掃除とかもちゃんとやってますし......」

「それは良かったよ」

教会内にて。

教会は、基本的にフィースという人というか、幽霊と言うか。

とりあえず教会はフィースに任せている。

例えば、教会の掃除とか......教会宛に届く、書類とかを片付けてもらったりしている。

一応、女神だからさ私......。

「あ、そうだ、燐様宛に書類みたいなのが届いておりまして......こっちです」

「えっ?私宛?」

私はフィースの後をついて行った。

「これなんですけど......」

そして連れられたところは、小さな部屋。

基本的には、ここに書類や手紙なんかが来るようにしている。

「これは?」

私はフィースからもらった書類に目を通してみる。

「さぁ?僕も分からないんですけど......」

「......ふーん、いつものか......」

「は、はい?いつものとは......?」

「ほら、いつもこんな書類来るでしょ?」

私はフィースにその書類の中身を見せてあげた。

「あ、あー、なるほど......じゃあ、いつものようにして良いんですね?」

「うん、いいよ。あ、最後の文にさ――って書いてほしいんだけど」

「あ、はい、分かりました。明日頃には多分届くと思うので」

「はーい、それじゃあまたねー」

「は、はい!そ、それでは!お元気で」

「はいはーい」

そして私は教会から出て家に戻った。


「ただいまー」

すると、玄関の方から燐の声が聞こえた。

「おかえり......って、どこ行ってたの?」

「えっ?あ、ええと......ちょっとね......」

「......?」

はたして燐はどこ行ってたのだろうか。

まあ別に何かあったって訳じゃないから、それはそれでいいんだけど......。

「それじゃあ、この後温泉にいこーよ。あ、イリアもどう?」

「温泉~?お兄さんが行くなら~」

眠そうな表情で言うイリア。

というか、さっきまで寝ていたのでまだ頭が冴えていなかった。

「まあ......良いけど......」

俺は温泉に行くことには同意した。

「それじゃあ、いこー」

燐は俺の腕を引っ張る。

「え、え?今から?」

「うんそうだけど......」

「......じゃあ行きますか......」

俺は寒いのに耐えつつも、炬燵から出る。

炬燵から出ると同時に、イリアも出てきた。

その後、俺は厚着を着て前にも一度行った温泉に行くことになった。





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