第31話 異世界での冬とは
「さむっ!?」
朝、目が覚めると、俺は寒気を感じた。
「んんっ......すぅ......」
隣を見て見ると、可愛い寝顔の燐がいた。
「うう、寒い......寝るか......」
寒さのせいで俺は、2度寝をしてしまった。
「お兄ちゃんってば、起きてよー」
「うぅ......寒い......」
2度寝をし、燐に起こされるという始末。
俺は燐に起こされたが、それでも布団からは出ようとしなかった。
「ねぇねぇ、今日は、温泉にでもいこーよ!」
「あ、ああ、温泉ね......いいかもしれない......」
「でしょー?だから、早く布団から出てよー」
「そ、そうは言うがな......でも、出たくない」
「えー、なんでー?」
「寒いからだよ......ていうか、燐は寒くないのか?」
俺は布団から出たくないんだけど、それよりも燐について気になった。
「えっ?あー、うんっ、大丈夫」
「すごいな......」
燐は長袖に、タイツを穿いていたのだが......それでも、寒そうに見える。
「......」
「お兄ちゃんどこ見てるの?」
「あ、いや......タイツ穿いてるの見たことないなって」
「あー......お兄ちゃんって足が好きなの?」
「どうしてそうなる......」
実際の所、俺は足は別に好きでもないし嫌いでもない。
というか、足に愛着が湧くことに疑問がある。
「というか、足と言うより燐が好きなんですけどね......」
「ふひひっ、私もお兄ちゃんの事大好き!」
「......はぁ......」
そして毎度のことながら俺の上に跨る燐であった。
「寒い......」
布団から這い出た俺は、リビングにて炬燵の中で燐と一緒に温まっていた。
「んにゃー♪」
「こっちは猫か......」
燐は猫のマネをして、俺に抱き着いてくる。
そして何もすることも無く時間だけが過ぎていく。
というか、今まで知らなかったんだけど、異世界にも猫とかっているんだな。
「見て見てお兄ちゃん!雪降ってるよ!」
と、燐がはしゃいだような声を出す。
俺は窓の方を見て見ると、たしかに雪が降っていた。
異世界でも雪って降るんだな......。
「ああ、そうだな......」
雪は降っているけど、俺は一向に炬燵から出ようとはしなかった。
「おっはよ~」
すると、玄関が開く音が聞こえ、俺は玄関の方を見ると、レインコート的なのを羽織った銀髪美少女のイリアが家の中に入ってきた。
「うおっ、どうした急に......」
「えっと~、今日はお店休みだったからお兄さんの家に来ちゃった~」
暇だったからという事か。
「わ~、炬燵だ~、入っていい?」
「あ、うん、いいけど......」
すると、イリアは荷物を降ろし、俺の隣に来て炬燵に入った。
「はぁぁ、あったか~い!」
「おー、イリアだー」
「あ、燐いたんだ~」
「そりゃあそうでしょ、だって私の家なんだから......」
さて、いつものメンバーが揃ってしまった。
いや別に、揃わない方がいいとか思ってないからな。
「ふぁぁ......まだ眠い......」
俺はそのまま炬燵の中で寝ようとした。
「んっ、お兄ちゃん寝るのー?じゃあ、私もー」
そして、俺の胸の上には燐の頭が。
「ん~、あたしも~」
そして、俺の右脇にはイリアが。
「......この体勢で寝ろと......?」
うん、悪くは無い。
むしろ、良い感じ。
燐の小っちゃい胸と、イリアの小っちゃい胸が当たってくる。
それほどでもない胸が、今となっては脅威である。
「......寝ずらい......」
寝ずらいけど、ロリ美少女と一緒に寝れるなんて今ぐらいしかないだろう。
「お兄ちゃん寝ずらいのー?だったら、マッサージしてあげるー」
「あっ、あたしも~!」
なぜか、二人の美少女にマッサージをしてもらう事になってしまった。
それと、二人が俺を必死に取り合っている感じ。
......どう収束したらいいのか。
あまり力が入ってないのに、なぜか気持ちいい。
これが、ロリの力なのか。
よく分からん。
というかなぜ俺は、なされるがままになっているのだろうか。
「どうかなー?気持ちいい?」
「え、あ、うん......」
「あ、あたしは~?」
「う、うん、イリアも気持ちいいよ......うん......」
この状況は一体。
俺は、どうしたらいいか分からないまま寝落ちしてしまっていた。
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