番外編 緑髪の少女に恋をした俺

ここでの番外編は、第10話で出てきた緑髪の少女に俺(祐)が恋をするという話。

それじゃあどうぞー。



あの日から数日経った。

あの日と言うのは、以前燐と一緒にモンスターを倒した日。

あの日、俺は精霊を倒すのに夢中になり過ぎてここはどこかも分からなくなっていた。

とりあえず数分歩くと、開けた所に川があった。

その向こう岸の大きな岩に寄りかかっている緑髪の少女が目に留まった。

その少女はモンスターらしく、燐がその少女を......。


「......」

今俺が居るのは、以前モンスターを倒すために来たアントスという町の森。

今回に関しては、燐は連れてこず俺一人で来た。

もちろん燐には心配されたが、「必ず帰ってくるから」と言ったので、多分大丈夫だろう。

「......あ、いた」

以前の緑髪少女がいたところに来ると、その少女は向こう岸にの方にいた。

以前来た時もそうだったが、その少女は笑顔で俺を見てくる。

「......あははっ」

すると俺の方もなぜか笑いが出てくる。

その少女は、俺に「こっちおいでよ」というような、手招きをしてくる。

俺はゆっくりとその少女の所に行った。

「......一応言っておくけど、食べないでよ?」

その少女は、こくりと頷いた。

多分これで、食べられる心配はなくなっただろう......。

「君、ここで何してるの?」

「......ナニモシテナイヨ?」

その少女はおずおずと俺に言ってくる。

「そっか......君家ある?」

どっかで聞いたことあるセリフだな。(第1話参照......byゆん)

「......ナイ」

その少女は、首を横に振りながらそう言う。

「あー......それじゃあ、俺の家に来る?」

「......イイノ?」

「うん、理由を話せば多分......燐も入れてくれるだろうし......とりあえず行こうよ」

「......ウンッ」

その少女は、笑顔で俺に言ってくる。

俺は少女に手を差し伸べると、俺の手をつかんでくれた。

その後、俺はその少女と一緒に家に帰った。


「......どうして、その子を.....?」

家に帰ると、そう言われるだろうなと俺は思っていた。

「いや......その......」

俺は何かいい考えが無いかとものすごく考える。

「その子はモンスターだよ?......でも......」

「その......悲しそうだったからさ......」

「......分かるよ、お兄ちゃんは優しいってことは......だから、その子を連れてきたんでしょ?」

燐は声のトーンを落としてそう言う。

リビングで行われているのは、この子をどうするかという事。

俺がこの子を連れてこなければ、こうはならなかったんだけど......でもね。

「......分かったよ。その子は私の家に置いておくのは良いけど......でも、もしも何かあったら......分かるね?」

すると燐は、声のトーンを更に落として言う。

......やだ怖い。

「......はい......」

「ふひひっ!大丈夫だって。私言ったじゃん、お兄ちゃんは殺さないって」

すると燐はいつもの燐に戻っていた。

「......これも怖い」

俺は一言小さく言った。






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