第24話 花火大会後

「花火、楽しかったな」

「うん、すっごく楽しかった」

花火大会から帰宅した俺と燐。

俺は燐の部屋にて、机を挟んで燐と向かい合っていた。

燐はもうすでにパジャマ姿だった。

「屋台の食べ物はちょっと俺の口には合わなかったけど......」

「あははっ、そうだね......ねぇ、いつかお兄ちゃんの世界にも私を連れてってよ」

燐は俺の顔を見ながら言う。

「そうだな......いつになるかは分からないけど.....でも、連れて行ってもいいよ」

「ほんとっ!?私、お兄ちゃんの世界の食べ物気になるからさ」

燐は瞳をキラキラさせながら言う。

やっぱり燐は、無邪気でいい意味で子供っぽい。

そんな子が俺の妹でいいのかと疑問になるところである。

「............」

「............」

それから数秒間の沈黙が続いた。


「あ、あの......」

数秒後、口を開いたのは燐の方だった。

燐はなぜかモジモジしながら下を向いていた。

「どうした?」

「あっ、えっと......」

中々次の言葉が出てこないらしい。

でも俺は、燐が何か言うまでじっと待っていた。

「......お、お兄ちゃん!」

「うわっ!?」

すると燐は、がばっと顔を上げると俺の方をまっすぐ見た。

燐の顔は少し赤くなっていた。

「え、ええと......?」

俺は混乱するが燐は俺の方を見ているままだった。

「......あ、あの、お、お兄ちゃんは......わ、私の事好き?」

燐は急にそんなことを言い出した。

もちろん燐の事は好きだが......でもなんで自分で言うのか?

これは......。

「あ、う、うん。燐の事は好きだけど......でもどうして?」

「あ、いや、その......ただ、聞きたかっただけで......えっと、その......」

何か言いたいけど、言えない。

そんな状況なんだろうな燐は。

すると燐は少し深呼吸をしてこう続けた。

「私もお兄ちゃんの事好き......だから、い、妹としてじゃなくて......ひ、一人の、お、女の子として、見てもらいたいんだけど......ダメ、かな?」

一人の女の子としてか......。

つまりは......どういう事だろう。

「あ、うん、良いけど......でも、なん――」

俺はそこまで言いかけた時、ふと唇に柔らかい感触があった。

「......ん......ふひひっ、ありがと、お兄ちゃん」

俺の横にはいつの間にか燐がいた。

唇に柔らかい感触......これは燐の唇が重なったってことだろう。

つまり、なぜか俺は燐とキスをした。

燐は本当の妹じゃない。

だけど他人でもない。

友達でもない。

じゃあ何なんだ?

答えとしてはこうだろう。


恋人。


この答えが俺の中では最もな答えだろう。

「あれっ、お兄ちゃん大丈夫?」

ピンク髪ロリ美少女な燐。

誰が見たってこの子は可愛い子だ。

しかもアークの女神である。

おとなしいというよりも無邪気で、いい意味で子供っぽい子。


――パチン。


「――大丈夫?」

すると燐は俺の前で指ぱっちんをした。

「はっ!?」

その音で俺は現実世界に帰ってきたようだ。

「あ、ああ......さっきキスした?」

「あ、うんっ。だってお兄ちゃんのこと大好きだから」

「あはは......そうか」

その後は、なぜか燐と一緒に寝るということになった。

「んっ......お兄ちゃん変なことしないでよ?」

「し、しないって......」

「ほんとー?私が寝てる時に、私のおっぱい揉んだりしちゃダメだからねー?......まあでも、お兄ちゃんならいいけど......」

燐は笑いながらそう言う。

でも最後の方は声が小さすぎて聞こえなかった。

「はいはい、揉まないってば」

「そ、そっか......」

俺はそのまま電気を消すと、眠りに落ちていった。

「......むぅ、そういう時は揉んでいいんだからね?......もう、ちゅっ......」

何か聞こえた気がするが俺は目を開けずに寝た。

最後にはなぜか頬のあたりに柔らかい感触があった。





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