第18話 ミリエンの女神とは

「んん......ふぁぁぁ......」

日の光が入ってきた時私は目が覚めた。

ちなみにクーリンはまだ寝ていた。

「......ん......んうぅっ?」

「ふひひっ......これされても起きないんだ......じゃあ、もうちょっとやっちゃおー......」

私は小声でそんなことを言うと、クーリンの下の方を触った。

「んっ!......あ、あえ......っ?」

するとクーリンは起きてしまった。

「ちょ、ちょっと燐ってば!ま、また触って......!」

「あははっ!クーリンって敏感なんだねー」

「......う、うぅぅ......」

クーリンは顔を赤くして言った。


翌朝。

目が覚めると、毎度のことながら俺の上には燐が跨っていた。

しかもクーリンも......。クーリンは俺の足元で......。

なぜ俺の上に跨るのか、俺はその意味が分からなかった。

「......どうして俺の上に跨るかな......」

「えー、だって楽しいんだもん」

楽しいとは?

燐が考えていることは俺には分からん。

「......なんでパンツが見えるんだ......」

俺は見ようと思って見ては無い。

視界に入るだけ。

つまりは、燐が穿いているスカートの丈が短いってこと。

「あれ、お兄ちゃんどこ見てるの?」

「え?あ、いや......!」

俺は燐のパンツから視線を外す。

「ねぇ、今日はまだミリエンにいようよー」

燐は甘えたような声で言う。

「うーん......」

「ぼ、ボクは......燐がいる方がいいし......それに、お兄さんも......」

クーリンは恥ずかしがりながらもそう言う。

「まあ、いいけど......でも、この後どうする?」

アークに帰ったところでって感じなのでもうしばらくここに居ることにした。

別にここにいたって誰かが迷惑するわけない......と思うし。

「それだったらー......ミリエンの女神に会ってみる?」

「会えるの?」

俺は体を起こしながら言う。

ていうか燐以外の女神って......想像しにくい。

「うんっ、女神って言ってもミリエンの女神は誰とでも会えるんだー」

女神が誰とでも会っていいものなのか......?

俺の想像としては、誰とも会えないような要塞?にいる感じなのだが......。

とりあえず俺は体を起こし、ベッドから出た。


今いるのは、女神と会えると思われる建物の前。

ちなみにクーリンは、この後仕事があると言っていたので数分前にクーリンと別れた。

「しっかしクーリンも大変だな」

「まあそうだね。普通に働いているって言うよりも、ちょっと別な仕事だからね......」

「ふーん......」

俺は女神が居ると思う建物に入ろうと扉に手をかけた。

「あ、それと......礼儀はちゃんとしてね?あのほら......」

「あ、ああ、もちろん......」

俺はなぜか緊張していてた。

燐がここに来る前に言っていたことは、ミリエンにいる女神は優しいらしいと言っていた。

とにかく俺は扉を開け中に入った。


中に入るとそこはシーンと静まり返っていて、空気が冷たかった。

本当にここに女神がいるのか?と疑問に思えてきた。

まあでも俺と燐は、長い通路を歩いて行った。

通路の両側には所々に扉があり、多分部屋があると思う。

しかもその通路は電気はあるのだか、若干暗くなっていた。

そして所々にある大きな窓。

これについては......教会?的な感じ。

通路には赤いカーペットがずっと続いていた。

「なあ、ほんとにここに女神がいるのか?」

俺は小声で燐に問いかけると、燐も同じく小声で答えた。

「えっと......多分ここにいるはずだよ。少なくとも、以前ここに来たときはいたんだから......」

「そっか......」

俺は少し疑いながらもそう言うと、ある扉が目に入った。

「これは......?」

扉の横にある小さい机に一つのぬいぐるみが置いてあった。

「ぬいぐるみ......?なぜ?」

「これは......多分、この扉の中の人に渡せってことじゃない?」

「どうしてそう思う?」

「うーん......なんとなく」

ていうか、扉の横にあったぬいぐるみをなぜ扉の中の人に渡すの?そもそも考えられないのだが......まあいいや。

とりあえず俺はその扉を開けてみた。

キィィと小さな音を立てると、扉には鍵がかかっていなく普通に開いてしまった。

するとその扉の向こう側には、勉強机のような机があり、そこに一人の女の子が座っていた。

机に座るのってどうかと思うが......それは置いといて。

「あの......これあなたの......?」

俺は恐る恐るその女の子に近づいて行き、ぬいぐるみを見せた。

「あっ!それ私の!」

するとその女の子は俺が持っていたぬいぐるみを取ると、無邪気な子供のようにはしゃいだ。

「これどこにあったの?」

「え、いや......扉の横......」

「んもぅ、ここの人って何回言ったら分かるのかな......あ、届けてくれてありがとうね!」

「あ、いや......」

俺は後ろにいた燐に目を向ける。

「はぁぁ......どこにいたかと思ったら、ここにいたんだねー」

「あ、燐じゃん!」

するとその子と燐はハグをした。

「何年ぶり?10年ぶりぐらい?」

「そんなに経ってないでしょ?」

「あははっ!」

「まあ、なんというか......その子がここの?」

「そうだよー、この子はメイ。ほとんどの魔法が使えるって子だよー」

ほとんどの魔法が使えるって......一言で言えば最強ってことか。

「それで、この人は私のお兄ちゃんだよー」

「へぇぇ、他の人から話は聞いてるけど......あなたって、外の人だよね?」

「まあ......そうだね......」

「お兄ちゃんってば緊張してるでしょ?」

「......はい......」

「そっかそっか、大丈夫だよ。私は基本何もしないからさ。まあ、とりあえず......燐で物足りなかったら、いつでも言っていいからね?」

物足りないって何?......あー、分かったかもしれない.....。

「ちょ、ちょっと!いきなり私のお兄ちゃんを口説かないでくれるかな!?」

「あははっ!まあまあ、落ち着いてよ。そんな初対面の人にそんなことしないでしょ普通」

「メイが普通じゃないの!」

その後、自己紹介などをしてここの建物を案内されることになった。


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