第8話 二日目の夜は最初とは訳が違う

「......まじで?」

「にひひっ、はやくー私の背中洗ってよー」

「燐だけずるい~、わ、私の方が先~」

率直に言おうじゃないか。

いまの発言で大体は分かったと思う。

ええと......今風呂場にいる。

風呂場で、燐とイリア、そして俺がいるという状況。

いやあのな?俺が入ろうとしたわけじゃなくて、燐が......って最初から説明した方がいいな。


家に帰宅した俺と燐。そしてなぜかイリアがいる。

「あのさ......なぜにイリア?」

「あー、なんか店でいい男性と会えなかったんだってー。それで、良い男性って言ったら私のお兄ちゃんだーって言ってさ」

「え、そうなんだ」

なぜか俺はその発言に対しあまり驚かなかった。

「それで、私のお兄ちゃんと一緒に寝たりしたらいいんじゃないの?ってことになったー」

「......」

なんか燐の言っていることがどうも不完全というか、納得がいくような発言ではなかった。

「まあ簡単に言えば、私の家に来たらお兄ちゃんを貸してあげるよってことー」

なんかその言い方だと卑猥っぽく聞こえるのは俺だけだろうか......。

「それじゃーイリア、お風呂いこー」

燐はそう言いながら俺の手を掴む。

「えっと、なぜに俺?」

「えっ?もう鈍感だなー、お兄ちゃんも、もちろん一緒に入ってもらうからねー」

笑顔で言う燐に対し俺は、若干恐怖を感じた。

「......はい」

俺は女神の言う事に従うしかなかった。


っていう感じ。

これだけだとあんまり伝わらないというか説明不足と言うか......(説明の所はきつい......byゆん)

おっとまたしても作者が......ってもう出てくんな。

「お兄ちゃん?一人で何言ってるの?」

「え?あ、ああなんでもない......」

まさか声に出てたとはな......。

「ねぇー早く洗ってー」

燐はそう言いながら風呂場にある椅子に座り、俺に色白の背中を見せてくる。

「わ、私も洗って~お兄さん」

するとイリアも地べたに座って燐と同様、俺に色白の背中を見せてくる。

「................」

この状況......分かる人は分かると思うが俺も分かる。

まあ何とは言わないがな......。

「お兄ちゃんってばー」

「お兄さん~」

ロリ美少女二人は振り向いて俺に言ってくる。

......これはヤバい。

異世界だから出来る事であって日本じゃできないだろうに......。

異世界最高と思う時だった。


「......ヤバかった」

あの後、俺はイリアと燐の背中を同時に洗っていった。(タオルでだぞ?)

で、今どういう状況かと言うと......浴槽で燐とイリアに挟まれる感じになっている。

「ふひひっ、お兄ちゃんってば緊張しすぎだよー?」

燐はそう言いながら俺の腕に抱き着いてくる。

まあこの光景は何回も見たことはあるけど......ここは風呂場、つまり燐とイリアは(俺も含め)裸なんだ。

今までは服の上から抱き着いてきたけど、裸で抱き着かれるのでは全然違う。

何が言いたいかというと......その、胸の部分がハッキリと分かってしまう。

「私のおっぱいどうー?」

燐はムニムニと自ら胸を俺の腕に当ててくる。

......こんなキャラだっけ燐って。

「おっぱいは小さいけど......これでもある方なんだよー?」

「わ、分かったから、そんな押し付けないでって......!」

「ね、ねぇお兄さん?私のおっぱいは~?」

燐の次にイリアが俺の腕に胸を当ててくる。

「さ、さすがに......!」

このままでは理性が持たないと俺は思った。

でもそれに関係なく燐とイリアは俺の腕に胸を押し付けてくる。

まあなんというか、こういうのって悪いとは俺は思わなかった。


「ん、んん......ふぁぁぁ、お兄ちゃーん......」

蕩けた声、そしてロリ声で言う燐。

「ふぁぁ......っ」

それに対しイリアは、大きな欠伸をしていた。

お風呂から上がった俺たちは、リビングで布団を敷いたあとは寝るだけという所だった。

「ねぇぇお兄ちゃんー?私とエッチしよー?」

「き、急にどうした?てか、燐って今日はなんかおかしいような気がするんだが......?」

もしかして、燐はエッチなことに興味があったり?はたまた、イリアみたいに性欲が強かったり?

色々な考えがあった。

「ん、んんー......?」

すると燐は急に俺にキスしようとしてくる。

「ち、ちょっと燐さん!?き、キスはまだダメって言ってたよね!?」

「そんな事言ったっけー?」

「で、でも......」

俺は燐をゆっくりと遠ざける。

「ありゃ~、燐ってばまさかアレ飲んだの~?」

アレとは。

「んん?飲んだような飲んでないようなー?」

燐はエロい顔になりながらそう言う。

「うーん......絶対飲んだね~。はぁぁ、よりによってそれ飲むなんてね~」

「あ、あのさ、その燐が飲んだものって何......?」

俺はキス使用してくる燐を遠ざけながらイリアに言う。

「それはね~、一時的に性欲が増すクスリというか、液体というか~?」

「ま、マジかよ......治すには?」

「んーと、燐の気が済むまでエッチな事するか~......ってか、それしか方法が無いんだよね~」

「................」

俺は沈黙した。

燐とエッチするなんて......。

「それとも、私が燐の性欲抑えようか~?」

「ええと......」

「ふひひっ、お兄ちゃんー」

俺に抱き着いてくる燐を見ながら俺は考える。

「......任せるよ」

「え、ほんとにいいの~?燐とエッチできるのに~」

俺はまた考える。

「いや、まだ早いからね......それに、元に戻った燐と俺は......」

「分かったよ~、それじゃあ燐こっちおいで~」

イリアは燐をトイレに連れて行くと、俺に「ほんとに良いんだね?」というような目つきで俺を見る。

俺は無言で頷くと、イリアはトイレのドアをゆっくりと閉めた。

「......寝るか」

俺はリビングの電気を消し、そのまま寝たのだった。





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