第29話 イリアとデート......?

翌日。

朝起きてすることは、

「わっ、もぅ、お兄ちゃんってばー」

燐のおっぱいを触ること。

「なんか最近、エッチになってない?」

「なってないなってない」

「むぅ......」

燐はぷくぅっと頬を膨らましている。

その光景はなんとも可愛いものである。

「こんな胸触ってて楽しいの?」

「うん、楽しい」

「そう、なんだ......へぇ......」

燐は自分の胸を見ている。

「ずっとこのまましてていい?」

「さ、さすがにずっとは......ダメっ」

おっと、燐にちょっと怒られてしまいました。


俺が朝向かった先は、イリアの店......なのだが、なぜか今日はやっていなかった。

「定休日......どうして」

イリアの店の扉には、『定休日』という張り紙が貼ってあった。

「......家行くか」

一応、イリアが住んでいる家は知ってはいる。

なぜかって?

......なんでだろう。

たしか、燐から教えられたような気が......。

まあとりあえず、俺はイリアの家に向かった。


イリアの家に着いた俺は、早速インターホンを押した。

そして数秒後、扉が開いたと思ったら......なぜか、バスタオル姿の銀髪少女イリアがいた。

「あ、いらっしゃ~い」

イリアは笑顔で俺に言ってくる。

その顔はすごく可愛らしい。

でも、この状況なんだ。

「それで~、今日はどうしたの~?」

ゆっくりと柔らかい口調でいうイリア。

「あ、いや......その、元気かなって」

「見ての通り元気だよ~、良かったら入ってく~?」

イリアは、家の中に俺を入れようと手招きしてくる。

「あ、うん......お邪魔します......」

「どうぞ~」

イリアとすれ違う時、ふとシャンプーのいい香りがした。

「......もしかして、風呂上りだったりして......?」

「うんっ、そうだよ~」

それはそれでヤバいだろ。

「というか......その格好......俺じゃなかったら、絶対やばいって」

「えっ?あ、あははっ、そうだね~」

笑いながら言うイリア。

「まあでも、お兄さんだったからいいでしょ~?」

「うーん......そういう問題でもない気がするのだが......」

とりあえず俺はイリアの家の中入って行った。


「はいどうぞ~」

俺はリビングでテーブルがある所に座った。

イリアはまだタオル姿のまま、俺に飲み物を出してきた。

タオル姿なので、ちょっと姿勢を間違うと、それほどではない胸が見えてしまう。

それはそれでいい......って何の話だ。

「......ど、どうも......てか、服着ないの?」

「あ、着るけど~、お兄さんがいいならここで着替えてもいい~?」

するとイリアは、俺の返答を聞く前からなぜかタオルを取ろうとしていた。

「待て待て待て待て!」

俺は自分の視界をさえぎるため、両手を突き出した。

「ダメ~?」

「う、くっ......」

イリアはねだるように甘えた声で言ってくる。

正直な所、俺はイリアのおっぱいは見たい。

でも、そんなことは許されるはずがない。

残念だが、さすがにそれは出来ない。

「......あ、あの、だ、ダメです......」

「どうして~?」

「どうしてって......いや、正直な所、俺はイリアの裸は――って違う......あの、そんなことをしたら色々とダメだから......さ」

「うーん......?よく分かんないけど、お兄さんが言うなら......」

するとイリアはどこかへと行ってしまった。

「......傷つけたかな......?」


そして数分後。

「お待たせ~」

背後から、明るくゆっくりとした口調のイリアが出てきた。

「あの......さっきはごめん......」

「えっ?何のこと~?」

イリアは笑顔で俺に聞き返してくる。

「いや、その、ダメって言ったから......」

「あー、大丈夫だよ~、むしろあたしの方こそごめんね~」

どうやらイリアに傷つけてはいないようだ。

ちなみに、イリアの服装は、ヒラヒラがついたスカートに、半袖を着ていた。

「その、これからなんだけどさ......」

「うんうん、どうしたの~?」

俺は昨日、燐に言われたことを思い出した。

イリアはテーブルに肘をついて、手の上に顎を乗せて身を乗り出してきた。

「って、顔近い......」

この距離だと、イリアの息遣いが感じられた。

「おっと......それで~?」

「あ、そうそう......その、言いづらいんだけど......」

俺は燐が言っていたことをイリアに伝えなくてはならない。

『イリアとデートして来てよ』って燐に言われたんだ。

だから、早く言いたい。

でも、言うのが怖い。

「どうしたの~?」

ずっと笑顔で俺を見てくるイリア。

......これだから、俺はロリに勝てないんだよなー......。

「その......俺と、今からデートって出来る?」

「......?」

するとイリアは、その意味が分からないように首をかしげていた。

「デート......?あっ!デート!?」

数秒後、イリアはその意味が分かったようだ。

「えっ!?あ、あたしでいいの!?」

イリアは、嬉しそうに身を乗り出してきた。

「あ、うん......どう、かな......?」

「いくっ!絶対行く~!」

「そ、それは良かったよ......?」

俺はこんなにも嬉しそうにしているイリアは初めて見た。

しかも、こんなにもはしゃぐとは思わなかったので、内心びっくりしている。

「それで今日来てくれたの~?」

「え、あ、まあ......っていうか、今日店行ったんだけど、やってなかったから......」

「あ、それね......今日は、なんか疲れちゃったから休暇を取ろうと思って~」

「あ、そうだったの?じゃあ、デートしない方がいい......?」

「な、なんでっ!?」

すると今まではしゃいでいたイリアは、逆にびっくりしたようになっていた。

「あ、いや......その、休暇が取りたいなら......その、無理にとは言わないよ?」

「や、やだっ!行きたいっ!」

小さな子供が、行きたいところに連れてって行ってもらえなかったような感じに似ている。

別に、イリアの事を子供っぽいとかって思ってないぞ?

もしも、子供っぽいって思ってたら......それは良い意味でだな......。

「じゃ、じゃあ......行きますか」

「うんっ!」

そして、右腕にはイリアが抱き着いている状況で外に出た。










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