番外編2 燐の視点から

この話は、今のお兄ちゃんが来る少し前の話。



女神の私は、日々勉強していた。

なぜ勉強していたかというと、女神のランクでいうと私は2番目だった。

簡単に言うと、女神のランクは1~5まであって、ランクが5の人が一番だった。

なので、ランクが3に行くように私は日々勉強をしていた。

「イリア、コーヒーもう一杯......」

「また~?これで、5杯目だよ~?まあ、ちゃんとお金を払ってくれるならいいけど~」

「払うってばー」

今私がいるのは、イリアの店。

イリアの店で勉強をしていた。

「ふーん、毎日勉強ね~。大丈夫なの~?」

「一応まだ大丈夫だけど.....」

イリアが持ってきてくれたコーヒーを飲みながら答える私。

女神の試験と言うか、そういうのが一週間後にあった。

それに向けて、私は勉強をしている。

「そっか~、そういえば燐って魔法持ってたっけ~?」

「......ううん、持ってない」

ちなみに女神のランクが3以上じゃないと、魔法を持てないようになっている。

なのでランクが2の私は、当然魔法など使ったことも見たことも無かった。

「その試験に受かれば、魔法が使えるんだもんね~」

イリアは、私の前に座ってそう言う。

なぜ私がランク3になりたいのか。

もちろんならなくてもいいんだけど、なっておいた方が後々楽というか、いいみたい。

私がランク3になる理由は、魔法を使うため。

なので私は、その試験に受かるために勉強をしているってわけ。

「まあ、頑張ってね。今の私だと、それしか言えないけど」

イリアは私の肩に手を乗せながらそう言う。

「ありがとイリア」

「いいってば~」

イリアは、私が飲み干したコーヒーが入っていたコップを持って行きながら言う。

「......試験、受からなきゃ」

私の目標はそれだった。


一週間が経った日。

つまり、試験当日。

私以外にも、たくさんの女神がその試験会場に集まっていた。

アークから来る人もいれば、ティールやアントス......その他大勢。

もう少しで試験が始まるので、私は教科書に目を通した。

「あ、燐~」

「もしかして来てくれたの?」

私に手を振りながら話しかけるイリア。

「うんっ!燐を応援したいな~って思って」

「ああ......ありがとうね」

私は、イリアにはハグをした。

「えへへっ、いいってば~。もう少しで始まるんでしょ?中に入ってたらいいよ」

「ああ、うん。そうだね」

私は、イリアに手を振るとイリアもそれに答えた。

試験会場内に入ると、ぼちぼち人がいた。

私は、指定された席に座ると急に緊張してきた。

これは、いつもの事。大丈夫、イリアが応援してくれてるんだから受かるよ。と、心の中で自分に言い聞かせた。

そして......

「はい、それでは始めてください」

試験が始まった。

配られた紙に目を通して、まずは分かる所から書いて行く。

分からないのは、余った時間でやっていけばいい。

最初は、順調に書き進めて行った。

そして、分からないところは抜かして分かる所だけ書き進めて行った。

「......次は、分からないところだね」

小さな声で一言言うと、時計を見た。

まだ30分ほど余っていた。

その余った時間で、私は分からないところを書いて行った。

「はい、それでは止めてください」

なんとか最後まで書いた。

そして、その紙は回収され後は結果だけとなった。

私としては、すべて埋めたので間違っていたとしても2、3個だろうと思った。


そして、一時間ほど待ってようやく戻ってきた。

「......わぁ」

紙をもらって、その点数を見た時出た言葉はそれだった。

そして私は、試験会場から出るとイリアが私を待っていた。

「どうだった~?」

「あ、うん。良かったよ!」

「お~、それは良かったじゃん」

これで私もランク3に入れたんだなと実感した。


そして帰り。

私は、イリアと別れ自分の家に帰ろうとした。

すると、なぜか道路に人だかりがあった。

私は、なんだろうと思いその人だかりも中をかき分けて行った。

すると、そこにいたのは男性だった。

「あ、あの......大丈夫?」

「......へ?」

そう、その男性というのは今のお兄ちゃんだった。

「あ、ありがとう......」

私は、その......お兄ちゃんに手を差し伸べるとお礼を言われた。

その後、自己紹介と、ここは何なのかについて話した。(第1話参照......byゆん)

そして、私は男性つまりお兄ちゃんとアークについて教えてあげた。




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