第13話 ダンジョンにて

「さてと~、私疲れちゃったからおんぶして~お兄さん~」

「ええ......」

モンスターを倒して数分歩くと、イリアが甘えるように俺に言ってくる。

俺はどうしようかと考え、燐に一度視線を動かすと燐は首を横にゆっくりと動かした。

「いや......あの......」

俺はどう言ったらいいか分からなくなった。

「もうー、お兄ちゃんってば優しすぎなんだからー。ほら、イリア立って」

「え~......仕方ないな~」

......優しすぎてもダメなんだね。

「それじゃあ、次はどこ行くの?」

燐が無難に質問する中イリアは少し考えた。

「カップルが行くホテルみたいなとこ行く~?」

「ぶふぉ!?」

俺は飲んでいたスィークを盛大に吹き出してしまった。

「ゴホっ......そ、それって......」

何とは言わないが俺は知っている。

「......ていうかちなみにイリアと燐って何歳?」

「急にどうしたの?」

「あ、いや......その、知らないからさ......」

「え、あー......そうなんだ......?」

自分でも何言ってるか分からない。

「あたしは、13だけど~」

「私は、14だったかな......」

「へぇぇ......え、マジで言ってる!?」

「あ、うん、そうだけど~......どうしたの~?」

マジか、まさか燐とイリアはこんな年齢だと思わなかった......。

それはそうと......。

「えっと、イリアはその年齢で働いてるの?」

「そうだけど~?」

......ここの世界は何歳から働けるんだ......。

ここは異世界だもんな......。

「ん......?14で女神って......」

うーん、年齢に関してはよく分からないな。

「まあいいや......それじゃあ行くか」

「あ、うん~」

とりあえず俺たちは、行くところも分からないまま歩いて行った。


「アークって街から離れるとこうなってんだな」

「まあそうだねー、街以外にも一応人は住んでるんだよー」

「ふーん......」

あの後、十分くらい歩くと家がポツポツとあった。

なんていうか、家の周りは草原だった。

「あ、ダンジョンあるけど行く~?」

イリアがそう言うので、イリアの所に行くとダンジョンの看板らしきものがあった。

「ダンジョンね......行きたいけどいいか?」

「あー......うん、行こうよ」

「それじゃあ行くぞー」

俺にとっては、ダンジョンは初めてだった。

そこのダンジョンは、すぐの所にあった。

「まさか地下か......?」

そのダンジョンは、普通に歩道の所に下に続く階段があった。

とりあえず燐を先頭にしてダンジョンに入って行った。


「ダンジョンってこうなってんのか......」

ダンジョン内に入ってきた俺達。

階段を下りると、そこは部屋になっていた。

「この先、モンスターだらけ......マジか」

俺は、部屋に貼ってあった張り紙を見るとそう書いてあったので怖くなった。

ちなみにダンジョンと言っても、明かりはついていた。

「どうするの~?私は行ってもいいけど~?」

「あー......」

俺は少し考えた。

「......行こう」

考えた結果行くことにした。

「まあ私もいいけど......」

俺は部屋から出るため扉を開けた。

そこには、長い通路がありその横には多くの扉があった。

多分、その部屋ごとにモンスターが居るとか......?

まあでも、通路にも普通にモンスター居るけどね。

「とりあえずー......各部屋からやっていこうよ」

燐はそう言いながら、近くにあった部屋のドアを開ける。

「へぇぇ......こうなってんのか」

その部屋に入ると、そもそも部屋の大きさが異常なほど大きかった。

しかもモンスターは野放しになってるし。

ていうか、倒してもまた復活するよな?だってダンジョンだぜ?

「そんじゃ倒していきますか」

俺は近くにいた人型のモンスターを倒すべく魔法を放った。

「ハイン!」

毎度のことながら、ハインを撃ち放った。

「え?!倒れないの!?」

その人型のモンスターは、ハインだけでは倒せなかった。

「だから私言ったでしょー?ハイン以外も覚えた方がいいってさー」

「は、はい......」

前に燐が言っていたような気がするが、ハインは威力はそこまで無いって。(第9話参照......byゆん)

そんな俺に燐がその人形のモンスターを倒してくれた。

「こんな弱いモンスターだからなー......これでいっか『クーンロスト』」

「もしかして......残りもやるの~?」

「どうするー?」

「いや、なんでもいいけど......ストレスが溜まってるんならどうぞ......」

「私は、性欲が溜まってるんだけどね~」

「「............」」

俺と燐は口をポカンと開けて何も言えなかった。



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