21話 またモンスター狩りか......まあ楽しいけど

森。

森とは、広範囲にわたって樹木が密集している場所で......って、そういう事を言いたいんじゃなくてだな.......ええと......

「森に来るのは初めて?」

「えっ?あ、いや......一回たしかティールで......」

「あー、ティールね」

というか色々とどこかに行ってるもんだから、どこに何があるのかとか忘れてきている......。

「お兄さんって意外と......いろんなとこに行ってるみたいね」

「あ、まあ、うん。というか燐に連れられてるけど」

「お、お兄ちゃんっ、そ、そんな事言っちゃダメだよ......!」

「あはは......ご、ごめん......」

まあなんというか......ほんとに燐に連れられてばっかなんだけどね......。

「とりあえず......ほらそこにモンスターいるから倒してきてよ」

「うぇ?お、俺ですか?」

「うんっ」

「............」

俺は数メートル先にいる2足歩行のモンスターに絶句した。

しかもメイに関しては、笑顔で俺の方を見てくる。すごく可愛い。

......じゃなくてだな......

「う、え......」

俺は一歩も足が出なかった。

「ほーら、さっさと倒してきちゃってよっ」

するとメイは俺の背中を強く押し......

「あ、ど、どうも......」

そのモンスターと対面することになってしまった。


「わぁぁぁぁ!なんでよぉぉぉ!」

「......あのさ、なんかお兄ちゃん大丈夫?」

「大丈夫だって、だって燐のお兄さんなんだからさ」

「ま、まぁそうだけど......うーん......」

私はお兄ちゃんを助けようかと思った。

でもメイにそのことを言うと、「大丈夫だって、ほらあんなに余裕そうだし」とか言って私は助けに行けなかった。

「......メイってドSとかだったり......?」

「うーん、まあその可能性はあるね」

当たった。

前々から思っていたけど、やっぱりメイはドSだった。

「ちょ、ちょっと!ま、待ってくださいよおぉぉ!」

「............」

私はモンスターに追いかけられ、逃げまわっているお兄ちゃんをただじっと見守るしかできなかった。

あのモンスターの名前は......ティーゴ。

まあ簡単に言えば、2足歩行の人型のモンスター。

「ねぇ、ほんとにここで待ってる気?」

私はメイの顔を見ながら言った。

「そうねー、まあお兄さんが死ななければいいてしょ」

「......やっぱりメイはドSだったんだ......」


モンスターと格闘している俺。

正確には格闘はしておらず、ただ逃げまわているという状況である。

「くそっ!こうなったら......」

俺は逃げるのを止め、そのモンスターに立ち向かった。

「......『ツイスト!』」

「ゴワァ!?」

俺は最近手に入れていた、ツイストという魔法を使ってみた。

するとそのモンスターは見事に倒れ、俺の経験値?みたいなのになっていった。

「おー、やっぱりお兄さんって強いんだね!これなら、ボスを倒してもいいと思うけど」

ボスね。

何回も言うが俺の目的はボスを倒す事である。

「お兄ちゃん大丈夫だった?」

燐は心配そうに俺によってきた。

「あ、ああ、まあ大丈夫だったよ」

「そ、そっか......っ」

「それじゃあ、次行こー」

先に行くメイに俺と燐はついて行った。





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